怪我ゼロを目指すナイキの挑戦「ナイキインフィニティラン」の魅力

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みなさん、こんにちは。シューズアドバイザー、藤原商会代表 藤原岳久です。今回は、ナイキからすでにリリースされている『リアクトインフィニティーラン』のご紹介です。

『怪我ゼロを目指すナイキの挑戦』とは、かなり大きく踏み込んだタイトルですが、今もっとも勢いのあるナイキだからこそできる言い切り感があります。これを履いたから“怪我しなくなる”ということではありません。 “怪我をしにくくする” 選択肢のひとつ、そう考えてほしいですね。

怪我ゼロへの挑戦

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ナイキが226人の男女に12週間のトレーニングプログラムを実施した結果、同社ズームストラクチャー22と比べて、52%怪我が減ったというのが、今回の “怪我ゼロを目指すナイキの挑戦” の根拠です。

これでは、まるでストラクチャーがダメかのように思われがちですが、誤解のなきように言っておくと、ストラクチャーは強い内側の足の動き(過回内)を抑えるシューズです。オーバープロネーター(過回内)のランナーには効果的なシューズですが、“履くランナーを少し選んでしまう” というように考えてください。その実験でも、実はインフィニティランの怪我のリスクがゼロだったわけではありません(14.5%のランナーが怪我)。

つまり、怪我をゼロにしたいが、現状そうはなっておらず(これは永遠のテーマ)、ケガの原因は一様ではないので、怪我ゼロへの挑戦はとても険しい道のりなのです。現状、リアクトインフィニティランが怪我ゼロに向けて、ある程度精度が高いですよ、とナイキは言いたいのです。

ストライクゾーンの広いシューズ、ランナーを選ばない

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ある研究で約2000人のランナーを調べたところ、オーバープロネーター(過剰な回内)は少数派であった、また怪我と過回内などのフットモーションの違いに関係性が希薄であったということが結論づけられています。つまり、ズームストラクチャーのような結果的にランナーを選んでしまうシューズより、ランナーを選ばないシューズを提案することで、怪我のリスクを減らすということに行き着いたわけですね。

ちなみにその研究では、人数は少ないものの、やはり過剰に回内しているランナーの怪我の発生率は高かったことから、わたしはストラクチャーを履くべきランナーもいると思います(ちなみに過剰な回外のランナーも怪我率が高い)。

ナイキが今回、踏み込んで言いたいのは、その動作を良い方向、怪我がしにくい方向に持っていきたい、そんなシューズを作りたい、そういうことなんだと思います。とても “ストライクゾーン” が広いシューズ、それがリアクトインフィニティーランだと言っていいでしょう。

ランニング動作をよりスムーズにする構造

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では、怪我をしにくい方向に動作を導いていくのか。クッションがあること、安定していること、ロッカー式の揺れる構造、という3つの要素がうまくブレンドして、シューズが動作を良い方向に導きます。

まず、単純にこのモデルは、エピックリアクトの後継ですから、クッションは最高にいいです。リアクトクッションを全面に押し出したこのモデルの良さは、とても柔らかく、バウンドのある、気持ちいいクッションであることです。リアクトとは、従来のEVAという合成樹脂より多少重量はありますが、バウンドが良く、スポンジ構造ではないので、耐久性に優れているということも特筆すべき特徴です。

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そして、いままでのシリーズの中で、一番しっかりとした “エピックリアクト” です。前足部のギリギリまでワイドに設計されたソール、そして全体としてはロッカー構造のソールがしっかりコラボレイト。シューズ全体のロッカー形状が、足抜けをなるべくスムーズにして、蹴り出しが安定するので、さらにその効果を高めています。プラス、ヒール部につけられたTPUの補強もしっかり内側、外側どちらもバランス良く馬蹄型に配置されている点も見逃せません。

足が内側に倒れるのを防ぐというより、なるべく着地の時間を短くすることで、内側に倒れる時間を最小限にし、故障を防ぐという考え方ですね。

非常にバランスの良いデイリートレーナー、それがインフィニティラン

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とにもかくにも、ナイキの技術が集結して、 “怪我を抑える” というテーマに着目して企画された、とてもバランスの良いデイリートレーナーであるのが、リアクトインフィニティランと言っていいでしょう。

ですから、デイリートレーナーとして、はじめての1足でもいいし、ラン歴のある人のコンディショニングシューズとしても有効です。ロングランのお供にも最適なシューズです。わたしもジョクやLSDでヘビーローテションになっています。

「怪我ゼロを目指すナイキの挑戦「ナイキインフィニティラン」の魅力」の画像フライニットアッパーは、従来のパーツを縫い合わせるシューズ作りに革命を起こした編み込み製法。足あたりの少ないソックライクフィットと言われるものです。しかし、サイズ感はややタイトです。足幅は問題ないのですが、つま先寸は悩ましいところ。かかとのフィット感がすごく良いわけではないので、かかとがしっかりハマっていることをサイズ選びの優先事項にしましょう。わたしは通常のサイズで履いています。

ナイキのペガサス、ボメロなど、すでにオーソドックスなデイリートレーナーを持っているというランナーは、いつものナイキとは違う良さを感じるでしょう。またホカオネオネ など、ロッカー式のシューズが好みのランナーも、ぜひ履いてみることをオススメします。ちなみに藤原は、そのデザイン性とクッションの良さから、ついつい普段ばきにしてしまっています。

ナイキリアクトインフィニティ

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・価格 :17,600円(税込)
・ドロップ:9mm
・アッパー:フライニットアッパー、まるでソックライクフィット。足あたりの快適さを提供
・ミッドソール:リアクトフォームが、クッション性と高いエナジーリターンを実現。またその耐久性も良い素材。
・アウトソール:戦略的なラバーの配置で、軽量性と耐久性を両立

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(写真 Eliana

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