ナイキの人気シリーズ『ズームフライ』の魅力を徹底解剖! 歴代モデルの特徴を一挙に比較

「ナイキの人気シリーズ『ズームフライ』の魅力を徹底解剖! 歴代モデルの特徴を一挙に比較」の画像

ランニングシューズを選ぶなか、スポーツ量販店等で目にしたことのある方も多いであろうナイキ『ズームフライ』シリーズ。2017年に話題となったレーシングシューズ『ヴェイパーフライ』シリーズと同時に登場し、プレート素材を搭載した厚底ランニングシューズとして多くの注目を集めました。

多くのアップデートが繰り返され、2024年にはシリーズ6代目となる『ズームフライ6』が発売されました。そんな『ズームフライ』シリーズは、スピード志向のランナーはもちろん、日常のジョギングやトレーニング用シューズとして愛用する人も増えています。

本稿では、そんな『ズームフライ』の特徴や歴代モデルの進化を振り返り、その魅力と選び方をわかりやすく解説します。

1.『ズームフライ』シリーズの特徴

「ナイキの人気シリーズ『ズームフライ』の魅力を徹底解剖! 歴代モデルの特徴を一挙に比較」の画像

『ズームフライ』シリーズは2017年に初登場したナイキの人気シューズであり『ヴェイパーフライ』シリーズとともに発売されました。この2つは名前が似ていることから混同しやすいものの、異なる特徴を持つシューズです。

『ヴェイパーフライ』はナイキが行った『Breaking2』プロジェクトで、リオ五輪の金メダリスト・キプチョゲ選手らが人類初のサブ2(フルマラソンで2時間の壁を破ること)を目指した際に着用していたシューズとして話題となったシューズ。フルレングスのカーボンプレートを搭載した一足です。

「ナイキの人気シリーズ『ズームフライ』の魅力を徹底解剖! 歴代モデルの特徴を一挙に比較」の画像

一方『ズームフライ』は、安定感とクッション性に優れ、レースだけでなくトレーニングやジョギングにも使えるシューズ。価格も『ヴェイパーフライ』より安価であるため、普段使いにも適しているでしょう。

『ズームフライ』シリーズは何度もアップデートされ、現在は6代目まで発売されています。エリート向けの『ヴェイパーフライ』に対してデイリートレーナーとしての立ち位置を築き、モデルによってはサブ4用シューズの代名詞とも言われるようになりました。

2.歴代モデルについて解説

「ナイキの人気シリーズ『ズームフライ』の魅力を徹底解剖! 歴代モデルの特徴を一挙に比較」の画像

『ズームフライ』シリーズは、アップデートされる度にデザインや機能が少しずつ変化していて、現在は6作目が最新となっています。歴代『ズームフライ』はそれぞれどんなシューズだったのか、その歴史を振り返っていきましょう。

①ズームフライ

「ナイキの人気シリーズ『ズームフライ』の魅力を徹底解剖! 歴代モデルの特徴を一挙に比較」の画像

初代『ズームフライ』は、2017年に登場したナイキの厚底ランニングシューズです。当時のレーシングシューズといえば、とにかく軽量でソールが薄いミニマルな構造が主流で、カーボンプレートの搭載も一般的ではありませんでした。そんな中でズームフライは、厚底フォーム+プレート搭載という画期的な構造を採用し、ランニングシューズ業界に衝撃を与えました。

ミッドソールには軽量で弾力性のある『ルナロンフォーム』を採用し、ミッドソール内部にはフルレングスのナイロン樹脂製プレートを搭載しています。ナイロン樹脂製のプレートはソールの硬さを確保し、前に進む推進力とスピードを生み出します。かかと部分のソールの厚さは33mmです。

同時期に発売されたレースモデル『ズームヴェイパーフライ4%』の3分の2程度の価格だったこともあり、レーシングシューズの走行感をより手頃な価格で体験でき、日常のジョギングにも使える耐久性を持ったシューズとして、多くのランナーの関心を集めました。

②ズームフライニット

「ナイキの人気シリーズ『ズームフライ』の魅力を徹底解剖! 歴代モデルの特徴を一挙に比較」の画像

2作目では名称が『ズームフライ』から『ズームフライニット』になり、主に3箇所のアップデートがありました。

アップデートポイントの1つはアッパーです。『エンジニアードメッシュアッパー』から伸縮性の高い『フライニットアッパー』に変更され、アッパーのフィット感が変化しました。

ミッドソール素材は『ルナロンフォーム』から『リアクトフォーム』に変更されました。リアクトフォームはふわっと沈み込むようなクッショニングの後、軽やかに地面を蹴り出せる高い反発性を感じることができ、そ耐久性にも優れた万能な素材です。

そして最大のアップデートは、ナイロン樹脂製のプレートからカーボンプレートに変更されたことです。『ヴェイパーフライ4%フライニット』と同じカーボンプレートの搭載で推進力が大きく向上し、もはやヴェイパーフライの廉価版とは言えない仕上がりでした。

③ズームフライ3

「ナイキの人気シリーズ『ズームフライ』の魅力を徹底解剖! 歴代モデルの特徴を一挙に比較」の画像

『ズームフライ3』で大きく変更されたのは”接地感”です。『ズームフライ』『ズームフライニット』のつま先の跳ね上げ(トゥースプリング)は、使いこなせられれば強い推進力を得られる構造でしたが、これは独特な接地感のためランナーによって好き嫌いが分かれる部分でもありました。

