ナイキ『ズーム フライ 6』はサブ3.5ランナーにもおすすめ! レーシング仕様にアップデートされた一足
Nov 17, 2024 / SHOES
Nov 17, 2024 Updated
幅広いランナーから支持されてきた人気シリーズの最新作・ナイキ『ズーム フライ 6』が満を持して登場しました。前作からアップデートされた今作をRuntripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんが徹底解説します。
藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わった期間は20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。
レーシング仕様なシューズへとアップデート
大森:今回は『ズーム フライ 6』を紹介します。ついに人気シリーズの最新作が出ましたね。
藤原:ズーム フライシリーズは登場当時、非常に革新的だった『ヴェイパーフライ』をより多くの方が履けるように調整されたシューズとして2017年に登場しました。当時は見た目もヴェイパーフライにそっくりでしたね。
ただバージョンを重ねるなかで、よりデイリートレーナーに適したシューズへとアップデートされたと感じています。言うなればエリート向けのヴェイパーフライと立ち位置の異なるシューズとしての地位を築いていきました。サブ4用シューズの代名詞的シリーズでしょう。
藤原:デイリートレーナーかレースシューズか、立ち位置を探っていた初代モデルは、厚底ながら軽量なシューズでした。そして今作は初代モデルを彷彿とさせるように軽量な一足へとアップデートされたと感じます。
大森:今作の重量は約265g(メンズ28.0cm片足)ですね。前作は約314gでした。
藤原:見た目はまるで『ヴェイパーフライ 3』と『アルファフライ3』を合わせたようなデザインとなっていますね。前足部はヴェイパーフライのような、かかと部分はアルファフライ3を彷彿とさせる見た目であり、ランナーのモチベーションも高まることでしょう。
大森:ヴェイパーフライとアルファフライ、そしてズーム フライと、どれも「フライ」が名称に付いており、シリーズの垣根を超えた関連性を伺えますね。
藤原:すでに多くのランナーから高い評価を得ている今作ですが、私が1番いいなと思うのはミッドソールの構造です。ミッドソールの上層部には厚底レーシングシューズにも用いられる反発弾性の高い素材『ZoomX』があり、その下層には安定性に優れた『SR-02』フォームが採用されています。
またカーボンが配合されたプレート素材『FlyPlate』も内蔵されており、地面から足が離れる際にはプレートが効き、蹴り出しの感覚も非常によいです。これらの要素はもはやスーパーシューズの域に達しているでしょう。
大森:プレートはフルレングスで全面に搭載されており、かなり下の方まで伸びていますね。
藤原:今作は非常に推進力があります。前作は安定感に秀でたシューズであり、サブ4を目指すランナーにはぴったりな一足でした。ただ今作はよりレーシング仕様となっており、サブ4、はたまたサブ3.5以上の記録を目指すランナーでもレース用シューズとして十分に履くことができる一足となっています。
アッパーのつくりも非常によい仕上がりに
藤原:ミッドソールだけでなくアッパーのフィット感も非常によいです。ズームフライ3のときのような2層のメッシュ生地を採用しており、剛性と通気性の高さを両立しています。またシュータンはヴェイパーフライ・アルファフライよりも厚手となっており、足首などの負担を減らす仕様となっていますね。
かかと部分のヒールカップもしっかりとしたつくりになっているので、接地時のブレを防いでくれるでしょう。このように、これまでのしっかりとしたつくりは継承しつつも、推進力が高められたシューズへとアップデートされています。今作は目立ったネックは見当たらないです。アッパーのつくりが広めなので、細身の方はサイズ選びなど注意した方がよいかもしれません。
藤原:今作の比較対象としてアシックス『MAGIC SPEED』シリーズやアディダス『ADIZERO BOSTON』シリーズが挙げられます。これらはサブ4を目指すランナー向けの一足として知られていますが、近年では性能が高まっており、より高いレベルを目指すランナーのレース用として十分に走ることができるシューズになっていますね。ズーム フライ 6も例外ではなく、エリートランナーのワークアウト用としても十分に扱うことができるシューズでしょう。
加え今作はグリップ性も非常によいです。ロードやトラックで着用しましたが、踏み込むたびにキュッキュッと音がするほど、気持ちよく地面をつかんでくれます。
フルマラソンでサブ3.5前後を目指している方で、ヴェイパーフライだと後半にペースが落ちてしまう……。そんなランナーには今作がおすすめです。
大森:非常に軽いですし、デザインもかっこいいですよね。価格は税込18,700円です。
藤原:非常に売れると思いますね。大会などで多く見かけるシューズとなることでしょう。
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デイリートレーナーやテンポアップ用、厚底シューズデビューなど、あらゆるシチュエーションでさまざまなランナーを支えてきたズームフライシリーズ。今作も速く走りたいあなたの強い味方となってくれる一足です。
詳細情報
ナイキ|ズーム フライ 6
・価格:¥18,700(税込)
【動画からご覧の方はこちら】
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藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)