アウトドアとの出会いで気づいた「遊び」としてのランニング|反中 祐介さんへインタビュー

みなさんは『CITY TRAIL®(シティトレイル)』という言葉をご存知でしょうか?これは、アウトドアブランドのサロモンが提唱するランニングスタイルのこと。街中でもトレイルランの「不安定な」要素を楽しめるよう、ランニングルートにあえて階段や陸橋、坂道、砂利道などを取り入れる。
ときには、公園に植えられた木やベンチなどを使って、スラロームのように走ったりします。今回はそんなシティトレイルの楽しみ方を発信する若手ランナーの反中祐介さんに、詳しくお話を伺いました。

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外に出たら全てがフィールド!ライフスタイルに取り込める「遊び」としてのランニング

–反中さんが考える『シティトレイル』の魅力は何ですか?

私が初めてシティトレイルと出会ったのは、社会人1年目(2014年)のこと。SALOMON ici club 神田店に、ショップ店員として配属されたときです。出会った瞬間は、素直に「めちゃくちゃ面白い!」と感じました。

私は陸上部やランニングクラブに所属していたため、ロードランニングの経験が豊富です。当時は、「いかに坂や階段がないコースを作るか」ということを考えていました。しかし、シティトレイルは真逆の発想。スタートとゴールしか教えられず走り始め、途中で細い路地に入ったり、ときには同じところへ戻ってきたり、歩いたり、階段を駆け上がったりとなんでもありなんです。

このシティトレイルを知ってからは、逆に陸橋や階段、坂道といったパートを意識して、街を見るようになりました。そうしたら、ランニングコースの可能性がとても広がったんです。「こんなに自由でよかったのか」と。特に渋谷や原宿を走ってみると、アーバンな雰囲気の中にストリートスポーツのようなやんちゃ感もあって、まさに「遊び」でした。山とロードのいいとこ取り。自分の生活圏内が、全てフィールドになるという魅力がありますね。

–なるほど。反中さんは、山にも行かれるんですか?

アウトドアブランドを販売している影響もあってトレイルランニングにもハマり、2015年は通算13のレースに出場しました。
実績としては、『第7回多摩川源流トレイルラン』や『NAEBA RISING2015』、『第4回上野原秋山トレイルレース』など、いくつかの大会で優勝しています。

モテるために陸上部へ…しかし走ることから離れた時期も

–いきなりその成績はすごいですね!もともとはロードの選手だったと思いますが、ランニングとの出会いについて教えてください

小学校の頃に校内マラソン大会があって、それが男女別々だったんです。男子がレースの間は女子が見学。先頭を走っていると女子の声援を独り占めできている気がして、その時に「速く走れればモテる!」なんて勘違いしたんですよ。だから中学校では、実力を伸ばして「確実に」モテるために、迷わず陸上部に入りました。

実はその頃、囲碁や剣道、水泳などいろいろな習い事をやっていたんですが、全てを捨てて入部しました。でも結局、持ち前の「極度のシャイさ」を発揮してしまい、全くモテませんでしたけどね…(笑)モテることこそできませんでしたが、練習すればするほど速く走れるようになり、走ることが本当に好きになりました。どんな練習をしたら、どんな風に伸びるのか?それを自分の体で試すのが好きだったんです。結果として3年生のときには、エースとして部長を務めさせて頂きました。

–高校時代の成績はどうだったんですか?

高校では、初めての5,000mを15分28秒で走れたんです。だから周りからもすごく期待されて、これで本当にモテるぞと思いましたね(笑)その頃、チームも駅伝で全国大会出場を決めていました。でも先輩に負けたくないという思いが強すぎて、その試合の直前に怪我をしてしまったんです。

そこからは、治っては怪我しての繰り返し。補強トレーニングなどが増えて、だんだん主体的に取り組めなくなってきました。「辞めたら負けだ」、そう思って卒業まで部には残りましたが、走ることは楽しくなくなっていましたね。

思い出した、自由なランニングの楽しみを広めたい

–大学では続けられなかったんですか?

あるとき突然、学食の列で後ろに並んでいたHさんから声をかけられたんです。そこで「ランニングイベントのアシスタント」のお誘いを受けました。それが、初めて市民ランナーの方々と触れ合うこととなった機会です。お金を払って練習している方々の吸収しようとする姿勢や意識、そして楽しんで走っている姿を見て、「自分も、もっと頑張りたい」「この人たちの役に立ちたい」と考えるようになりました。

–それで、今の会社に入社したんですね

そうですね。やはり走ることに関わっていたいと思い、好きだった時計『SUUNTO』を扱っていたアメアスポーツジャパンという会社に入りました。そこで取り扱っていたアウトドアブランド『サロモン』の販売にも携わることで、アウトドアやトレイルランニング、シティトレイルの楽しさに出会いました。

–ロード・トレイル両方の魅力、そしてランニングの楽しさとつらさを知る反中さんが、これからやりたいことは何でしょうか?

これまでは入社したばかりで、お店の仕事を覚えることで精一杯でした。これからが、本当に自分のやりたかったことに挑戦していくとき。そのためにも、アウトドアプレイヤーの「山を遊ぶ」「自然を楽しむ」といった感覚を、これからも大切にしていきたいですね。自然を楽しむには、必要な装備や知識がたくさんあります。イベントや活動を通じて、「スポーツを遊ぶ楽しさ」「遊ぶために必要な情報」を発信し続けていきたいです。


反中さん、今回はインタビューにご協力いただきましてありがとうございました!

反中さんがオススメするコース

ランニングの新たな楽しみ方を広める。そんな反中さんのおすすめランニングコースは、こちらからご覧いただけます。

ぜひ、シティトレイルの参考にしてみてはいかがでしょうか。

プロフィール

「アウトドアとの出会いで気づいた「遊び」としてのランニング|反中 祐介さんへインタビュー」の画像 名 前  反中 祐介 (たんなか ゆうすけ)
 職 業 会社員(アメアスポーツジャパン株式会社)
 経 歴 益田清風高校 / 城西大学卒業
社会人からトレイルランの魅力に目覚め、街中でもトレイルランのトレーニングに活かせるシティトレイルを広める活動をしている。

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