『ズームフライ3』では、前モデルに比べてつま先のドロップが2mm(※編集部調べ)下がりました。傾斜を少なくすることで、つま先が急に落ちるような接地感が弱まり、接地からの重心移動がスムーズになり、シューズ全体のクセが少なくなったと言えるでしょう。それまでの『ズームフライ』シリーズは使いこなせなかったというランナーにはぴったりのシューズでした。

ミッドソールは前作から引き続き『リアクトフォーム』を使用。アッパーには新たに『Vaporweave(ヴェイパーウィーブ)』という素材が採用されました。水を弾きやすく、かつ通気性の良い素材であり、フィット感も向上しています。またレディースモデル・レディースカラーも展開され、サイズ展開が本格化したことから、より幅広いランナーに受け入れられるシューズとなったことが伺えます。

④ズームフライ4

「ナイキの人気シリーズ『ズームフライ』の魅力を徹底解剖! 歴代モデルの特徴を一挙に比較」の画像

『ズームフライ4』のシューズ内部の構造は前作から変更点はなく、ミッドソールにはフルレングスの『リアクトフォーム』とカーボンプレートの組み合わせが採用されています。

そんななか大きく変更されたのはアッパーです。アッパー素材に『Flyknit(フライニット)』が採用されフィット感が向上しました。さらに、かかとの内側にパッドが付いたことで足が抜ける心配が少なくなりました。またシュータンにストラップが追加されたことで、シュータンが引っ張りやすくなりアッパーの内側のシワが伸ばしやすくなるなど、ランナーの快適さを考えたアップデートも行われています。

反発性と推進力をしっかりと感じながらも、安定性も確保された『ズームフライ4』は”サブ4”を目指すランナーにぴったりのシューズと言えるでしょう。またインターバルやペース走などのトレーニングにも適しており、幅広く活躍する一足です。

⑤ズームフライ5

「ナイキの人気シリーズ『ズームフライ』の魅力を徹底解剖! 歴代モデルの特徴を一挙に比較」の画像

『ズームフライ5』最大の特徴はミッドソールであり、シリーズで初めて『ZoomXフォーム』を採用しました。『ZoomX』は『ヴェイパーフライ』にも使用されているフォーム材で、非常に軽量で反発性が高く、大きなエネルギーリターンを実現します。クッション性も充分で、長距離でも安心して走ることができます。

また従来の『ズームフライ』シリーズと比べて、しっかりした形状で重厚感のあるシューズになりました。前作よりもシューズの重量が20g程度重くなり272g(メンズ・27cm・片方)となりましたが、スピード感と安定感を両立したシューズとなっています。

アウトソールのラバーも改良され、グリップ力と耐久性が向上しました。アッパーには『エンジニアードメッシュ』が使用され、フィット感と通気性を両立。テンポアップできるシューズでありながらサポート力もしっかりしているので、より幅広い用途、多くのランナーが履けるモデルに進化しました。

⑥ズームフライ6

「ナイキの人気シリーズ『ズームフライ』の魅力を徹底解剖! 歴代モデルの特徴を一挙に比較」の画像

2024年の秋に発売された『ズームフライ6』。前作の『ズームフライ5』が安定性を重視した設計だったのに対し、『ズームフライ6』は約50g軽量化され、よりレーシング仕様にアップデートされた一足となりました。

ミッドソールの上層部にはこれまでと同じく、高反発でエネルギーリターンに優れた『ZoomX』を搭載。その下層には安定性に優れた『SR-02』フォームが採用されています。

内蔵しているカーボン配合プレート『FlyPlate』は上位モデルの『ナイキヴェイパーフライ3』と同じ形状なので、『ヴェイパーフライ3』を履いている・履きたい方の練習にも最適。シューズ全体の推進力も優れているので、サブ4、またはサブ3.5以上の記録を目指すランナーはレース用シューズとして十分に履くことができる一足となっています。

アウトソールのグリップ性が向上したことや、ナイキの他シリーズの特徴を取り入れたスタイリッシュなデザインも注目ポイントです。

「ナイキの人気シリーズ『ズームフライ』の魅力を徹底解剖! 歴代モデルの特徴を一挙に比較」の画像
厚底シューズ入門にぴったりな一足

 

3.おわりに

「ナイキの人気シリーズ『ズームフライ』の魅力を徹底解剖! 歴代モデルの特徴を一挙に比較」の画像

プレート素材を搭載した厚底シューズのパイオニア的存在として、多くのランナーに支持されてきた『ズームフライ』シリーズ。何度もアップデートを重ねながら、デイリートレーナーやテンポアップ用、厚底シューズデビューなど、あらゆるシチュエーションでランナーを支えてきました。

『ズームフライ』シリーズは今後もより多くのランナーのニーズに応えるべく、どんどん進化していくのではないでしょうか。次はどんなアップデートが施されるか注目したいところ。またシューズを買う際は試し履きをすることが大切です。店頭にてサイズ、フィット感の確認や、他のシューズとの比較をしてみてください。

あわせて読みたい

 

Runtrip編集部が書いた新着記事
RUNTRIP STORE MORE
RANKING
「ITEM」の新着記事

CATEGORY