箱根は「東海vs青学」か。昨年まで野球部だった選手もエントリー

来たる2020年1月2日と3日に第96回箱根駅伝が開催される。今大会の優勝争いの展望と見どころを以下にまとめた。

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第96回大会出場校

第96回大会の出場校は以下の21チーム。

出場チーム 前回順位 予選会順位 今季出雲・全日本成績
東海大 優勝 シード校 出雲4位・全日本優勝
青山学院大 2位 シード校 出雲5位・全日本2位
東洋大 3位 (往路優勝) シード校 出雲3位・全日本5位
駒澤大 4位 シード校 出雲2位・全日本3位
帝京大 5位 シード校 出雲7位・全日本8位
法政大 6位 シード校 出雲10位・全日本11位
國學院大 7位 シード校 出雲優勝・全日本7位
順天堂大 8位 シード校 出雲8位・全日本9位
拓殖大 9位 シード校 出雲9位・全日本16位
中央学院大 10位 シード校 出雲11位・全日本10位
東京国際大 15位 1位 全日本4位
神奈川大 16位 2位 −−−
日本体育大 13位 3位 全日本14位
明治大 17位 4位 全日本15位
創価大 −−− 5位 −−−
筑波大 −−− 6位 −−−
日本大 14位 7位 −−−
国士舘大 18位 8位 −−−
早稲田大 12位 9位 全日本6位
中央大 11位 10位 −−−
関東学生連合 オープン −−− −−−

(第96回箱根駅伝:区間エントリー

エントリー選手同士の区間変更は認められず、エントリー選手と補欠選手とのメンバー変更のみ可。メンバー変更は往路・復路合計で最大4名まで。特に上位を狙うチームは主力クラスを控えに置いているが、これは戦略を事前に明かさないことや、エントリー選手の体調不良や故障などの事態に備えられるように、という意図がある。

令和初の箱根駅伝は前回王者の東海大の強力な布陣に対して、第91〜94回で総合4連覇を経験した青山学院大も過去に引けをとらない好メンバーを揃えてきた。また、控え選手の起用も含め、駒澤大、國學院大、東洋大が往路に強力なメンバーを揃えた。

往路も総合も熾烈な優勝争い

前回王者の東海大は、1・3・5・8・10区に前回走った選手をエントリー。これらの区間経験者に加え、エース区間の2区に10000mで今季日本人学生で2番目の記録(28分16秒17)を持つ塩澤稀夕(3年)を置いた。控えには全日本大学駅伝8区区間賞でMVPに輝いた名取燎太(3年)や、阪口竜平(4年)、館澤亨次(4年)など主力を残した。

東海大の両角速監督は必ずしも往路優勝にこだわっておらず、前回のように復路での逆転のシナリオを描いている。

前回2位の青山学院大は、ルーキーの岸本大紀(1年)を2区にエントリー。岸本は1年生とはいえ、10000mの自己記録(28分32秒33)はチーム内2番目。原晋監督は岸本を「将来のエース候補」として期待する。また、12月26日に行われたエントリーメンバー外の選手による青山学院大の学内記録会10000mは過去最高レベルだった。

5区・6区の山の選手の走りが未知数ではあるがチームの層は東海大のように厚く、復路の選手にも期待が集まる。復路の後半区間まで優勝争いがもつれる可能性は十分にある。

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前回3位の東洋大は、1区で前回・前々回と区間賞の西山和弥(3年)を3年連続の1区に置いてきた。チームはここで3年連続のスタートダッシュを狙う。2区には今年のユニバーシアードハーフマラソン金メダリストの相澤晃がスタンバイ。現在の学生長距離界のエースといえる相澤が、2区の区間記録(1時間06分04秒)の更新を狙う。この2人のスタートダッシュが決まれば、前回同様に東洋大の往路優勝の可能性がより高まる。

前回4位の駒澤大は、10000mで今季日本人学生最高記録(28分13秒21)を持つスーパールーキーの田澤廉(1年)を控えに置いたが、3区か4区で起用される見込みが高い。チームにはハーフマラソンで好記録を持つ選手が多く、往路で勝負争いに加われるかがポイントになる。そのためには1区、2区で出遅れたくないだろう。

今年の出雲駅伝で初優勝を遂げた國學院大は前回は往路3位。その立役者となった浦野雄平(4年)が前回同様に5区での区間賞を狙う。浦野は今季5000m、10000mと自己新を出しており、前回よりもさらに記録を縮めるだろう。國學院大の前田康弘監督は「(前との差を)5区で最大3分差を逆転できる」と想定している。

往路優勝争いは、総合力が高い東海大や青山学院大、先行型の東洋大、5区までに先頭を奪いたい駒澤大、5区で逆転を狙う國學院大など熾烈な争いとなるだろう。また、総合優勝は復路の選手にも自信を持っている東海大や青山学院大が有力ではあるが、往路の出来次第ではその他のチームにも総合優勝の可能性が無いともいえない。

その他の見どころ

選手達の足元は?

今年発売されたヴェイパーフライネクスト%は、今やマラソン界だけでなく駅伝でも多数の選手が着用している。箱根駅伝では前々回の第94回大会から、ナイキがそれまでのシェアを逆転して着用率1位となった。今年の大学駅伝でもナイキの着用率は独占状態にあったが、今回は一体どれぐらいまで着用率が上昇しているだろうか…?

昨年まで野球部の選手がエントリー

中学時代に陸上経験が無い選手でも、高校陸上で活躍することはよくみられる。しかし、高校卒業までに陸上経験が無い選手が大学陸上で活躍するケースは稀である。中央学院大の6区にエントリーした武川流以名(1年)は、2019年3月に島田樟誠高を卒業するまで野球部で汗を汗を流した異色の選手である。

 

兄弟で山上り

駒澤大と城西大でエースとして活躍した村山兄弟、東洋大の服部兄弟、設楽兄弟など、強力な兄弟選手の活躍は記憶に新しい。今大会は5区に岡山出身の双子の畝(うね)兄弟がともに5区にエントリー。兄の畝歩夢(中央学院大・3年)と、弟の畝拓夢(中央大・3年)の双子での山上りでの直接対決の可能性もある。

高校の同期が学連チームで再会

関東学生連合の4区にエントリーした上土井雅大(亜細亜大・4年)と、同チームの控えに回った宮田僚(麗沢大・4年)は高校時代の同期(福岡・純真高)。宮田は控えだが、チーム内で上位の走力を持っており当日エントリー変更で出走する可能性も。高校時代に駅伝を戦った同士が、別の大学ながらも関東学生連合で4年ぶりに同じチームで駅伝を走るかもしれない。

学校創立2年で箱根に出場…?

2018年に創立した群馬県の育英大。チームは箱根予選会に今回初めて出場したが、エースの外山結(2年)が関東学生連合に選抜され、今回5区にエントリー。当日のエントリー変更がなければ、大学創立2年目にして育英大は箱根ランナーを輩出することとなる。

(1月2日:午前7時更新)5校の控え選手の当日区間変更
東海大:名取燎太(4区)
青山学院大:𠮷田圭太(1区)、吉田祐也(4区)
東洋大:区間変更無し
駒澤大:田澤廉(3区)小島海斗(4区)
國學院大:藤木宏太(1区)、中西大翔(4区)

   
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