厚底ランニングシューズの魅力を徹底解剖! 各ブランドの人気厚底シューズも紹介【2024年最新版】
Aug 24, 2024 / SHOES
Sep 24, 2024 Updated
ランニングシューズの進化は日々続いており、その中でも常に注目を浴びているのが厚底のランニングシューズです。発売当初は、スピードを重視するトップアスリート向けという印象が強かった“厚底シューズ”ですが、近年は走りやすさにフォーカスされたモデルも多く誕生。エリート選手から市民ランナーまで幅広い層に愛用されるようになりました。
厚底シューズの最大の特徴は、その名前の通り、通常のシューズよりも厚みのあるソール。厚みのあるソールはさまざまな機能を持ち、快適なランニングをサポートします。
本稿では、厚底シューズのメリット・デメリットを解説し、各スポーツブランドの厚底ランニングシューズも一挙に紹介。厚底ランニングシューズに初挑戦したいと考えている人も、すでにその魅力を感じており2足目の購入を検討している人も、ぜひ自分にぴったりの一足を見つけてください!
目次
- 1.厚底ランニングシューズとは?
- 2.厚底シューズを履くことのメリット
- 3. 厚底シューズを履くことのデメリット
- 4.各ブランドの人気厚底シューズを紹介
- 1. ナイキ|ズーム フライ 5
- 2. ナイキ|インヴィンシブル 3
- 3. ナイキ|ヴェイパーフライ 3
- 4. アディダス|ADIZERO BOSTON 12
- 5. アディダス|ADISTAR 2.0
- 6. アディダス|ADIZERO ADIOS PRO 3
- 7. ニューバランス|FuelCell Rebel v4
- 8. ニューバランス|Fresh Foam X 1080 v13
- 9. ニューバランス|FuelCell SuperComp Elite v4
- 10. HOKA|BONDI 8
- 11. HOKA|CIELO X1
- 12. On|Cloudmonster 2
- 13. On|Cloudmonster Hyper
- 14. アシックス|NOVABLAST 4
- 15. アシックス|SUPERBLAST 2
- 16. アシックス|METASPEED SKY PARIS
- 17. ミズノ|MIZUNO NEO VISTA
- 5.厚底ランニングシューズに挑戦してみよう
1.厚底ランニングシューズとは?
厚底シューズが世界的に初登場したのは2016年のリオデジャネイロオリンピック。ケニアのエリウド・キプチョゲ選手がナイキの厚底シューズの試作品(プロトタイプ)を着用して男子マラソンに出場し、金メダルを獲得しました。2017年には多くのトップ選手が厚底シューズを履いて好記録を更新し、マラソンの高速化が進むと2018年にはキプチョゲ選手によって人類初の2時間切りの壁が破られました。
厚底シューズは、見た目や感覚でソールが厚めのものが「厚底ランニングシューズ」と呼ばれています。一方、公認ロードレースにおいては記録が認められるシューズの厚さが40mm以内と世界陸連の規定により決められ、エリート選手はこの規定内のシューズを着用してマラソンをはじめとしたロードレースへ臨みます。
厚底シューズの登場以後マラソンの高速化は日本でも進み、2018年以降多くの日本記録が更新されています。また、厚底シューズは箱根駅伝のランナーにも支持されるようになり、2020年に行われた第96回箱根駅伝では、出走した全210名の選手のうち、実に177名(84.7%)の選手がナイキの厚底シューズを着用していたという情報もあります。
厚底シューズの革新的だった点は、カーボンプレートがソールに埋め込まれ、反発力と推進力が飛躍的に向上したこと。その結果ランニング効率が上がり、多くの新記録が樹立されました。
初期の厚底シューズはスピードに特化していた反面、耐久性や安定性が高いとはいえず、市民ランナーにはハードルの高いアイテムでした。しかし近年は、厚底シューズの特徴は踏襲しつつ、日々のトレーニング用としても使えるシューズが増えています。また、ランニングシューズ全体の多様化も進み、シューズの軽さや形状、カーボンプレートの有無などが異なる、さまざまな厚底シューズが誕生しています。
