抗酸化や免疫力増強に役立つ!? ランナー注目のスーパーフード8選

太陽の日差しをたっぷり浴びて身体を動かすランニング。日常生活にプラスして、紫外線やトレーニングによる活性酸素などの影響を受けやすいランナーの私たち。長期的に走ることを楽しむためにも、意識的に多くの栄養素をバランス良く摂取することが大切になってきます。しかし、普通の食事で必要な栄養を摂ることはなかなか難しい、そう感じている方もいるのでは?栄養価が高いスーパーフードは抗酸化作用が高いものが多く、ランナーの強い味方!健康的なイメージのランニングですが、ケアを怠るとダメージが蓄積してしまう……。そこで、今ランナー注目のスーパーフード8種をおすすめレシピと共にご紹介します。

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スーパーフードとは

アスリートやモデルが積極的に取り入れているというスーパーフードは、他の食品よりも栄養価が高く、ある一定の優れた栄養素が突出して含まれます。ビタミン、ミネラル、クロロフィル、アミノ酸、必須脂肪酸、多糖類、抗酸化物質などをバランス良く含み、抗酸化や免疫力増強に役立つとされ、自然が生んだ優れた食品として世界中で注目されています。

1.ブラジルの奇跡、ポリフェノール豊富な『アサイー』

ヤシ科の植物の実で、ブラジル・アマゾンが原産。アマゾンでは過去数百年にわたり、過酷な環境で生き抜くための貴重なスタミナ源として親しまれてきました。赤道直下という過酷な環境下、強い生命力と抗酸化力を持った奇跡のフルーツとして知られています。赤ワインの30倍のポリフェノール、レバーの3倍・プルーンの10倍の*鉄分、牛乳の2倍のカルシウム、ごぼうの6倍の食物繊維を含み、抗酸化作用が強く、アミノ酸もバランスよく含んでいることからアスリートやサーファーの中でも人気が高まっています。

*体内の鉄分の多くは赤血球中のヘモグロビンにあり、酸素の運搬をしています。激しく運動をすると赤血球が壊されてしまうので、ランナーにとって鉄分は重要な栄養素です。

2.栄養素の宝庫『チアシード』

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チアというシソ科の植物の種。チアシードは水分を含むと約10倍に膨らみ、スムージーなどに入れると満腹感をアップさせてくれます。チアシードの20%はたんぱく質で体内で合成できない必須アミノ酸9種類のうち8種類を含みます。植物性たんぱく源として“奇跡”といわれているチアシードは、体内では作れない必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸を多く含んでいます。グラム当たりの含有量はエゴマ、クルミ、サバなどよりも多いそう。オメガ3脂肪酸の抗炎症作用による怪我の炎症緩和や筋肉痛の軽減、疲労回復促進を期待して積極的に取り入れているアスリートも多いとのこと。あまりクセがないので、様々な飲み物とマッチします。最近ではチアシード入りドリンクがコンビニやスーパーなどでも販売されるようになってきましたね。運動前の空腹時に、運動後の栄養補給に、手軽にチアシード入りドリンクはいかがでしょうか。

参考レシピ:スムージー

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【レシピのPoint】
<材料>いちご、ブルーベリー、バナナ、アサイー、チアシード
いちごとブルーベリーはビタミンCが豊富なフルーツ。チアシードは良質な脂肪酸とたんぱく質、アサイーには豊富な抗酸化物質と鉄分が含まれ、両者ともに筋収縮に欠かせないカルシウムが多く含まれています。チアシードが満腹感をもたらしてくれるので、ウェイトコントロールをしている・貧血気味・カルシウムやビタミンが不足気味のランナーにも嬉しいスムージーです。

