アディダス「SPEED SQUAD」練習会 【VOL.4】ベルリンマラソンかけたテスト直前のメンバーの横顔
Jul 11, 2018 / COLUMN
Jul 11, 2018 Updated
4月から始動したアディダスSPEED SQUAD(スピードスクワッド)。SPEED SQUADとは、アディダスが全世界で展開しているランニングコミュニティ「AR(adidas Runners)」のエリート養成プログラム。厳しい条件の中、男女9名のメンバーが選ばれた。アディダス契約専属のランニングコーチやトレーナーのサポートのもと、メンバー個別ではなく、定期的な合同のトレーニングセッションを実施。目標達成に向け、9月のベルリンマラソンまでトレーニングが行われていく。第1回練習会、第2回練習会、第3回練習会を経て、メンバーは成長を実感している。今回全員集合とはならなかったが、8名のメンバーが参加した第4回練習会の様子をレポートする。
タイムトライアル前最後の練習会
今回は、ベルリンマラソンに出場できる3人を決定する7月のタイムトライアル前の最後の練習会となった。今回の練習内容はペース走。4回目の練習会ということもあり、走力順に分けられたA、B、Cの3つのグループそれぞれのメンバーたちが仲間たちと互いに高め合い、自らを成長させるために有意義な時間を共有した。
練習ごとに自分の課題と向き合いながら、1歩ずつ進んでいくメンバーたち。真剣さがその表情からにじみでている。Aグループの4人はリズムよく走りながら、綺麗な隊列を形成していく。長距離選手の美しさは、その一体感がみられるときに感じることができる。
前に進んでいくという気持ち、SPEED SQUADで自らを前進させるという意気込みが十分に感じ取れる素晴らしい練習会となった。Bグループの2人とCグループの2人は、中盤から単独走となってしまったが、決して諦めることなく次回のタイムトライアルに向けて気持ちの入った走りで練習を締めくくった。
知識の引き出しを増やす
今回の室内セッションも前回に続いて中野ジェームズ修一氏の指導のもとで行われた。インナーユニットを強化する“ドローイン”の復習、ゴムチューブやストレッチポールを使ったストレッチ方法や、バランスボールを使ったエクササイズで脱力のやり方を学ぶメンバーたち。
中野氏は「若いうちはなんとかなるかもしれないけれど、20代半ばぐらいからはセルフケアが非常に大切になってくる」と熱弁。1つ1つのトレーニングやストレッチ、エクササイズにはそれぞれ目的があり、それを理解しながら行わないと効果がない。各々が知識の引き出しを増やさないと、セルフケアは“セルフ”ケアとはいえないのである。
第2回練習会の際に座学で学んだリカバリー(体のケア、食事・栄養、運動生理学…etc)についての復習の時間には、多くのメンバーから質問が飛び交った。次回のタイムトライアル後、リカバリーに関する筆記テストが行われる。その筆記テストもベルリンマラソンへの3人を決めるためのポイントとなる。
メンバーたちは今疑問に思っていること、理解できていないことを中野氏に質問する。中野氏はそれらに1つ1つ丁寧に回答していった。SPEED SQUADでは、ただ感覚にまかせてがむしゃらに走ることが速くなるための道筋ではなく、各々の頭脳もフル活用できるようにと、室内セッションの機会を設けた。メンバーたちは次回のタイムトライアルと筆記テストで全力を尽くすだろう。
SPEED SQUADは専門知識を学べる場
4回目の練習会を終えて、メンバーの秋山太陽さん、朝倉和眞さん、属美緒さんの3人に話を聞いた。
秋山太陽さんは、東京大学大学院で陸上競技の長距離走に取り組み、文武両道を貫いた。東大大学院の選手として箱根駅伝予選会の20kmに出場した経歴の持ち主である。学生時代からの陸上競技の経験をベースに、今も学生時代の記録を更新するよう日々前進している。
「SPEED SQUADに応募したのは、いつも1人で練習することが多いので様々なメンバーと一緒に練習ができるということと、中野さんに直接指導していただけることなどに惹かれたからです。質の高いトレーニングができると思っていましたし、直接指導していただけることで、理解度がより高まりました」
秋山さんはSPEED SQUADでも、得意の走りと勉強の両面でのトップ通過を狙っている。
朝倉和眞さんは、秋山さんと同じく学生時代から陸上競技の経験があり、静岡大学の選手として競技に取り組んでいた。東海学連選抜のメンバーとして全日本大学駅伝を走った実力の持ち主である。社会人となり、今年4月に転勤を経験。現在は宮城県に住んでおり、毎回練習会のたびに東京まで駆けつけている。
「SPEED SQUADに参加してから2つのことを実感しています。1つ目は栄養の知識と動的ストレッチの効果です。実際にこの春にトラックの5000mの自己記録を※更新することができました。2つ目はSPEED SQUADでのトレーニングは、マラソンに繋がるということです。1km3分20〜30秒ペースのペース走が楽に感じますし、この感覚で3分20秒ペースでマラソンを走りきりたいですね」
(※4月22日の日体大長距離記録会男子5000m・23組にて14分13秒33の自己新記録)
朝倉さんの5000mの記録はこの春に更新されたが、マラソンの自己記録は2年前のものだそう。朝倉さんはベルリンマラソンでの自己新記録をイメージしている。
属美緒さんは、2人と同じく学生時代に陸上競技の経験があり、中距離種目に取り組んでいた。その頃は指導者が学校におらず、「独学で競技を続けていた」と振り返る。社会人になり、マラソンなどのロードレースを走って徐々に長い距離も走るようになっていったという。
「いつも1人で練習してきたので、SPEED SQUADで専門的な知識を学びたいと思って応募しました。ここでの練習メニューや室内セッションは私にとって新鮮で、メンバーからはとても刺激を受けています。練習会の後はいつも筋肉痛がありますが、しっかりと頑張っていきたいです」
属さんの言葉からは、“SPEED SQUADで専門的な知識を身につけて、今後の競技に生かしていきたい”という強い気持ちが感じられた。
第2回練習会、第3回練習会、そして今回の第4回練習会で、メンバー9人全員の声を紹介した。次回の7月の練習会は、いよいよベルリンマラソンの切符をかけたタイムトライアルと筆記テスト。メンバーたちがそれぞれ今までの練習会で学んだこと、成長してきたことを発揮する1日となるだろう。
adidas Runners of Tokyo(AR Tokyo)とは
adidas Runners of Tokyoは2016年9月に日本で発足。ランニング初心者から、シリアスなサブ3ランナーまで、様々なタイプのランナーに合わせた幅広いコンテンツを用意。プロのランニングコーチによるセッションや、フィットネスプログラムなど、「自分を高めたい」という思いを叶えるハイレベルなプログラムで、ランナーたちを更なる高みへと導く本格的なサポートをしている。また、ベルリンやソウルなど、海外のコミュニティとの共同セッションや、ヨガ・フットボールなどカテゴリを超えてのコラボセッションなど、ユニークなコミュニティ活動をきっかけにメンバー同士が深く繋がるなど、楽しみながら成長できるのも魅力の一つ。
【adidas Runners of Tokyo】:https://shop.adidas.jp/running/community/