2.厚底シューズを履くことのメリット
①クッション性の確保
厚底ランニングシューズはソールが厚く、クッション性が高いため、足が着地したときの衝撃を緩和してくれます。
ランニング時に足へかかる負担は体重の約3倍と言われ、ダメージは気づかないうちに蓄積されるため注意が必要です。クッション性の高いシューズを履くことで、足や膝への負担が軽減され、長時間のランニングでも疲労が蓄積しにくくなります。ケガを予防したい初心者ランナーや、筋肉量が少ない方にもおすすめです。
②歩幅を大きくできる
厚底シューズの中でもミッドソールにカーボンプレートを搭載したシューズは、着地時に曲がったクッション材が元に戻る反発力を利用して、前方への推進力を生み出すよう設計されています。そのため一歩の歩幅が広がり、少ない歩数でも早く走ることができます。
このように、シューズによるエネルギーリターンが大きく、効率的なランニングをサポートしている点も厚底シューズの魅力です。
③推進力が高い
厚底シューズは反発力が強く、その力は推進力に変わるため、ランナーは弾むような走り心地を体感できます。また厚底シューズは、シューズ全体が船形のような形になっているものが多いため自然と前傾姿勢になり、かかとからつま先への体重移動がスムーズに行えます。その結果、身体が斜め上方向に進んでスピードアップにつながります。
3. 厚底シューズを履くことのデメリット
①走り方にコツが必要
厚底シューズはソールが厚いため、ソールの薄いシューズと比べると地面の感触が伝わりにくいです。そのため走行感覚が変化し、慣れるまでに時間がかかることもあります。足や筋肉の使い方を適応させるためには、短い距離から始めて徐々に距離を延ばすことが重要です。
また、昨今ではシューズの設計が徐々に変化してきていますが、厚底シューズは反発力を活かすためにつま先から着地を行う「フォアフット走法」を前提として設計されたシューズも多く、慣れないランナーもいるでしょう。かかとから着地を行う「ヒールストライク走法」で走っている方だと、シューズの性能を万全に発揮できないだけでなく、慣れない走り方で怪我をする可能性もあるため、正しいフォームを保つ練習が必要です。
②着地時の安定性の低下
クッション性に優れた厚底シューズは、足裏にかかる衝撃を吸収するというメリットがあるものの、慣れるまでは着地時に足が左右にブレやすいです。人間の関節は縦方向の衝撃を和らげるのは得意ですが、横方向の衝撃やグラつきを緩衝するのは苦手なため、膝や股関節といった関節部分の痛み、あるいは体のバランスを支える足裏に痛みを生じやすくなります。
これらを解消するためには、体幹や足の筋肉を鍛えブレない身体づくりをすること、ソールが柔らかすぎず、地面との接地面がある程度広いシューズがおすすめです。また、初心者のうちは、厚底シューズを履いての急な方向転換や不整地でのランニングは避けた方が良いでしょう。
4.各ブランドの人気厚底シューズを紹介
ランニングシューズを扱う多くのブランドから、厚底シューズが発売されています。同じ厚底シューズではあるものの、ブランドやモデルごとに特徴が異なるため、自分に合ったシューズを探すことが大切です。
以下はブランド別に代表的な厚底シューズを紹介しています。さまざまなブランド、モデルを比較検討してみてください。
1. ナイキ|ズーム フライ 5
反発性により、エネルギーリターン率の高いシューズ。さらに前作よりもサポート力や安定性が向上し、特に接地感が非常に安定しました。このような、高い機能性がありながらレーシングモデルより低価格なことも魅力の1つです。テンポアップできるシューズでありながら、より幅広い用途、多くのランナーが履けるモデルに進化した『ズーム フライ 5』は、初心者はもちろん、サブ4.5やサブ4を目指すランナーにもぴったりの一足です。
2. ナイキ|インヴィンシブル 3
『ZoomX』フォームが搭載されたこのシューズは、クッション性と反発性に優れており、足を保護しつつ弾むような推進力を生み出します。リニューアルされたニットアッパーは、軽量性、サポート⼒、通気性を兼ね備えた多層構造。そのため足へのフィット感が強く、足と靴が一体化するようなサポート性能を感じられます。前作と比べてアウトソールのグリップ力も向上し、路面が濡れていても安心して履くことができます。
