【サッカニー】ランニングシューズの履き分け方を徹底解説! サブ3ランナーは『エンドルフィン プロ 4』『エリート 2』どっちがおすすめ?
May 24, 2025 / SHOES
May 24, 2025 Updated
『Saucony』(以下、サッカニー)はアメリカ発祥のランニングシューズブランド。日本では『エンドルフィン』シリーズの登場から知名度が高まりつつあります。今回はシューズアドバイザーの藤原岳久さんによる解説を交えながら、サッカニーの主要モデルの特徴や履き分けについて解説します。
藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わった期間は20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。
100年以上の歴史を誇るサッカニーのシューズ
サッカニーは1898年に創業しました。100年以上にわたりランニングに携わってきたSauconyは、ボストン郊外の地元の工場からグローバルブランドへと成長し、世界中でランニングの楽しさを発信しています。
Saucony(サッカニー)という言葉は、決して発音しやすい言葉ではありませんが、その裏にはストーリーがあるのです。ロゴは、ペンシルバニア州カッツタウンのSaucony Creek(サッカニー クリーク)からインスピレーションを得たもの。ここはブランドが始まった場所で、水が3つの岩の周りを流れる川がありました。この3つの岩は、ブランドの指針である、優れたパフォーマンス、良好な健康、良好なコミュニティを表しています。
今回、サッカニーの主要モデルとして取り上げるのは『TRIUMPH 22』『ENDORPHIN SPEED 4』『ENDORPHIN PRO 4』『ENDORPHIN ELITE 2』。デイリートレーナーから厚底レーシングシューズまで、段階的に解説します。
1. 安定性に優れた定番モデル『TRIUMPH 22』
TRIUMPH 22はミッドソール素材として『PWRRUN PB』を採用。前作はPWRRUN+を採用していましたが、ENDORPHIN SPEED 4と同じミッドソール素材へと変更に。デイリートレーナーでありながら、高い反発性と安定性を両立したシューズへと生まれ変わりました。
アメリカンブランドらしい見た目であり、サポート性に富んだしっかりとしたつくりが特徴。藤原さんは「長距離走やLSDなどのトレーニングにも適しており、ミズノ『ウェーブライダー』シリーズやナイキ『ペガサス』シリーズからステップアップしたいランナーにおすすめ」と解説します。
2. ランナーから人気の高いテンポアップシューズ『ENDORPHIN SPEED 4』
『ENDORPHIN SPEED 4』はサッカニーの中でも人気の高いモデル。デイリートレーナーに近い使用感ながら、ナイロン製のプレート素材を搭載しているため、高い剛性と推進力を備えています。
重量は約233gとかなり軽量であり、テンポアップ走や距離走などある程度のスピードで走るトレーニングにも最適。今作では前作と比べてプレートの構造が改良され、足の歪みを防止する設計になっています。
藤原さんも「アディダス『ボストン』シリーズやアシックス『マジックスピード』シリーズなどのプレート搭載シューズと互角の推進力を感じられる一足」と評価する、オールラウンダーな特徴こそENDORPHIN SPEED 4の魅力です。
3. レース向けシューズ『ENDORPHIN PRO 4』
サッカニーの厚底レーシングシューズとしてラインナップされる一足。カーボン製プレートとともに、ミッドソール上層に『PWRRUN HG』、下層に『PWRRUN PB』といった2層構造を採用したシューズ。上層に配されたPWRRUN HGは、初代ENDORPHIN ELITEに搭載された非常に反発性の高いフォーム素材となっています。
藤原さんは「デザイン面として陸上スパイクを彷彿とさせる外観も特徴である」と評価。軽量性や通気性に優れたアッパーを採用されています。
ミッドソールやアッパーとともに、アウトソールには『XT-900アウトソール』を搭載。グリップ性の高さも魅力的であり、雨の日など様々なランニングシーンでスピードのある走りをサポートします。
4. サッカニーの最上位モデル『ENDORPHIN ELITE 2』
ENDORPHIN PRO 4とともに厚底レーシングシューズとして展開される本作は『incrediRUN』という新しいミッドソール素材を採用。非常にソフトなクッション性が特徴で、まさに「プリン」や「マシュマロ」と表現されるほどに柔らかい素材です。
藤原さんは「接地時に足を地面にしっかりと置き、圧縮された素材が跳ね返る際に高いエネルギーリターンを得られる点が特徴です。アメリカでは多くのエリートランナーが着用しています」と語る、他のシューズとは一線を画す注目の厚底レーシングシューズです。
ENDORPHIN SPEED 4を中心にシューズを履き分け
今回取り上げた4足を履き分ける際には、日常のトレーニングではTRIUMPH 22やENDORPHIN SPEED 4がぴったり。特にENDORPHIN SPEED 4は汎用性の高さからさまざまなランニングシーンで履くことができると藤原さんも太鼓判を押します。
またフルマラソンでサブ3を目標として掲げる方のレース用としてENDORPHIN PRO 4やENDORPHIN ELITE 2がおすすめ。藤原さんは「サブ3以内のタイムで走る方にはENDORPHIN ELITE 2がいい」と力説します。
もちろんフルマラソンではなく短距離のレースに出場する人は、走力に自信がなくてもENDORPHIN PRO 4・ENDORPHIN ELITE 2も十分におすすめできます。これらサッカニーのシューズはRuntrip Storeでも取り扱い中(ENDORPHIN SPEED 4を除く)。サッカニーに馴染みのない方もぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか。
詳細情報
TRIUMPH 22
・価格:¥24,200(税込)
ENDORPHIN SPEED 4
・価格:¥26,400(税込)
ENDORPHIN PRO 4
・価格:¥33,000(税込)
ENDORPHIN ELITE 2
・価格:¥42,900(税込)
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【プロフィール】
藤原岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 / JAFTスポーツシューフィッター
元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
・ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
・フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)