『薄底を履くことにも意味がある』デサント開発「ゲンテンエリート」の魅力

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みなさん、こんにちは。藤原商会代表シューズアドバイザー藤原です。

さて箱根駅伝2020でも、ナイキの『ズームXヴェイパーフライネクスト%』という厚底の代名詞が圧倒的なシェアで席巻している中、逆転の発想で作られたレーシングシューズが昨年12月にリリースされました。それが、デサント『ゲンテンエリート』です。

「えっ、デサントがシューズ?」という感じですよね。それも、それまでの日本人ランナーの “常識” であった薄底レーシングに敢えて着目して、リリースされたシューズ。厚底が社会現象になる中で、『薄底を履くことにも意味がある』というこのコンセプトは、このタイミングではとても面白いと思います。

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中間走のスピードを持続する厚底シューズのように、速く走れるとか、疲労感が少ないとか、そういうことを狙ったものではなくて、まさに原点=ゲンテンに立ち返って、“ランナーの自脚を鍛える” という目的で考えられたシューズなわけです。何とも潔くコンセプトを絞ったカタチですが、厚底とは違う役割を持った “同じカテゴリーのシューズ” とも言えますね。

ですから、何もフルマラソンで履いてもらおう、ということではないし、もっと言えば、レース用でなくてもいいんです。トレーニングで接地感を高めるようなスピード練習で活用してもらう、そんなシューズと言っていいでしょう。

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『ゲンテンエリート』には、最近のレーシングシューズの潮流である “カーボンプレート” が内蔵されています。しかし、これは、反発を生むような、 “速く走る” 機能を期待したものではなくて、硬いカーボンプレートが蹴り出し時に、しっかり踏み込めるように、 “自分で頑張れる” 機能を高めたものになります。

「カーボンプレートが入っていると速く走れそう」 「カーボンプレート入りだと反発がありそう」 と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、このシューズはランナー自身の接地感を高めてくれるので、後は自分で頑張る、それを応援してくれるシューズです。ですから “自脚を鍛える” ことにつながるわけです。

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つまり、厚底のシューズのように、スピード持続力が高いシューズではないですが、瞬発的スピードを出しやすい設計になっています。中足部からつま先にドロップ(坂道)が効いていて、まるでデイリートレーナーのようなガイド感があり、スムーズに前足部まで重心移動して、そして、ここでカーボンプレートが入っているで、しっかり踏み込める感触になっているというわけです。

初めて履いたときには、まるでスパイクシューズを履いているような踏み込み感、ひっかかり感で、足を速く動かしたい、という自分の発揮したい力をしっかり伝達してくれる印象です。

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ランニングムーブメントの高まりで、インターバルなど、自分なりにスピード練習を取り入れているというランナーさんも少なくないと思います。そんな方にこそ試してほしいシューズです。体に変化を与えることが、トレーニングのミソでもありますが、それに、シューズの変化を加わえると、さらにトレーニングを効果的が高まります。

こういうトレーニングでは、低サポートであることを恐れず、接地感が高い薄底シューズで頑張る。軽いことは、足を速く動かしたり、反射を高めたりしやすいわけですから、とにかく、これで頑張る。シューズ自体は、長い距離を速く走れる機能がありませんが、短い距離で速く足を動かしやすいシューズなわけです。

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そして、最終的に、その自脚力は、厚底シューズをしっかりコントロールできることにもつながると言えます。

ちなみに、ゲンテンエリートのアウトソールには、ノーベル物理学賞受賞素材『グラフェン』が採用されています。これは、グリップと、その耐久性を両立した素材で、ミッドソールの『カーボンプレート』とアウトソールの『グラフェン』が両方とも炭素繊維という贅沢なシューズです。

それにも関わらず、お値段は、意外にリーズナブルな、16,000円(税抜)。カーボンプレート入りのレーシングは20,000円越えが当たり前のようになっている中で、また、使う頻度を考えたら、長く愛用できる費用対効果が高いシューズと言っていいですね。 “日本人の足型にこだわった” と言うぐらいなので、スッと足入れできる感じです。

そんな、コンセプトのわかりやすさと、薄底に慣れていた学生ランナーの親和性からか、箱根駅伝本番で中央大学の選手が1名着用していました。これは、箱根駅伝のシューズ事情を考えたときに、ナイキ、アディダス、ニューバランス、アシックス、ミズノの5社以外のシューズを履いた学生が過去5年いなかったことを考えると、リリース初年度で6社目にデサントのゲンテンエリートが選ばれたことは、例え1足だとしても、画期的なことだと言えます。

とは言っても、この記事をご覧になられているランナーの方で、20kmで使用できるような方はそうそういないのかな、と思います。わたしも、インターバルなど短い距離のスピード練習に、また5km程度のレースや駅伝で、このシューズを活用しています。

ゼビオスポーツさんの店頭では、わたし藤原の顔入りPOPに出会えるかもしれませんよ(笑)

デサント『ゲンテンエリート』

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・価格:16,000円(税抜)
・重量:188g(27.0cm)
・ドロップ:8mm
・アッパー:洗練されたランナーの足に合わせて、ロスの無い最もタイトなフィッティング、ホールド性を高めるために、伸びの少ない素材を使用
・ミッドソール:より推進力を発揮する落差の大きいドロップに、高反発のミッドソールとカーボンで推進力を更に強化
・アウトソール:グラフェンを搭載し、グリップ力を発揮

 

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