厚底シューズ「ズーム ヴェイパーフライ エリート」購入権をかけたレースってなに?

2月3日に都内で「NIKE ZOOM VAPORFLY ELITE CHALLENGE」が開催された。このイベントは、今までのランニングイベントとは一線を画する“シューズの購入権”を巡って開かれた新しいイベントである。イベントのレポートの前に、イベントの参加者の今回のお目当てとなったズーム ヴェイパーフライ エリートの基本的な概要についておさらいする。

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©2018 SushiMan Photography 

ズーム ヴェイパーフライ エリートとは?

2017年5月6日、イタリアのモンツァでフルマラソンのサブ2を目指した「Breaking2」に3人の選手が挑んだ。(※Breaking2のドキュメンタリー動画はコチラ

このチャレンジでは、ケニアのエリウド・キプチョゲ(リオオリンピック男子マラソン金メダリスト)が惜しくもサブ2はならなかったものの、2時間00分25秒でフィニッシュ。人類の飽く無き挑戦は多くの人々を驚かせた。このBreaking2で挑戦者の3人が、それぞれの足型に沿ってカスタマイズされた「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ エリート」(←詳しいシューズの構造と素材についてはリンクを参照)を使用。当時、このシューズはこの3人だけの“スペシャルシューズ”として知られていた。

そんなスペシャルシューズの一般発売が大きく期待されていたが、2017年9月下旬、ついにそのヴェールを脱ぐこととなる。オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデン、ルクセンブルク、イギリスのナイキ+メンバーのみ、合計99足限定、これらのヨーロッパの各国にて1足500ユーロで販売された。

また、ベルリンマラソンの前日にも購入のチャンスがあり、実際に購入したという日本人がいる。ズーム ヴェイパーフライ4%愛好家の山内雄喜さんは、その名も「VAPORFLY ELITE」というNIKE+RUN CLUB(NRC)のセッションに参加し、ブライトクリムゾンカラーの1足を500ユーロで購入。日本初?ともいえるズーム ヴェイパーフライ エリートのオーナーとなった。また、ベルリンマラソンの翌日には、レースを優勝したばかりのエリウド・キプチョゲが登場し、山内さんはキプチョゲとの交流を楽しんだそうだ。

出典:ケヴィン・ハートのインスタグラムより

そして、このシューズがお披露目されたのはヨーロッパだけではなかった。11月のニューヨークシティマラソンでは新たに、底の厚い黒塗りの“黒船”が姿を見せた。ニューヨークシティマラソンのレースで実際に着用して話題となったのが、アメリカのコメディアン/俳優のケヴィン・ハートである。このレースだけで世界中の多くの人々にズーム ヴェイパーフライ エリートをアピールした。

(※現時点で594,279いいね!コメント7790件

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©2018 SushiMan Photography 日本限定カラーは世界100足限定。価格は税込5万9400円

そして、ズーム ヴェイパーフライ エリートの一般お披露目の第3弾として今年の1月に日本限定カラーのリリースが発表され、今回のイベントの当日を迎えた。

見ごたえのある勝負が展開

今回のイベントのルールは、1km5分00秒ペースから1周ごとにペースが上がっていき、それについていけなかった最後方の参加者はそこでレース終了。シューズの各サイズごとにレースが行われたが、用意されているシューズの足数分の参加者に絞られた時点でレースは終了、というルールであった。

今回のイベントのゲストとして、1月の箱根駅伝で1区区間賞の活躍を見せた東洋大の西山和弥選手、7区を走った渡邊奏太選手、そして東京国際大からは伊藤達彦選手と浦馬場裕也選手が参加し、ウォーミングアップ、ダイナミックストレッチから参加者とともに交流。レースでは後半部分の速いペースで先導するペーサーとして、その軽やかな走りをみせた。

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©2018 SushiMan Photography 西山和弥選手(東洋大)が先導。小林航央選手(右から三番目)も参加

レースは24.0cmから1cmごとに29.0cmまでの6レースがそれぞれ行われた。26.0cmや27.0cmは用意されているズーム ヴェイパーフライ エリートの数も多かったが、その分参加者も多く激戦が展開された。ペーサーにはNRCのペーサーと、レースの後半からはゲストの現役アスリートが先導した。

参加者のなかには昨年の男子1500mの日本ランキング1位の記録(3分41秒81)を持つ、筑波大の小林航央選手の姿も。今回のイベントにゲストとして来てもおかしくないレベルの選手もさりげなく参加するレベルの高さとなり、各レースともに白熱した。

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©2018 SushiMan Photography 購入権を獲得した参加者はそれぞれにその喜びをあらわにした

シューズの購入権をかけた激しい争いから見事に生き残り、購入権を得た参加者の中にはその喜びをあらわにする人もちらほら。このように、優勝した人ではなく、生き残った者のみが喜びを共有する姿は、まるで全日本大学駅伝予選会や、箱根駅伝予選会などの雰囲気に似たものを感じさせた。

ファッション界も注目の一足!

