【アディダス】アディゼロジャパンブースト3:ブレイクスルーできない「タイム志向」のランナー向けシューズ
Apr 27, 2016 / SHOES
Apr 26, 2019 Updated
みなさんこんにちは、シューズアドバイザー藤原です。
本日は「アディゼロ ジャパンブースト 3」を取り上げます。
このシリーズは、一般的にはサブ4用シューズとして(青山学院大学ではアップシューズとして)利用されていますが、実はそんな枠におさまるシューズではございません!前作「ジャパンブースト2」を履いたデニス・キメット選手は、2014年ベルリンマラソンにて、なんと、2:02:57の世界最高記録を樹立しているのです。
「えっ、お店でサブ4用って言われたよ・・・」という方、それは販売促進用語であって、海外では「サブ4用シューズ」というカードが店頭に飾られることはありません。これは日本的な文化なのです。
では、ジャパンブーストシリーズの3代目となる「ジャパンブースト3」の履き心地はどうか、レビューをしていきます!
私のフルマラソン自己ベストの2:35:58(2015年、東京マラソン)は、このブーストシリーズの2代目で達成されました。一番気に入っている点は、その安定感。地面としっかりとらえるその感じは素晴らしいの一言です。
その安定感を私が最も強く感じる瞬間は、“少しペースをあげて走る1歩目”。同じシチュエーションで履く他のレーシングシューズと比べるとそれは圧倒的。しかし、トレーニングシューズとしては、そこまで圧倒感がある訳ではなく、他にも同程度の安定感を味わえるシューズは沢山あるように思います。
では、ソールはどうかというと、トレーニングシューズのように見えるほどの厚みがあります。実際10mmドロップといってトラディショナルなトレーニングシューズの傾斜感があります。
しかし、ソール前足部が非常に薄く、足の接地感がある絶妙な作りになっています。そこがポイント。その厚みは13mmとなり、トレーニングシューズと比較して5~7mm程度薄くなっています。ちなみに箱根駅伝でデビューした同社の「タクミ セン ブースト」でも16mmの厚みがあります。
まとめると、トレーニングシューズのように傾斜があり体の移動をアシストしてくれて、ピッチの速いシチュエーションで履くレーシングシューズのように地面の接地感を感じられるシューズという、まさに規格外で枠におさまらないシューズと言えると思います。
だからこそ色々な使い方が可能なのです。ズバリ!「なかなかブレイクスルーができないタイム志向のランナーがレース用として履く」のがオススメ。マラソンレースでは、サブ3とかサブ3.15あたりを狙うランナーでもフィットするはずです。
サブ4前後のランナーのみなさんは、10kmなどショートディスタンスのレーシングとしてから使ってみると、その可能性を感じて頂けると思いますよ。また、全体的に耐久性のあるトレーニングシューズとの履き分けは必須です。レーシングシューズなので大切に使いたいところ。トレーニングシューズ寄りで履く場合は、この1足では不安ですね。しっかりとしたトレーニングシューズと、2足を履き分けするようにすると良いでしょう。
最後にフィッティングについてですが、前足部が非常に丸みを帯びています。足型が細いという自覚のある人以外は、フィットすることが多いでしょう。私は幅が・・・というあなたもトライしてみてください。
ジャパンブースト3では、名品シューズでありがちな「モデルチェンジすると全く別のシューズになってしまう」というようなハプニングがなく、前作の良さをすべて引き継いだ上で、アウトソールをオールコンチネンタルラバーに変更し、さらに耐久面も増しています。
実際に試してみると良さがわかると思います。興味がありましたら、ぜひお試しください!
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