「アルファフライを履きこなすためにシューズを選ぶ」 駅伝ランナーたちが明かす「ナイキ」ランニングシューズの履き分けとは?
Dec 04, 2024 / COLUMN
Dec 04, 2024 Updated
駅伝シーズンを迎え、今シーズンも日本中からファンの注目が集まる大学駅伝の展開。その最高峰の舞台で活躍する東洋大学、名城大学の選手たち、両校の監督が、11月上旬長野県・軽井沢で開催されたナイキの『RUNNING MEDIA CAMP』に登場した。
メディア関係者らが選手たちとともにトレーニングやワークアウトを実践した本イベントでは、ナイキのランニングシューズについての理解を深める時間も設けられた。こちらの記事では、トークセッションで選手たちが明かしたナイキのシューズの履き分け方についてリポートする。
『ヴェイパーフライ 3』、『ペガサス 41』など、ランナーの走力や目的に応じてさまざまなランニングシューズが展開されているナイキのランニングシューズ。“厚底シューズ”ブームの火付け役となったナイキは、それらのシューズを愛用する選手たちからはどのように受け止められているのだろうか。
ペガサス、ボメロ……日々のジョグを支えるシューズたち
レースでカーボンプレートが搭載された厚底シューズを履いている選手たちも、日々のトレーニングにおいて大部分を占めるジョギングではデイリートレーナーを使用している。
ジョグでペガサス 41を愛用していると答えたのは名城大学の米澤奈々香選手。ペガサス 41を愛用する理由として、「クッション性」を挙げた。
「普段は人工芝かロードでジョグをしているのですが、けがをしないようにクッション性を重視してペガサス 41を使っています。速いジョグでも意識的に同じペガサスを選びます」
安定感を備えながら、幅広いペースに対応するペガサス 41はトップ選手にとってベースシューズとして日々のトレーニングを支えるモデルとなっている。一方、レーシングシューズにも搭載されるZoomXフォームを採用したトレーニングモデル『ペガサス プラス』と使い分ける選手もいる。
名城大学の谷本七星選手は「ジョグではペガサスとペガサス プラスを使用しています。ポイント練習の翌日は1km6分〜4分切りくらいのペースでジョグをするのですが、ペースで履き分けるというよりは気分でどちらを使うか決めています」と回答。
東洋大学の梅崎蓮選手は、速いジョグで『ペガサス プラス』を使用するとのこと。「接地した瞬間のレスポンスが早く、速いジョグではペガサスプラスを履いています」と梅崎選手。
さらに、このイベントに登場した選手たちの中で、唯一『ボメロ 17』をジョグで使用すると答えたのが東洋大学の石田洸介選手だ。
「故障を防ぐ視点でジョグはクッション性の高いボメロを履いています。ポイント練習の次の日の朝など、心身ともに疲労が残る場面では快適に走るために安定性、クッション性を兼ね備えたシューズを求めています」
ボメロシリーズは、やわらかなクッションをふんだんに採用したプレミアムクッションモデルに位置付けられるモデル。そのことからも、石田選手がジョグにおいて脚のコンディションを整えることを重視しているのが伝わってくる。
レース本番に向けたシューズの選択。ポイントはランニングフォーム?
レース本番で最高のパフォーマンスを発揮することが求められるトップ選手たち。やはり気になるのは、彼らがどのシューズをレースシューズとして使用しているのか。
東洋大の梅崎選手や名城大の谷本選手は、駅伝やロードレースで『アルファフライ 3』を着用している。両者ともに反発性の高さが選ぶ理由であり、とくに谷本選手は「走るときに反発を臀部でもらえるように」このシューズを選んだと明かす。谷本選手の力強いランニングフォームを支える一つにアルファフライ 3によるところが大きいようだ。
同じ名城大の米澤選手はヴェイパーフライ 3をレース本番で使うそうで、「ヴェイパーフライはリズムやストライドの感覚、反発が自分の走り方に合っていました」と選んだ理由を語る。
また、ここまで挙げた3人はレースで使用するシューズをポイント練習でも使い込む。その目的はポイント練習で、レースと同じランニングフォームを身につけて感覚をより本番に近づけるためなのだという。この選択については東洋大の指揮官である酒井俊幸監督も「走る際の姿勢が重要なので、レース用のシューズをトレーニングでも履いて動きを定着させるのがいいと考えている」と理解を示した。
一方、石田選手は異なるアプローチでレースシューズとポイント練習で着用するシューズを選んでいるそう。レースではアルファフライ 3を着用しており、本番にこのシューズで最大限のパフォーマンスを発揮するために、トレーニングに使うシューズを細かく選んでいた。
「速いジョグや30kmまでの距離走ではズーム フライ 6を使っています。厚底シューズの感覚を体に慣らすための位置付けです。また、集団走では速いペースのまま走り続けるのでペガサス プラスにします。ペガサス プラスは1km3分くらいまでのインターバルなら使えると思っています。冬のレースがない時期だったら足の強化につとめるためにもペガサス プラスを履きますね。
レースを想定したペース走ではアルファフライよりも反発が優しく、アルファフライを履きこなすためのシューズとしてヴェイパーフライの方がいいと思います。ペース走は厚底シューズの使い方を意識するトレーニングとして適している。トレーニングでレース用シューズを使ってしまうと特別感が沸かないというメンタル的な側面もあり、練習で同じシューズを使わないようにしています」
レース用シューズであるアルファフライ 3については、「使いこなすのは難しいが、その特長を活かすことができればしっかりと結果が返ってくるシューズですね」と石田選手。ジョグにおけるシューズの選び方にも共通しているが、目的から逆算して各モデルを選び取っていた。
ランナーにとって唯一の道具といっても過言ではないランニングシューズ。選手によって履き分けにおけるアプローチや意識するポイントは異なるが、より高いパフォーマンスを発揮するという点において市民ランナーにとっても参考になることが多いのではないだろうか。トレーニングに励むランナーも多いこの時期、レース本番をイメージしながらランニングシューズを選ぶことで日々のトレーニングをより有意義なものにできるかもしれない。
今年のEKIDEN PACKは「炎のデザイン」を纏って登場
駅伝シーズンに向けて、今年もナイキからEKIDEN PACKコレクションが登場。これまでも駅伝からインスピレーションを得たデザインが取り入れられてきたが、2024〜2025年シーズンの今作では駅伝が誕生して間もない頃に、夜道を走るランナーの為に道を照らしていた松明の炎からインスピレーションを得たファイヤーパターンのグラフィックが取り入れられた。
フットウェアのラインナップは様々な記録を打ち立ててきたアルファフライ 3とヴェイパーフライ 3、さらに前足部のエア ズーム ユニットとクシュロン 3.0フォームを搭載し、新しく進化した軽量で薄型の『ライバル フライ 4』、レーシング&トレーニング用ハイブリッドシューズのズーム フライ 6が含まれている。
ファイヤーパターンのデザインについて、今回のトークセッションに登場した選手たちも好印象を抱いている。
石田選手は「これまでのナイキのシューズは単色が多かった印象だが炎柄は新鮮な気持ちです。目立つシューズで走る方が気持ちが上がるので、履いて走りたくなるデザインですね」とコメント。谷本選手も「脱いだときに、シューズの両足を並べると“駅伝”の文字が浮かび上がる。その仕掛けが、自分だけが知っている秘密という感じで気に入っています」とモチベーションの上がるデザインについて明かした。
今シーズンのEKIDEN PACKコレクションは11月22日(金)より発売中。トレーニングからレースまで使えるシューズがラインナップした本シリーズをぜひチェックしてみてほしい。
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