「応援してくれる方々に走ることで勇気を与えたい」|平塚 潤さんへインタビュー
Feb 01, 2016 / MOTIVATION
Apr 26, 2019 Updated
こんにちは、すしマンです。
今回お話を伺ったのは、2016年1月31日(日)に開催された『2016新宿シティハーフマラソン・区民健康マラソン』(以下、新宿シティハーフ)で優勝した平塚潤さん(47歳)です。
同大会での優勝タイムは【1時間09分42秒】。
平塚さんは1993年世界陸上シュトゥットガルト大会男子10,000m代表、1994年広島アジア競技大会男子10,000m銀メダリストと輝かしい経歴を持ち、現在は市民ランナーとして数々の日本記録を打ち立てています。
経験が生んだ最後の猛スパート
すしマン「お疲れさまでした。そして、優勝おめでとうございます!平塚さんの走りは、間近で見ていてシビれました。」
平塚さん「お疲れさま!優勝できて良かったよ!」
すしマン「スタートから約2kmで、先頭集団が3人に絞られましたね。どんな思いで走っていましたか?」
平塚さん「今回は、あくまで東京マラソンに向けた調整として出場していたから、最初は前の2人を見ながらレースを進めていったよ。中盤以降は先頭が入れ替わったり、小刻みなアップダウンがあったりして、前のランナーがいつスパートするかを考えていたね。」
すしマン「平塚さんは勝負師ですからね。先頭集団の1人に私も入っていたわけですが、逆に平塚さんがいつスパートするかを考えながら、15kmから数回に分けてスパートしました。離し切れませんでしたけどね。」
平塚さん「赤いユニフォームの彼も、なかなか力があって食らいついてきたよね。ガッツがあった。」
すしマン「そうやって最初から三つ巴だったわけですが、戦略が上手くハマりましたね。」
平塚さん「18kmで赤いユニフォームの彼にスパートされたのがキツかったけど、ラスト勝負は避けたかったから、意表をついてラスト1.5kmでスパートしようと腹を括っていたんだ。それが上手くいったね。最後の明治公園の坂では、さすがに足が止まりそうになったけど(笑)」
すしマン「お見事でした。」
東京マラソン2016に向けて
すしマン「昨年はこの新宿シティハーフが1時間10分04秒で3位、そして東京マラソン2015では2時間23分13秒というタイムで46歳日本記録を樹立されました。今年も同じような流れで東京マラソンに向けて調整されていることと思いますが、現在の調整具合や調子はいかがでしょうか。」
平塚さん「これまでの練習の疲労もあったり、左脚がいまいち上手く乗らない感覚があったりして、今日の段階ではまだ7割程度の仕上がりだね。それでも昨年のタイム・順位を上回れたから、47歳フルマラソン日本記録はもちろん、本番では去年のタイムを上回ることも目標の1つ。これから上手く疲労を抜いていって、あとは本番を迎えるだけだね。皆さんの期待に応えたいと思っているよ。」
すしマン「今年の東京マラソンも期待できそうですね!」
※2016.3.13追記:実際に47歳の日本記録を達成されました!
?47歳マラソン日本記録?
角田進さん(1948.06.03生での47歳)での
「2:30:03/1995.12.03/福岡」が最高記録とされていたようです。
よって東京マラソンで出した
?2時間26分58秒は…。
47歳マラソン日本記録になりました。来年は更に進化します— 平塚潤 (@junhiratsuka) 2016年3月3日
平塚さんのお気に入りランニングコース
すしマン「良ければ平塚さんのお気に入りのランニングコースを教えて頂けますでしょうか?」
平塚さん「はい、こちらです。」
荒川河川敷コース
天気が良い日は景色が良いので気に入っています。
夜でも意外と遠くの明かりが綺麗ですよ。
河川敷といっても、川に近い下側を走るのと、上側を走るのでは違っています。
景色を楽しみながらリラックスして走るときは、上側を走っているんです。
また、荒川の往復走もよく行います。
長い距離を走るときはSuicaをポケットに。
走れるところまで走って、電車で帰ることもときどきあります。
コースの詳細はこちらから
舎人公園陸上競技場
インターバルトレーニングなどのポイント練習をするときによく利用しています。
日中は比較的空いているので、人の少ない時間帯に集中してトレーニングを済ませてしまうことが多いです。
年齢を重ねても、スピードを高めるような質の高い練習を行うことは、とても大事だと考えています。
もちろんそれは、同時にキツい練習でもあるんですけどね。
コースの詳細はこちらから
同世代のランナーへのメッセージ
最後に、同世代のランナーへ向けて、“カッコいい”オジさんランナーの日本代表としてメッセージをいただきました。
自分に負けない強い気持ちと、目標達成への努力。
これらはもちろんですが、加齢による肉体老化に負けないためにも、走ること以外で加圧トレーニングをはじめとする筋力トレーニング、特に上体やお尻の筋肉を保ち続け、目標レースでそれらの筋肉を上手く使える効率の良い走りができるよう準備することが大切です。
そしてケガをしないように、ケアもしっかりと行ってください。私も自分に負けないよう、走ることはもちろんそれ以外のトレーニングにも打ち込み、また、ケガをしないようにアフターケアに努めています。
私は、この年齢になっても趣味で走っている市民ランナーです。
しかし、レースのときは緊張感を持ち、そして自分の年齢や肉体と戦いながら、高いパフォーマンスを継続していくよう心がけています。
応援してくださっている皆さんに、勇気を与えられるようなランナーであり続けたいと思っています。
これからも頑張ってください、応援しています!
平塚さん、今回はどうもありがとうございました。
名前 | 平塚潤 | |
経歴 | 1969年1月8日生まれ、茨城県出身。 水戸工業高校から日本体育大学へ進学し、箱根駅伝で活躍。ヱスビー食品に進み、1993年世界陸上シュトゥットガルト大会男子10,000m代表、1994年広島アジア競技大会男子10,000m銀メダリストという記録を残す。引退後は、2001〜2009年まで城西大学駅伝部の監督を務め、数々の選手を育成。2010年より城西大学経営学部准教授に就任し、研究分野はスポーツ科学。現在は、市民ランナーとして数々の大会で活躍している。フルマラソンの44歳・46歳年代別日本記録保持者。好きな“すしネタ”はイカとイクラ。 |
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