原晋監督や中野ジェームズ修一さん、箱根4連覇を目指す青学を支える人たち

青学が箱根駅伝3連覇を成し遂げてから、早くも約5ヶ月が経ちました。青学陸上部にも新入生が加入し、再びの大学三大駅伝制覇、そして箱根駅伝4連覇に向けて進み続けています。ちなみに、今までに箱根4連覇を達成した大学は全部で5校。なかでも2002~2005年に4連覇を成し遂げた駒澤大学は記憶にある方も多いのでは。

青学は2018年の箱根駅伝において、史上6校目の4連覇を達成するのでしょうか。少なくとも優勝候補であることは間違いないでしょう。そんな青学の強さの秘訣はどこにあるのか。今回は改めて青学の強さの秘密に迫ります。

常識を覆す原監督のマネジメント

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原監督のマネジメント手法は、今や大学駅伝だけでなく、様々な分野から注目を集めています。毎年選手の入れ替わりがある大学駅伝において、20歳前後の多感な青年たちをどのようにマネジメントしているのでしょうか。

原監督の手法の1つとして、「選手の自主性を尊重する」ということがあります。従来の大学駅伝では、監督が選手を管理して、時には叱咤激励しながら走り込むことが当たり前とされてきました。苦しさを乗り越えることで速くなる、という考えでしょうか。

これに対して、原監督は選手が自ら目標を立てて走る環境を作り出しています。誰かに走らされるのではなく、自分で走るからこそ、選手の成長は加速するのでしょう。このようなマネジメントを行う原監督ですが、監督自身は現役の世羅高校在学時に軍隊のような管理を受けた経験がありました。それを反面教師として、今のようなスタイルになったのかもしれません。

選手たちの自主性を促す手法の1つとして、「目標管理シート」があります。これは選手に1週間の目標、1ヶ月の目標、1年の目標などを書かせて、自分の到達度を確認させながら、目標を達成するためにどうすれば良いのかを考えるように促すものです。

このようなやり方は、私たちの生活や仕事にも応用できるのではないでしょうか。青学の選手は、常に目標を意識することによって力をつけていきます。詳しい目標設定の方法については以下の記事で触れているので、ここでは省略しますが、この目標設定が箱根初優勝から3連覇を達成する原動力となっていることは間違いないでしょう。

選手自らが理論を考えるトレーニング

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青学の強さの秘訣として、もう1つ有名なのが「青トレ」と呼ばれる独自のトレーニングメソッド。フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんが「勝つため」のトレーニングとして導入したものです。

「青トレ」では、一見カッコ良いけれど難しいトレーニングよりも、地味な動きの基本的なトレーニングを重視して行います。そうして、普段は意識しにくい筋肉を使いながら全身の体幹を作っていくのです。他の大学が軽視しがちなこうした基本的な身体づくりが、青学の速さの基礎を支えているのでしょう。

しかし、この「青トレ」も選手がただやらされているだけでは身につきません。常に選手は、「なぜこのトレーニングを行うのか」「どのようにすれば効果が高まるのか」ということを考えることが要求されます。言葉で言うのは簡単ですが、実際にこれらを常に意識するのは難しいもの。改めて青学の選手、そしてそのトレーニング環境には脱帽です。

詳しい青学のトレーニング方法については、フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんがこちらの記事で話しています。

他にも、青学は速くなるための睡眠法やエネルギー補給方法など、様々なメソッドを実行しています。興味のある方はこちらの記事をご覧ください。

大学駅伝にとどまらない。青学OBの様々な道

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青学トレーニングで大きく成長した選手たちは、大学駅伝にとどまらず幅広い活躍をしています。大谷遼太郎選手もその1人。青学の出雲駅伝初優勝に貢献し、4年生の時には箱根駅伝で「花の2区」を走った大谷選手。現在は種目を変えて、トライアスロンで東京オリンピックに出場、そしてメダル獲得を目指してトレーニングを続けています。

 

 


 

名実ともに、大学駅伝を代表するチームに成長した青山学院大学。そのマネジメント手法、綿密なトレーニング計画、そして卒業生の活躍と、注目すべきポイントが非常に多いです。2017年度のチームテーマに”Venture Green”を掲げ、陸上界を変えたいと語る青学から、これからも目が離せません。

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