■スムージーはランナーの味方!スムージーの記事はこちら

3.未来食?『スピルリナ』

熱帯地方の湖など、高温・強アルカリという環境下で育つ生命力の強い藻類。遊牧や農耕のできない砂漠に住む民族では何千年も前から重要なたんぱく源とされてきたと言われています。近年ではNASAが宇宙未来食糧として研究しており、国連でも難民の栄養補助食として活用されています。スピルリナは人が体内で生成できない必須アミノ酸9種類をすべてを含む食品。高たんぱく食品として有名な鶏ささみのたんぱく質含有量が“25%”に対し、スピルリナは良質なバランスの取れたタンパク質を“60%”含みます。又、スピルリナ4g(小さじ1程度)に緑黄色野菜120g分のβカロテンを含みます。βカロテンは抗酸化力が高く、紫外線や運動による活性酸素のダメージを受けやすいランナーにとって大切な栄養素です。

参考レシピ:サラダ

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【レシピのPoint】
・ジェノバソースに混ぜる
カロテンやクロロフィル、フィコチアニンといった色素を多く含むので、少し入れただけでも料理がスピルリナ色に。ジェノバソースはもともと緑色なので、スピルリナを入れても見た目はさほど変わりません。香りが高いジェノバソーズがスピルリナの“藻”独特の香りを緩和してくれます。
・納豆に混ぜる
藻類特有の磯の香りも納豆となら相性抜群。1パックにスピルリナを小さじ1杯ふりかけ、付属のタレと混ぜるだけ。スピルリナの香りがキツく感じるときは、オリーブオイル小さじ1~3追加をしてみましょう。マイルドな香りに、栄養価もUP! 手軽においしくたんぱく質補給のおともに、スピルリナはいかがでしょうか。︎

4.女性の強い味方『キヌア』

原産地のコロンビアからアルゼンチンにわたるアンデス山脈一帯で約5000年前から食べられている穀物。体内で作ることのできない必須アミノ酸9種類を含み、アミノ酸スコアは牛乳に匹敵。ミネラルも豊富で、NASAが理想的な宇宙食素材としたことで21世紀の主要食といわれています。また、余分な脂肪の蓄積を抑えるとされるサポニン、エストロゲンに似た作用を持つフィトエストロゲンも含む食品。キヌアは血糖値の上昇が緩やかな低GI値食品でゆっくりと体内に吸収されるため、腹持ちがよいのも女性に嬉しい特徴です。

5.ダイエットの味方『蕎麦の実』

 

たんぱく質量がズバ抜けて高いわけではありませんが、バランスが良さが注目ポイント。アミノ酸のバランスを表わすアミノ酸スコアが白米は61、小麦粉は42に対して、蕎麦の実は“92”。各種ビタミン(特にビタミンB1、B2)・ミネラル、血管を強くするといわれるルチンというポリフェノールを含むことも特徴。さらに、レジスタントプロテインという脂肪の吸収を抑えるたんぱく質や、糖質・脂質・たんぱく質の代謝に不可欠なナイアシンも含んでおり、ダイエットに関心が高い女性からも注目が高まっています。

参考レシピ:スープカレー

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レシピのPoint】
・カレーの付け合せ
キヌア・蕎麦の実の特有の風味もカレーと合わせると気になりません。
・サラダ/スープ
キヌアのプチプチ感、蕎麦の実のもちもち感が楽しく、おいしく食べられます。スープに混ぜるとボリューム感がUP。
・納豆
納豆1パックに先ほどのスピルリナ小さじ1、、オリーブオイル大さじ1、キヌア大さじ1、蕎麦の実大さじ1を入れ混ぜる。キヌアも蕎麦の実も一度茹でたら、タッパーに入れ冷蔵庫で1週間持つので色々なものに混ぜてお気に入りの食べ方を探してみてください。

6.気持ちを上げる『カカオニブ』

約4000年前から中央アメリカに自生していた植物カカオ。古来から薬のように使われていたそうです。カカオニブとはカカオの殻を取り除いて砕きフレーク状にしたもので、砂糖や脂肪分を添加していないカカオそのもの。ミネラルのほか、ポリフェノールやカテキンなどの抗酸化物質、スポーツ後などに分泌される脳内麻薬物質のひとつアナンダアミド恋愛しているときに分泌されるフェニルエチルアミンを含むことから、幸福感をもたらし人の気持ちを明るくさせる効果が期待できるといわれています。気分を高めたり、幸福感をもたらしたり、その他身体に良い成分を多く含むカカオ。取り入れたいけれど、一般的なチョコレートは砂糖や添加物が多い……、カカオニブはそんな人々から人気のスーパーフードなのです。

