箱根駅伝と同じような熱気に包まれる「米クロスカントリー」に挑む岡田 健さんへインタビュー

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アメリカ西海岸カリフォルニア州のサンフランシスコ湾東岸にあるバークレー。
アウトドアブランドのザ・ノース・フェイスが1968年に創業した場所として知られています。

そのバークレーで奮闘する一人の若き日本人ランナーがいます。
彼の名は、岡田 健さん。
岡田さんは高校時代に世界大会出場の実績を持ちながら、選んだ進学先は箱根駅伝強豪校でもなく、実業団でもなく、アメリカ留学の道でした。

2015年3月に、國學院久我山高校を卒業しその後、カリフォルニア大学バークレー校 (University of California, Berkeley:以下、UCバークレー)に合格、2015年の夏に渡米しました。

前編では主に、岡田さんの高校時代の競技と勉学との両立、世界大会で日本代表のユニフォームを着て、その身で感じたこと、そして、アメリカ留学の決意と受験勉強、全国高校駅伝へ向かうチームをまとめる主将としての姿を追いました。

(前編はこちら)

今回は、日本を離れた後の岡田さんのアメリカでの学生生活と陸上競技 / クロスカントリーとの両立、そして、2年半ぶりに1500mの自己ベストを更新したレースと今後の目標について伺いました。

アメリカでの苦悩

—高校卒業から2ヶ月後の2015年5月に、UCバークレーに現役合格。そして、その夏にはすぐに渡米。純日本人として日本に生まれ育った岡田さんですが、慣れないアメリカ生活は相当にキツいものでしたか。

渡米する前から相当キツいだろうと思っていましたが、その想定よりもはるかに上回ってしまいました(苦笑)。
僕は純日本人として育ちましたので、英語での会話、授業など慣れない環境がとにかく大変で。。。

あとは、日本と同じ感覚で食事を摂っていたら、油の量が日本よりも多いこともあり、体重が増えてしまいました。
最初のうちは困難の連続でしたね。。

アメリカの大学のスポーツは季節ごとの選択制なのですが、最初はクロスカントリー部に所属しました。
そして、チームでは唯一の日本人どころか、唯一のアジア人でした。
とはいえ、チームの皆は本当に優しくて、英語を上手く話せなかった僕にも気さくに接してくれました。
普段からもフレンドリーですが、チームメイトの誕生日にはホームパーティーをしたりして交流を図っています。

—秋に新年度が始まり、岡田さんのような中長距離選手であれば通常、11月のNCAA(全米大学体育協会)の全米大学クロスカントリー選手権をチームで目指し、冬は室内陸上、春は屋外陸上と過ごしていくのが通例でしょうか。

はい、概ねその流れです。
僕はとにかくアメリカの学生生活に慣れる為に、最初はアメリカでの学生生活への適応の期間として数ヶ月要しました。

最初のクロスカントリーシーズンの多くは見学する事で学びました。
そして、自分が得意な中距離のトラック種目には今年の春頃から出場させていただきました。

その中で、日々の勉強もそうですが、やはり期末テストの時期などは非常にハードですね。
課題の提出や文献をたくさん読んだりして、相当なフラストレーションが蓄積されます。

—単身での留学生活ですし、ツラい事もたくさんあったと思います。

もう本当に、、、何回も逃げ出したくなる事はありました(笑)。
それでも、短期的にストレスやフラストレーションを抱えても、自分が思い描いている長期的なビジョンを思い出し「何の為にアメリカに来たんだ」と自分を奮い立たせて、気持ちを切り替えるようにしています。

それに、勉強に関しては、UCバークレーの周りの学生も非常にモチベーションが高いので、「自分もしっかり勉強しなきゃいけない」という気持ちになり刺激を受けています。

2年半ぶりに自己ベスト更新

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