「走れば走るほど、ランニングの時間を確保できる」って本当? ある精神科医が取り入れた方法
Jul 05, 2017 / HOW TO
Apr 26, 2019 Updated
仕事や家族の板挟みの中、せっせとランニング時間を確保しているランナーは少なくありません。どちらも手を抜けないものであることは間違いありませんが、とはいっても、ランニングも中途半端にしたくない。
今回は、そんな悩みを解決する画期的な方法をご提案したいと思います。それは、「走れば走るほど、ランニングの時間を確保できる」という、ランナーにとって嬉しい方法。
では、早速、このランナーにとって甘い方法が、なぜ効果的なのか、見ていきましょう。
皆さんは、朝の時間は脳が活性化されており、仕事がはかどるという話を聞いたことはありませんでしょうか。様々な書籍で、この朝の時間帯、つまり、起きて2〜3時間は、“ゴールデンタイム”と言われるほど、脳が働いてくれると紹介されています。十分な睡眠をし、しっかりと朝食をとった後の数時間は、脳の集中力が増している時間帯。
社会的に成功している方々に共通するのが、朝型の生活スタイル。成功者の皆さんは、この時間帯の使い方を熟知しており、効果が見込めることを実感しているようです。クリエイティブな仕事やアイデアの創出といった壮大なスケールを描く作業や、読書や勉強といったインプットの時間に充てているのです。
こういったエグゼクティブだけでなくても、朝の時間は活用できます。いちサラリーマンとしても、朝の時間は重要です。この間に、1日のスケジュールを計画するのが効果的。通勤中に準備できることは何か、会社についてまず最初にすべきことは何か、それを何時までに終わらせるのか、その次の必要なものは何か……など、予め一日に必要な行動を洗い出しておけば、無駄な時間を過ごすことなく、時短に繋がりますよね。そうすることで余計な残業をすることなく帰宅でき、空いた時間でランニングが可能なのです。
と、ここまで、「走れば走るほど、ランニングの時間を確保できる」という肝心なテーマに触れておりませんでした。
これからは、より具体的な話となります。この脳のゴールデンタイム、実は、意図的に1日2回作ることができると、書籍『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』で紹介されているのです。一体どういうことでしょう。
「午後の疲れてきた時間に有酸素運動を1時間もすると、脳がものすごくさわやかな状態になります。自分の実感で言うと、『朝起きたときと同じ状態』の集中力にまで回復したように感じます」と語るのは、同書の著者であり、精神科医でもある樺沢紫苑さん。
確かに早朝に感じる脳のゴールデンタイムは、お昼をむかえる頃には切れており、集中力が鈍くなっています。ですので、その間は事務作業など、こなし仕事をまわすべきなのですが、もう1度、運動によって脳のゴールデンタイムを作るのです。
普段は執筆活動をしている樺沢さんですが、集中力が欠けがちな夕方に、ジムに行ってエアロビなどの有酸素運動をすると、頭がスッキリ、朝起きた時のように回復するといいます。
「朝の2時間で、原稿用紙が10枚書けるとするならば、運動後の2時間でも、ほぼ同じ10枚が、ほぼ同じクオリティで書くことができます。これは、まさに1日が2倍になった感覚」(同書より)
樺沢さんによると、集中力が欠けがちな時間帯は運動をすることで、脳のゴールデンタイムを再び過ごすことができるのです。これをランナーに当てはめてみると、午後にランニングを挟みこむことで脳が活性化、クリエイティブな仕事やアイデアの創出、企画出しなど、どうしても煮詰まってしまいがちな業務がはかどるといった効果が期待できます。その結果、残業に繋がりがちな業務をスッと終わらせることで、帰宅後のランニングタイムを確保することができるのです。
なるほど、確かに走れば走るほど、仕事の効率が良くなり、無駄な残業をすることなく帰宅が可能。そうすれば、必然的にランニングに打ち込む時間を確保できますよね。
そして、あと、もう一つ、同書では興味深いデータが紹介されています。
台湾国立衛生研究所によると、41万人を8年間追跡し研究した結果、「1日15分の運動で死亡率が15%低下し、平均寿命が1002日、つまり約3年間延びる」とのこと。
やや大雑把な捉え方ではありますが、運動をすることで寿命が延び、結果的に、人生におけるランニング時間をより長く確保することができるのです。まさしくこれが、「走れば走るほど、ランニングの時間を確保できる」という方法。
いかがでしたでしょうか。この方法は、全員が全員当てはまるわけではないですが、一度、試してみる価値はありそうですね。