「ナイキズームフライ」 常識が通用しない「Breaking2」特化シューズの履き心地

みなさん、こんにちは。シューズアドバイザー藤原です!

さて、今回はついに発売されましたBreaking2請負シューズシリーズの第1弾「ナイキズームフライ」をご紹介します。

「「ナイキズームフライ」 常識が通用しない「Breaking2」特化シューズの履き心地」の画像

Breaking2とは?ご存知でない方のために説明しますと、ナイキ社が独自で開催したイベントで、シューズはもちろん、ウエアから給水・補給、コース条件などあらゆるコンディションを整えて、2時間2分57秒の世界最高記録はおろかフルマラソン2時間という「人類の壁」を破ろうと試みたものです。5月6日の連休中に3人の選手がチャレンジして、リオオリンピック金メダリスト、エリウド・キプチョゲ選手が、2時間00分25秒と世界最高記録を約2分半以上破る驚異的な記録を出ました。

Breaking2に挑戦した3人には特別なシューズが作られました。それが「ナイキズームヴェイパーフライエリート」です。これは非売品なので、残念ながら私たちが手に入れることは出来ませんが、今回紹介する「ナイキ ズーム フライ」はその市販品モデルになります。作りも外見もそっくりなので、選手が実際に使ったシューズの雰囲気を味わえるでしょう。

ちなみに、7月に発売される予定の「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%」は、彼らが実際のレースで使用したモデルに更に仕様が最も近いものになるようです。(これも買いそう・・・)

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これらの「ナイキズームフライ」シリーズは、まさにサブ2を出すために開発された「Breaking2請負シューズ」です。これを自分たちも履けば、もしかして速くなるのでは?と興味が湧きませんか。

さて、通常レーシングシューズは、速く走るためのサポートとして、「接地感」・「反発」・「軽量感」を提供します。ですから常識的に、ソールが「薄くて」、シューズ前の方ソールが「曲がって、戻るくらい」の反発があり、そしてめちゃくちゃ「軽い」ですよね?

しかし、今回の「ナイキズームフライ」は全く違います。まず、このシューズは全然薄くありません。これがすでに常識破りですね。シューズ全体のスタックハイト(厚み)は前足部だけでも23mm、写真のようにズームエリート9というナイキのレーシングシューズのほぼ踵の厚みぐらいなります!理由はソール前足部に入っている波上のカーボン混ナイロンプレート(ヴェイパーフライ4%はカーボンプレート)。そのため、この厚みになるのでしょう。

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また、2つ目の常識、「曲がって、戻るくらいの反発」がありません。これも常識破り。写真のようにシューズ前足部では全く曲がりません。これは、先ほどのカーボン波上プレートの反発を利用するためです。一方で、3番目の常識、「驚くほどの軽さ」はきちんと守られていました。凝った仕様ですが、248g(メンズ28cm)と軽量です。

「固定観念に囚われない」。この「ナイキズームフライ」は、レーシングシューズの常識をそのまま当てはめようとすると、上手く履けないシューズです。このシューズを履くコツは、ズバリ「着地点」。クリアな着地ができるかどうかではないでしょうか。

ウォーキングとランニングでは何が違うか?それは、ランニングにはジャンプ動作、つまり両足が浮く瞬間があり、ウォーキングにはそれが無いことです。いったん頭を真っ白にしてみてください。ジャンプから着地しても痛くない、そして瞬時に前方向のベクトルに変換できればどうでしょうか?楽に前に進めると思いませんか?

「ナイキズームフライ」のこの厚底は、単純に厚いだけでなく、前足部靴底の跳ね上げが強力で、前に倒れそうになるくらい前方へのベクトルが生まれるようになっています。ジャンプ動作をクッションで助けて、接地する時間を一瞬にするような作りなわけです。

結果的に、接地感が良く、反発による誘導があって、そして軽い。つまり一般的な薄底のレーシングシューズで求められるものは満たしていますし、その上でクッションのサポートのおまけ付きです!クッションは不要という方もいるかもしれませんが、わたしは長距離を走る場合には必須だと思っています。

「「ナイキズームフライ」 常識が通用しない「Breaking2」特化シューズの履き心地」の画像

ちなみに、もっと固定観念をなくして考えてみると、むしろこれは「トレーニングシューズ」ではないでしょうか。トレーニングシューズと同じようにクッションがあって、ソールが屈曲せず体の誘導があって、そして「軽い」。ソールの傾斜が10mmのドロップということも、その象徴ですね。

つまり、少し余裕があるペースで長めの距離を走る時に使用すると、良い結果が出るのではないかと思います。まさにBreaking2ならぬ、「Breaking自己ベストシューズ」。人によってBreaking3かもしれないし、Breaking3.5かもしれないし、Breaking4かもしれません。次々と記録を打ち破っていってほしいですね。

しかし、残念なお知らせとしては、すでに在庫がありません。わたしは妻のサイズをnike.comで買いましたが、もうすでに買えないようです。ただその後、自分のも欲しくなり、アメリカのサイトから買いました(高級ステーキ2枚分くらいの金額が吹っ飛びましたが笑)。

ナイキ原宿でも、またディスプレイされていましたので、通販では買えませんが、サイズによってはありそうです。興味があればぜひ問い合わせてみてください。みなさんもこのシューズで自己記録をBreakingしてみませんか?

ナイキURL:https://www.nike.com/jp/ja_jp/

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