3. ナイキ|ヴェイパーフライ 3
ランナーなら誰もが憧れる、スピードを追求した一足です。『ZoomX』フォームにより極めて軽量でありながら、優れたクッション性と反発力を実現しており、足を置くだけで自然と前へ進む感覚を味わえます。加えてフルレングスのカーボンファイバープレートが、エネルギーリターンを最大化し、スピードアップにつながります。前作よりも前足部のプラットフォームが広がったことで揺れ感が減少したため、ヴェイパーフライ初挑戦のランナーにもおすすめです。
4. アディダス|ADIZERO BOSTON 12
中距離から長距離のランニングに対応するよう設計されたシューズです。フルレングスのグラスファイバー製『ENERGYRODS 2.0』が生み出す反発力は、足裏のエネルギーロスを軽減し、レース当日のような推進力を生み出します。もちろん軽さやクッション性にも妥協はなく、足への負担が少ない設計になっています。
5. アディダス|ADISTAR 2.0
弾むようなクッション性が特徴の軽量フォームと、かかとを包み込む部分に硬い素材を用いた、密度の異なる二層構造のミッドソールが搭載されています。これによって長距離のランニングに対するサポート力が高く、一定のペースを保ったスムーズな走行が可能です。ソールの形がゆりかごのようになっており、転がるように前へ進めるため、走行距離を伸ばしたい人にもぴったりです。
6. アディダス|ADIZERO ADIOS PRO 3
最速に挑むランナーのための、スピードへにこだわったシューズ。エリート選手たちのレーシングシューズとしても着用され、多くの記録を残してきました。二層構造のフォーム『LIGHTSTRIKE PRO』によりクッション性に優れ、フルレングスになったアディダス独自のカーボンテクノロジー『EnergyRods (エナジーロッド)』がバネのようにしなることで、大きな推進力を生み出します。また、前作よりもプラットフォームが広くなったことで安定性が向上し、接地時のバランスがとりやすくなりました。
7. ニューバランス|FuelCell Rebel v4
スピード走行を支える軽量性・反発性がコンセプトです。進化したミッドソールは柔らかいだけでなく反発性にも優れ、プレート非搭載ながら転がるような感覚を体感できます。また、プラットフォームが広く安定性にも優れています。前作と比べて、アッパーのメッシュ部分のつまりが改善されており、よりストレスフリーな履き心地を楽しめます
8. ニューバランス|Fresh Foam X 1080 v13
クッション性はそのままにさらなる軽さと反発性を加えた新しいミッドソールは、レーシングシューズほどではないものの、足がリズミカルに前へ進みます。タイト過ぎないエンジニアードメッシュ系のアッパーは、前足部がゆったりとしていて、長時間のランニングでも快適です。普段履きしやすいカラーリングで、私服とのコーディネートとも楽しめます。
9. ニューバランス|FuelCell SuperComp Elite v4
レースでの勝利・記録更新を狙うランナーに向けたレース用シューズです。湾曲させたカーボンファイバープレートを挟み込み、ミッドソールの空洞構造と相まって最大限のエネルギーリターンを生み出す『Energy Arc』が搭載され、ニューバランス史上最高の反発力と推進力を持っているシューズと言っても過言ではありません。
10. HOKA|BONDI 8
HOKAのラインナップの中で最もクッション性にこだわったシリーズです。今作はクッション素材の配合が変更され、ボリューム感のあるクッションながら反発性も向上しています。アッパーのエンジニアードメッシュはシームレス、縫い目のないデザインです。幅自体は広くありませんが、足を入れると馴染みの良さを感じます。耐久性も高いシューズなので日々のランニングからロングランまで活躍します。
11. HOKA|CIELO X1
HOKA史上最大のエネルギーリターンを実現した一足です。ソール部分に大胆な切り込みを入れることで軽量化。ミッドソールは、ランナーのストライドを前進させるよ う設計された、ホカの初期の『MetaRocker™️』が採用されています。非対称のウイング形状のカーボンプレートを、反発性に優れた2層のPEBAフォームで挟むHOKA独自の『ProFlyX™️』構造を採用することで、柔らかさもありながら、バウンド感の強いスピードアップシューズに仕上がっています。
