アディダス「SPEED SQUAD」練習会 【VOL.6】戦略的リカバリーを学びパフォーマンス向上を!

4月から始動したアディダスSPEED SQUAD(スピードスクワッド)。SPEED SQUADとは、アディダスが全世界で展開しているランニングコミュニティ「AR(adidas Runners)」のエリート養成プログラム。厳しい条件の中、男女9名のメンバーが選ばれた。アディダス契約専属のランニングコーチやトレーナーのサポートのもと、メンバー個別ではなく、定期的な合同のトレーニングセッションを実施。目標達成に向け、9月中旬までトレーニングが行われていく。

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「タイムトライアル」を経験したスピードスクワッドのメンバー。第6回目の今回は、フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一氏による2回目の“戦略的リカバリー”に関する座学。その様子をレポートする。

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©2018 Sushiman Photography

数値で自分の状態を把握する

ランニングに取り組んでいる人なら誰しも、“今日は疲れているから思うように走れなかった”という感覚を持ったことがあるはずだ。しかし、それはあくまでその人の感覚でしかない。SPEED SQUADでは、リカバリー(補給、休養、食事、ケアなど)を感覚的ではなく戦略的に行う、というコンセプトに基いて中野氏による“リカバリー戦略”の座学を用意した。2回目となる今回は、血液検査の数値の見方、貧血予防、そのための食事などがテーマとなった。

(※1回目の座学の様子

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冒頭から時間を割いて、中野氏による血液検査の数値の見方やその基準値についての説明があった。高校や大学、実業団など高いレベルで競技に取り組んでいた選手なら血液検査の数値の分析は必須であるが、多くの市民ランナーにとってそれは馴染みのあるものではない。SPEED SQUADに選出された選手たちはあくまで“アスリート”として目標達成に向かって取り組む。

アスリートの研ぎ澄まされた感覚は各々で磨き上げてきたものである。一方で、感覚的でない戦略的な要素は競技中だけではなく、競技外の時間にも求められる重要な要素である。マラソンなどに取り組む中長距離選手にとって、血液検査による数値の分析は、主に疲労度や貧血予防に対するその確認方法の1つとなる。

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中長距離選手が血液検査を受ける目的は、どれぐらい疲れているのか(もしくは、疲れていないのか)、貧血気味ではないか(もしくは全くその心配がないのか)、そういった体の状態を数値で把握することにある。そのためにはまず、アスリートにとっての正常なそれぞれの数値の基準値を知らなければならない。今回の座学に参加したメンバーたちは中野氏の説明を聞きながら、自らが受けた血液検査の結果に照らし合わせて、それぞれの今の状態を把握していった。

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貧血、疲労感、脱水、疲労骨折、これらに関連する項目の数値で特に、貧血関連の項目は確認すべき数値が多い(フェリチン、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血清鉄など)。貧血は疲労骨折と同じように、発症してからではすでに手遅れであり、予防のための日常的な“リカバリー戦略”が重要となってくる。

アスリートがベストパフォーマンスを発揮するためには、このような数値のデータ管理も日常的に行い、自らの体の状態を把握してピークを目標のレースに合わせる必要がある。今回の座学や質疑応答では、それぞれのベストパフォーマンスのために、真剣な表情で臨んでいる姿が印象的だった。

ベルリンマラソンに向けて

2018年9月16日に開催されるベルリンマラソンまで1ヶ月を切った。SPEED SQUADから選抜された藤田大夢さん、木村泉穂さん、日高久登さんの3名は、5ヶ月間の集大成をベルリンで発揮するために、この1ヶ月間の過ごし方が重要となってくる。彼らの現在のトレーニング状況やベルリンでのレース戦略について話を聞いた。

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「レースの中盤にペースを上げないよう我慢して、イーブンペースでサブ2時間30分を達成したいです」

大学時代は東京農業大学の陸上同好会(農大走好会)に所属し、フルマラソンでは2時間31分07秒の記録を持つ藤田大夢さん。藤田さんはSPEED SQUADの開始とともに、この4月から社会人となり、1年目のハードワークとともに、真剣にトレーニングに励んできた。

大学時代のマラソンでは中盤にペースを上げてしまい、35〜37km付近で急に足が動かなくなってしまう、という経験をしている藤田さん。6月から走り込みを開始して、じっくりと脚を作ってきたという。ベルリンでは中盤はペースを上げず、後半は粘れるようなレースを藤田さんはイメージしている。“2度の我慢”の先には目標の2時間20分台が待っている。

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「今までやってきたことを思い出しながら、レースでは後半、気持ちで負けたくないです」

木村泉穂さんは今まで16回のマラソン経験を持つが、ここまで気持ちの入るレースは今回が初めてだという。どちらかというとスピード型の木村さんは、レースの後半までにある程度の貯金を作るようにレースを展開し、後半は気持ちで粘り切るというレースプランを考えている。

9月中旬のレースということもあり、木村さんは夏の暑い時期でもしっかりと走り込んだ。さらに、食事も食べる量を増やし、ストレッチやアイシングを行うことで、これまでよりも疲労の回復が早くなったという。木村さんが2017年の東京マラソンで記録した自己記録(3時間16分56秒)を超える“サブ3時間10分”を目指す準備が整ってきたといえる。

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「ベルリンに行けなかった6名のためにもSPEED SQUADを代表して精一杯頑張ります」

今回は日高久登さんにとって初の海外マラソン 。ドイツの時差や食事への適応も課題となるが、日高さんの前向きな姿勢からは、それらを克服してベルリンで自己記録(2時間49分09秒)を更新できるという期待を感じさせる。日高さんは夏の暑い期間に25〜30km走を合計3回消化。お盆に実家へ帰省した際も“1人合宿”と称して走り込んだという。

今までのマラソンまでの練習メニューと比較して今回は大きく変えていないというが、食事では鉄分とビタミンCを積極的に摂取するようになり、SPEED SQUADで学んだことを実践している。ベルリンではサブ2時間40分を最大目標とし、課題のレース中の補給戦略を練ってレースに臨む構えだ。

 

SPEED SQUADのメンバーは9月上旬にAR Tokyo(adidas Runners of Tokyo)のセッションに参加する。その後、3名はベルリンマラソンに出場しそれぞれの目標に挑む。他の6名のメンバーにとってもSPEED SQUADでの成長を経て、その成果を発揮できる秋が待ち遠しいであろう。

adidas Runners of Tokyo(AR Tokyo)とは

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adidas Runners of Tokyoは2016年9月に日本で発足。ランニング初心者から、シリアスなサブ3ランナーまで、様々なタイプのランナーに合わせた幅広いコンテンツを用意。プロのランニングコーチによるセッションや、フィットネスプログラムなど、「自分を高めたい」という思いを叶えるハイレベルなプログラムで、ランナーたちを更なる高みへと導く本格的なサポートをしている。また、ベルリンやソウルなど、海外のコミュニティとの共同セッションや、ヨガ・フットボールなどカテゴリを超えてのコラボセッションなど、ユニークなコミュニティ活動をきっかけにメンバー同士が深く繋がるなど、楽しみながら成長できるのも魅力の一つ。

【adidas Runners of Tokyo】:https://shop.adidas.jp/running/community/

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