初心者にもシリアスランナーにもおすすめしたい! 毎日のランにちょうどいいカルフの「メスタリ ラン 1.5」をレビュー
May 12, 2025 / SHOES
May 12, 2025 Updated
フィンランド発祥のシューズブランド『KARHU(カルフ)』から2023年に登場したデイリートレーナーモデルの『MESTARI RUN』が1年以上の時を経てアップデートし『MESTARI RUN 1.5(メスタリ ラン 1.5)』として登場しました。
本記事では、前作のレビューでも「誰もが楽しめる1足」と評したシューズアドバイザーの藤原岳久さんがアップデートポイントや、最適な用途を解説。カルフユーザーはもちろん、「興味はあるけど、まだ履いたことがない」というランナーも必見です。
藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わった期間は20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。
「チャンピオン」の意味を冠したシューズ
カルフは1916年にフィンランドで生まれた老舗のシューズブランド。かつては五輪の長距離種目で金メダルを獲得したハンネス・コーレマイネンや、パーヴォ・ヌルミら、フィンランドの名選手が同ブランドの陸上スパイクを愛用していたブランドです。
1960年代には、現在の「M」のロゴを商標登録。「この『M』はMESTARIの頭文字を取ったもので、フィンランド語で『チャンピオン』を意味します。このシューズはまさにブランドを象徴するモデルと言えます」と藤原さんは解説します。
マイナーチェンジながら、よりクッションを感じられるチューニングに
同シリーズの2モデル目となる今作。ミッドソールの構造は前作から引き継がれ、アッパーが改良されました。一般的にマイナーチェンジの様相となっていますが、藤原さんは、「しっかり違いを感じられる」と語ります。
「前足部はかなり柔らかいニットアッパーになりました。変更点はここだけですが、アッパーとミッドソールの合成によってバランスが変わった印象です。そのため前回よりもしっかりとしたクッションになっています」
ミッドソールは変わらず臨界発泡させたスーパークリティカルフォーム「エアロフォーム」を採用。中足部にはカルフのテクノロジーの代名詞ともいえる「Fulcrum(フルクラム)」を搭載し、着地からスムーズな体重移動をサポートしてくれます。
「8mmドロップとフルクラムのテクノロジーによって前に進めてくれる感じがありますし、ガイドもしっかりしていますので安定要素が高いモデルだと思います」
初心者から上級者まで幅広く履けるデイリートレーナーモデル
新生活も落ちついて「これからランニングを始めてみたい」という方や、フルマラソンシーズンが落ち着いて、新たな目標に向かって走り出そうとしている方々が多いシーズン。そんなすべてのランナーに向けて、藤原さんは「クッション、ガイド、安定の3点が揃っている誰でも履けるシューズ」としてこのシューズをおすすめしています。
「ビギナーは走力に不安があるので、シューズに安定要素を加えることがサポートになります。ただこれは走り慣れている方でも享受できる機能です。エベルが上がってくると高反発クッションのシューズを履くことが多いと思いますが、それはストライドが伸びる反面、フォームを崩してしまうことも。それを戻すためにはこういったある程度重量がシューズを履きこなすことも大事だと思います。個人的にはLSDやロングランでも履きたいですね」
サイズ選びの注意点としては、国内におけるメンズサイズの取り扱いが26.0cmからという点です。普段は25.0cmを履いている藤原さんも、「ウィメンズモデルの25.5cmを選んでいます」と話します。ウィメンズモデルは26.0cmまで揃っているので、ご自身のサイズに合わせて試してみましょう。
藤原さんも「北欧のブランドらしい独特なデザインやカラーリング」と語るのもカルフの魅力の1つ。まだ試したことない方は、まずはオーソドックスにデイリートレーナーの機能をしっかり備えた『メスタリ ラン 1.5』を新たなシューズの候補に入れてみてはいかがでしょうか。
詳細情報
カルフ|メスタリ ラン 1.5

・価格:¥19,800(税込)
▼動画でもシューズレビューを配信中
【プロフィール】
藤原岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 / JAFTスポーツシューフィッター
元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
・ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
・フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)
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