12. On|Cloudmonster 2
On独自の『CloudTec®』クッションが採用されており、着地時の衝撃を効果的に吸収し、反発力を生むことで、高いエネルギーリターンを生み出しています。また、ナイロン配合の『Speedboard®』がアップデート。しなりにくい仕様であることで安定感が高まりつつ、バウンドを後押ししてくれる構造となっています。自分のペースを維持しながらも、長時間ぐんぐん走れるシューズなので、マラソンの後半でタイムが落ちてしまう方にもおすすめです。
13. On|Cloudmonster Hyper
プロのアスリートたちとともに作り上げられた超軽量トレーニングシューズです。軽量でありながら厚底のデザインが特徴で、Onの代名詞とも言える『CloudTec®』と二層構造のミッドソールによりクッション性に優れています。トレーニング後の回復を早め、軽量化を図るために『Speedboard®』が排除され、代わりに反発性の高い『Helion™ HFハイパーフォーム』を搭載。推進力に優れ、スムーズな足運びが実現されています。クッション性とエネルギーリターンを両立した、まさに「ハイパー」な一足です。
14. アシックス|NOVABLAST 4
跳ね返る感覚がさらに強化された、アシックスの人気シリーズ『NOVABLAST』最新作。厚みのあるクッション性に優れたミッドソールでありながら、かかと部の接地面を広くとることで、反発感と安定性を兼ね備えたシューズとなっています。弾むような走り心地で、ある程度ランニング経験のある中級者ランナーや、サブ4ランナーのレーシング用シューズにもぴったりの一足です。
15. アシックス|SUPERBLAST 2
この夏待望のアップデートを遂げた『SUPERBLAST 2』は、ボリュームたっぷりのスペックに仕上がっています。ミッドソール素材は厚底レーシングシューズである『METASPEED PARIS』シリーズにも使用されている『FF TURBO PLUS』が採用され、反発性とクッション性に優れたシューズです。デイリートレーナーに近い雰囲気がありながらも、厚底レーシングシューズに慣れるために必要な、ソールをしっかりと踏む練習にもぴったりです。
16. アシックス|METASPEED SKY PARIS
ストライド型ランナーがよりストライドを伸ばし、少ない歩数でゴールすることを追求するアシックスの厚底レーシングシューズです。軽量かつスピーディーな走りを目指し、前モデルから約20g軽量化されました。反発性の高いフォーム素材や拡大されたカーボンプレートによって、よりスムーズな蹴り出しが可能になり、自己ベストを目指すランナーをサポートします。
17. ミズノ|MIZUNO NEO VISTA
強度の高い練習をしても効率的かつ負担が少ない設計を目指した、新コンセプトの厚底ランニング用トレーニングシューズです。本シューズにはミズノの厚底シューズ開発の根幹機能である『SMOOTH SPEED ASSIST』が搭載されています。スピードのある走行をアシストしつつ、ふくらはぎ周りの筋肉の負担を軽減します。また、かかと部分の反り上がりが細やかに調節され、自然な走行感とともに安定性を生み出しています。
5.厚底ランニングシューズに挑戦してみよう
厚底シューズは、スピードアップや効率的な走りを実現できる一方、反発性が高く、扱い方が難しい場合があります。ケガをしないためにも、適切なランニングフォームを保つこと、自分のレベルに合ったシューズを選ぶことが大切です。また、普段のトレーニング時には履き慣れているシューズと使い分けるとより効果的です。
さまざまな機能がありトップ選手にも人気の厚底シューズ。レース用のシューズを探している人や、タイムを短縮したいと考えている人は、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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