前人未到の高校国体優勝&大学駅伝3冠・八木勇樹さんが「旭化成」を退社してはじめたこと

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「自分の信念を貫いて可能性に賭けてみたい」

日本の陸上長距離界において、エリート街道を渡り歩いた“一人の勇者”が新たな道を歩み始めました。その人の名は八木勇樹さん

八木さんは、西脇工業高校時代にケニア人留学生を破って国体で優勝。早稲田大学では出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝の学生三大駅伝で3冠を達成。早稲田大学競走部の主将として臨んだ関東インカレ、全日本インカレではチームをまとめあげ、総合優勝。前人未到の5冠を達成しました。

しかし、華々しい実績の影には挫折や葛藤、自問自答の日々が続いたといいます。そして、実業団選手として所属していた旭化成を2016年6月末に退社し「独立」の道へ。株式会社OFFICE YAGI代表取締役として、YAGI RUNNING TEAM所属のプロランナーとなりました。今回は、八木さんが抱くマラソンへの想いや、陸上競技を始めた中学時代、飛躍を遂げた高校時代について伺いました。

今こそ変革のとき

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—株式会社OFFICE YAGIの設立おめでとうございます。6月末で所属していた旭化成を退社し、独立。プロランナーとなりました。今の率直なお気持ちをお聞かせ下さい。

中学から陸上競技を始めて、高校、大学、実業団と経験を積んで、記録も伸び、成長してきました。そのなかで、陸上長距離界において、日本と世界のレベルがどんどん離れていくのを感じていました。アフリカ選手の台頭、マラソンの世界記録の度重なる更新、非アフリカ勢でもアメリカを中心として、記録がどんどん伸びていっています。その中で、スポーツ科学やトレーニング理論、食事など、様々な要素で最先端の研究をしているアメリカには優秀な選手、コーチが世界からやって来ています。私は、選手として“誰よりも速くなりたい”という強い信念を持ってやっているのに、なかなか世界との差は詰まるどころか開く一方でした。

実業団選手として旭化成に入ってからというもの、故障していた事もあり、日本トップの実績を残していないので「今さら八木は何を言っているんだ」と思うかもしれません。私は、自分自身で考え抜いた結果、日本の陸上長距離界の変革の為に「自分から動かなければならない」と思い、準備をしてきました。その間、競技者としての自分を問いつめ、自問自答を繰り返しました。何とかして、日本の陸上長距離界を変えたい、このままじゃいけないと思っていました。

 

—日本の陸上長距離界への変革へ向けて、強い危機感を感じながら、独立に向かっての準備を始めました。日本マラソン界の名門、旭化成を退社するにあたって思い残す事はありませんでしたか。

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