話題沸騰のアディダス『ADIZERO ADIOS PRO 4』にシューズアドバイザー絶賛! 注目のアップデートポイントを解説
Feb 10, 2025 / SHOES
Feb 10, 2025 Updated
2024年11月にアディダスから発売されたレーシングシューズの新作『ADIZERO ADIOS PRO 4』。多くのトップ選手に支持され、発売から2カ月が経過しても、即完売となる人気沸騰中のシューズです。
そんな注目のシューズを、今回もRuntripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんが解説します。藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わった期間は20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。
大きく進化したアディダス渾身のスーパーシューズ
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大森:今回紹介するのは、アディダスの『ADIZERO ADIOS PRO 4』です。前作の『ADIZERO ADIOS PRO 3』も大好きな方が多かったですけれど、どのようにアップデートされたか見ていきたいと思います。
藤原:トップ選手・市民ランナー問わず、履く人の多い人気のシリーズでしたね。
大森:多かったですよね。
藤原:前作から大きく変わった点が2つがあります。1つ目はミッドソールの『LITESTRIKE PRO』です。素材自体は前作と変わらないんですが、チューニングが大きく変わりましたね。非常に柔らかくなりました。
大森:前作も柔らかさがありつつ、しっかりとした安定感もありましたよね。
藤原:アディダスがトレンドを柔軟につかんだ結果かなと思います。柔らかくてリズムが取りやすく、5本指形状のエナジーロッドを意識しないで走ることができます。蹴り出し時にはロッドの推進力が効く感じがありますが、そこまで存在感を出さないですね。
大森:カーボン系プレート特有の感覚が苦手という方も使いやすそうですね。
藤原:2つ目の変更点はアッパーです。前作はサイズ感が少し大きめで、かかとが少し動いてしまうという評価が多くありましたが、今回はフィット感が増しています。ここは大きく変わりましたね。
藤原:最初に走ってみた時は、変わり過ぎて対応できない感覚もありました。ただ慣れるととても履きやすいですね。
大森:肌触りも良いです。
藤原:アップデートに2年ぐらいかかりましたが、それだけ前作も良かったということだと思います。そんな前作を上回る、非常に良いアップデートですね。
箱根駅伝でも『ADIZERO ADIOS PRO EVO 1』を履く選手もいれば、扱いやすいこちらを選んだ選手もいたりと、選手それぞれの好みで着用するシューズが別かれていました。
- ADIZERO ADIOS PRO EVO 1
- ADIZERO ADIOS PRO 4
大森:今作は誰でも履きやすそうなイメージがあります。
藤原:「グニャッ」と潰れすぎるのが嫌だという方もいると思いますが、ある程度の沈み込みがないと地面からのエネルギーが保存されないんですよね。そのエネルギーとプレートで前へ進む力を生み出します。多くのシューズで用いられている『EVA』のような素材だと自分が地面を押した力を返してくれるのですが、スーパーフォームは潰れてエネルギーを溜めつつ、そのエネルギーを一気に開放することが反発を生むロジックなので、慣れる感覚を掴むことをおすすめします。
大森:なるほど。分かりやすいですね。
藤原:足さばきを良くしつつ、エネルギーを開放するタイミングを掴めると非常に走りやすいです。
大森:自分の最適なタイミングを探す作業が大事なんですね。
大森:柔らかいと、上に跳ねてしまわないかと気になりますよ。
藤原:前足部の跳ね上がりが強いため、上ではなく前への推進力をサポートする形状になっています。
また前足部は広くなっていて、アッパーからはみ出てきているため安定感も高いでしょう。
大森:確かに広いですね。
藤原:接地感も非常に良いですし、足型がワイドの方でも履けると思います。
藤原:アウトソールには『コンチネンタルラバー』を搭載しています。前作はつま先部分に搭載していましたが、今回から前足部の一部にだけ採用しています。全面的に使用されているのは『LIGHTTRAXION』アウトソールですが、こちらもしっかりグリップが効きますので問題ありません。軽量化にも成功しています。
大森:前作より15gほど軽くなりました。
藤原:他のブランドのスーパーシューズに遜色ない軽さになっていますね。
大森:これまでADIOS PROシリーズを履いていた方にはおすすめですか。
藤原:前作が好きだった方にとっては、最初はイメージが違う感覚があるかもしれません。ただ、そういうアップデートだと思って履いてもらえれば、違和感なく履いてもらえると思いますよ。ちょっと哲学的な感じになっちゃいますけど、ブランドとしてはアップデートしてローンチする理由があるから出しているので、ぜひ履いてほしいです。
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アディダスが満を持して発表したスーパーシューズ『ADIZERO ADIOS PRO 4』。同シリーズを履いてきたランナーも、新たにレーシングシューズを探している方も一度は履いてみたい一足に仕上がっています。まだ、なかなか入手困難な状況ではありますが、手に入れるチャンスがあったらぜひ試してみてください。
詳細情報
アディダス|ADIZERO ADIOS PRO 4
・価格:¥28,600(税込)
【動画からご覧の方はこちら】
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藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)