7.飲む点滴、飲む美容液『甘酒』

ブドウ糖、9種の必須アミノ酸、生きたまま腸に届くといわれる植物性乳酸菌オリゴ糖を含む甘酒。オリゴ糖は乳酸菌のエサとなり乳酸菌の働きを促進、この2つは腸内環境を整えるのに抜群の組み合わせといわれます。腸内環境が整うと栄養が効率よく吸収され、免疫力がアップ。甘酒は腸に負担をかけず、アミノ酸とエネルギーを手軽に補給ができるのでフルマラソンやウルトラマラソンを走ったあとのすみやかな栄養補給にランナーの強い味方!さらに、甘酒に含まれるコウジ酸は、紫外線からメラニンの生成を抑制する働きがあり、飲む美容液ともいわれ、美肌作りにも必要な栄養素。甘酒は美容・健康ともに注目されているスーパーフードです。

参考レシピ:アイスクリーム

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 【レシピのPoint】
<材料>純ココア、カカオニブと甘くないカカオ、甘酒、バナナ、メープルシロップ
カカオニブ自体は甘くないのでそのまま食べると苦く感じますが、甘酒やバナナ、メープルシロップといった自然の甘みと合わせることでおいしく食べられます。甘酒のみならずバナナやメープルシロップもミネラルを多く含むので、甘いものが好きな方は、無理に断つことなく、ヘルシーにスイーツを楽しんでみてはいかがでしょうか。豆乳を加えたらより濃厚になった、なんて工夫してみるのも楽しいですよ。

8.地球にも人にも優しい『モリンガ』

ワサビノキ科の植物で北インドが原産。北インドは世界最古の伝統医学『アーユルヴェーダ』発祥の地で、アーユルヴェーダでは古くからモリンガが活用されていたようです。食物繊維、カルシウム、鉄分、亜鉛、ビタミンA・E、ポリフェノールが豊富で、19種類のアミノ酸、中でもリラックス効果があるとされるギャバが多く含まれています。発芽玄米の2.7倍のギャバ、ごぼうの5倍の食物繊維、にんじんの4倍のビタミンA、牛乳の3倍のカルシウム、赤ワインの8倍のポリフェノール、ほうれん草の3倍の鉄分が含まれ、一般の広葉樹の6倍もCO2を吸収するといわれるモリンガ。“地球にも優しく、人にも優しい”自然を愛するトレイルランナーのマインドにフィットする、スーパーフードと言えるかもしれません。

参考レシピ:ヨーグルト

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【レシピのPoint】
<材料>ヨーグルト、きな粉、モリンガ、はちみつ漬けナッツ
きな粉の香ばしさがモリンガのクセの強さをマイルドに。はちみつ漬けナッツを加えると、まるで抹茶スイーツのよう。モリンガやナッツには食物繊維が多く含まれるので腸内の不要物を絡め取ってくれます。また、きな粉の大豆にはオリゴ糖が多く含まれ、ヨーグルトの乳酸菌のエサとなり腸を綺麗にお掃除してくれますよ。

自然のパワーがぎゅっと詰まった、ランナー注目スーパーフードをご紹介しました。より「楽しく、速く、長く、美しく、走りたい」。栄養満点のスーパーフードはそんなランナーの強い味方。手軽にオシャレに、自然のパワーを身体にチャージして、ランニングライフをさらに充実させてみませんか。

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・できる男は食に気を遣う!?


【参考文献】

『あたらしい栄養学』
監修:吉田企世子(女子栄養大学名誉教授)
松田早苗(女子栄養大学短期大学部准教授)
出版社:高橋書店
ISBN:978-4-471-03389-7
発行日:2010/12

『veggy vol.42』
編集:吉良さおり
出版社:キラジェンヌ株式会社
ISBN:18047-10
発行日:2015/9/10

『スーパーフード図鑑&ローフードレシピ(veggy Books)』
出版社:キラジェンヌ株式会社
ISBN:978-4-906-91329-9
発行日:2014/11/26

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