【アシックス】注目厚底シューズ「METASPEED PARIS」シリーズはどう選ぶ?シューズアドバイザーが解説
Apr 03, 2024 / SHOES
Apr 03, 2024 Updated
登場以来、市民ランナーからトップアスリートまで幅広く支持されてきたシリーズの最新作『METASPEED SKY PARIS(メタスピードスカイ パリ)』『METASPEED EDGE PARIS(メタスピードエッジ パリ)』がついに登場。2024年大注目の2足を、今回もRuntripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんが徹底解説します。
藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わり20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。
反発性、軽量性、通気性……各要素が大幅にアップデート
大森:今回ご紹介するシューズはアシックス『METASPEED PARIS』シリーズの2足です。すでに大きな話題を呼んでいるシューズですよね。
藤原:前作同様に2足の違いは内蔵されたプレートの形状です。ミッドソール側面の黄色と黒に着色された部分の分かれ目がプレートの位置を示す目印となっています。ただプレート以外はほとんど違いがありません。
今作から2足ともに厚さが39.5mm、ドロップ(シューズ前後の高低差)が5mm、重量が185gとなっています。前作はこれらの項目に差異がありました。
藤原:実は2024年の箱根駅伝に出場した選手の多くは本作のプロトタイプを着用していました。私も実際に履いてみましたが、今すぐレースで履きたいと思ってしまうほどに、とても良いシューズでした。シューズのアップデートとともに、パリオリンピックへの気合の入り方を感じましたね。
大森:さらに、今作からミッドソールに新素材『FF TURBO PLUS(エフエフターボプラス)』が全面に搭載されましたね。
藤原:前作と比較し反発弾性と軽量性がアップデートされた素材です。前作と今作を履き比べてミッドソールの厚みの違いを感じました。ミッドソールの厚みや量が増えているのに、重量が軽くなっている点は驚きです。
大森:またアッパーも前作と異なり『モーションラップアッパー2.0』へとアップデートされました。
藤原:とくに通気性が向上していますね。しっかりとしたつくりでありつつも軽量な生地は、陸上スパイクのアッパーを彷彿とさせます。もちろんフィット感も非常に良いです。前作から採用されているギザギザとしたシューレースも、走行時にほどけにくくなるよう工夫が施されています。
大森:前作と比較して前足部はゆったりとしたつくりになっている点にも注目ですね。
シューズアドバイザー流の2足を履き分けるポイントとは
藤原:前述の通り、2足の最も大きな違いはプレートの挿入位置。EDGE PARISでは前足部の真下にミッドソール素材が集まるように、SKY PARISではプレートの真下にミッドソール素材が集まるようにプレートが入っています。プレートの形状も異なり、EDGE PARISではスプーンに似た形状、SKY PARISではフラットに近い形状となっていますね。
これまでのシリーズではストライド走法のランナーはSKYが、ピッチ走法のランナーはEDGEが推奨されていますが、今作に限って言えば、私は逆ではないかと感じました。なぜならSKY PARISの方が薄底シューズのように感じたからです。
藤原:EDGE PARISには他ブランドのシューズに似た形状のプレートが入っており、いわゆる一般的な厚底レーシングシューズに近づきました。ただSKY PARISは同じ厚さであるはずなのに、足を踏み込んだ際に薄く感じたのです。
そのためEDGE PARISはロングランで真価を発揮するシューズ、SKY PARISはどんな距離でも使えそうなシューズだと感じます。ナイキのシューズで例えるならばEDGE PARISは『アルファフライ』、SKY PARISは『ヴェイパーフライ』でしょうか。
藤原:従来モデルでEDGEは接地感を求めるランナーに愛されるモデルでした。ただ最近ではEDGEを着用するトップ選手が増えてきました。その点も踏まえてオーソドックスな厚底レーシングシューズに近づきつつあるのだと感じます。
一方SKY PARISはプレートがフラット形状に挿入されている影響もあってか、非常に扱いやすいシューズになったと感じます。そのため短い距離のレースやインターバルトレーニングで使いたいシューズですね。
大森:私もEDGE PARISは安定性の高さを感じたので長い距離を、SKY PARISは反発の高さを感じたので短い距離を走る際に使いたいと思いました。
多くのトップランナーが着用!実績十分なシューズ
藤原:反発性に関しては2足ともに申し分ないです。これがアシックスにおける厚底レーシングシューズカテゴリーの完成品と言っていいと思います。最近開催されたアメリカのオリンピック・マラソン代表を決める選考会において、ランナーの着用率はナイキとほぼ同数でした。実績も十分のシューズだと言えるでしょう。
反発性を担うミッドソールのアップデートもさることながら、プレートの面積も前作より広くなっています。プレートの面積が広くなったがゆえにミッドソールを踏める面積も広くなりましたね。ミッドソールそのものの反発性に加えて、踏み込みによる反発性の向上も見込めるようになりました。
大森:シューズはどんどんアップデートされていますが、我々の体もアップデートしていかなければいけないですね。
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シューズアドバイザー 藤原岳久さんも絶賛の『METASPEED PARIS』シリーズの2足。開催を目前に控えたパリオリンピックにおいても、本シューズが代表選手の足元をサポートするでしょう。
トップアスリートたちも着用する本シリーズの2足へ市民ランナーのみなさんも足を通してみては?
詳細情報
アシックス|METASPEED SKY PARIS
・価格:¥27,500(税込)
アシックス|METASPEED EDGE PARIS
・価格:¥27,500(税込)
【動画からご覧の方はこちら】
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藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)