セレクトショップ御三家のビームスから、ビームスランクラブ(BRC)代表の牧野英明さんがこのイベントに参加した。ナイキ ヴェイパーフライ エリートは単にシリアスランナーだけにとどまらず、ファッション関係者、スニーカーマニアからの注目度も高いシューズである。

牧野さんはその長身の見た目からもシューズのサイズは大きく、29.0cmのバトルに参加。ボリュームゾーンである、26.0cmや27.0cmと違って29.0cmは用意されている足数が2つのみ。たった2つの購入権を巡って熱いバトルが展開された。

牧野さんは普段からズームフライ、ズーム ヴェイパーフライ4%を愛用するこのチャレンジに打ってつけの生粋の“ナイキ厚底マニア”。そうとはいえ、彼にはもう一つの目的があった。シューズの購入権を勝ち取ることと、ビームスランクラブのPR。ビームスではオンラインに関する部署に所属する牧野さんは、仕事以外の場所でもビームス愛全開でこのチャレンジに挑んできた。

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©2018 SushiMan Photography 右腕にみえる「BEAMS RUN CLUB」を代表して参加した牧野英明さん

「ビームスランクラブは最近できたランニングクラブなのでいろんな場所でアピールしたいですね。ズーム ヴェイパーフライ エリートを購入出来たら東京マラソンで着用して初のサブ3を狙いたいと思います。」

気合い十分の牧野さん。ウォーミングアップからもその気迫が伝わってくる。いざ、レースが始まる。29.0cmは24.0cmから1cmごとに行えわれたレースの最後を飾るにふさわしい白熱したレースとなった。

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©2018 SushiMan Photography ペーサーは白熱したレースをきっちりと先導した

他のレースと同じく序盤はゆったりとしたペースで進む。中盤からペースが上がり参加者は真剣ムードそのもの。ペースが1周68秒のペースに上がったところで先頭のペーサーに喰らいつくのは一人。牧野さんはその後ろで必死に歯を食いしばる。

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©2018 SushiMan Photography 最後は両者譲らないデッドヒートに

「ここにきて普段のスピード練習が足りていないのが、バレましたね(笑)」

笑いながらそう振り返ったレースは、2足目を巡って牧野さんともう一人の参加者のデッドヒートに。お互い譲らず、勝負はもつれ込んだ。並走を続けること1周半。バックストレートで失速しかけた牧野さんに声援が後押し。そこから渾身のラストスパートを決め、牧野さんは相手を振り切った。

安堵の表情を浮かべながら見事にズーム ヴェイパーフライ エリートの購入権を手にした牧野さん。

「レース後も一緒に走った方とコミュニケーションできて本当にいい機会になりました。すごく楽しませてもらいました。また、西山選手などと一緒に走らせていただき、その素晴らしいフォームに刺激を受けました。 キツくなったときに身体がブレずにリズム良くピッチを上げられるようにトレーニングをしていきたいと思います」

トップ選手と共に走った経験が、参加者たちのモチベーションに影響を与えたようだ。

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©2018 SushiMan Photography 「ナイキ厚底三兄弟」を持つ人は世界的にもレアである

「セレクトショップ御三家」のビームスから、「ナイキ厚底三兄弟」のコレクションに成功した牧野さん。彼の東京マラソンでの走りに注目が集まる。もし、東京マラソンで長身のイケメンを見かけたら、その足元に注目してみるといいかもしれない。

このようにして、参加者たちを楽しませた今回の「NIKE VAPORFLY ELITE CHALLENGE」だったが、シューズの購入権をかけた今までにないイベントも今後増えていくかもしれない。素晴らしいプロダクトに素晴らしいイベント。見ている私も参加したくなるようなエキサイティングなイベントだった。今後も、カーボンプレート搭載の底の見えない厚底戦艦の行方に注目である。

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