女性初の“1マイル4分切り”挑戦へ。ナイキが次なるムーンショット『Breaking4』を発表

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ナイキが次なるムーンショット、『Breaking4』の実施を発表。目指すのは、女性アスリートとして史上初となる1マイル(1609メートル)を「4分以内」で走り切ること。その記録へ挑戦するのは、女子1500mと1マイルの世界記録保持者であり、五輪3連覇を果たした中距離界の女王、フェイス・キピエゴン選手です。

女性初の1マイル4分切りへ。フェイス・キピエゴンとナイキによる前人未到の挑戦

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「1マイル4分切り」というテーマは、男性では1954年にロジャー・バニスターが初めて成し遂げ、以降数多のアスリートが突破してきた距離。しかし、女性ではいまだ誰ひとりとしてこの壁を越えた者はいません。キピエゴン選手は2023年に4分07秒64という世界記録を打ち立てましたが、それでも4分の壁を破るには残り約8秒を縮める必要があります。また、女性アスリートが4分15秒を切ってから8秒が短縮されるまで、じつに34年という時間が費やされてきました。

今回の挑戦について、キピエゴン選手は次のように話します。

「私はオリンピックで3度優勝し、世界選手権のタイトルも獲得しました。そこで、他に何ができるだろう? 並外れた夢を見るのも良いのでは? と考えたのです。『自分を信じて、チームも私を信じてくれるなら、きっとできる。』と自分に語りかけました」

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また、ナイキ グローバル・スポーツ・マーケティング VPのタニヤ・ヴィスダック氏はこのプロジェクトの意義について「これは女性だけではなく、すべてのアスリートに影響を与えることができると思います」とコメント。

彼女は、過去の「Breaking2」プロジェクトにおけるエリウド・キプチョゲのマラソン2時間切りや、1984年のロサンゼルス五輪でジョーン・ベノイトが成し遂げた女子マラソン初の金メダルと同様に、今回の「Breaking4」もスポーツの歴史に刻まれる挑戦になると語ります。

「1989年にポーラ・イヴァンが樹立した4分15秒という記録から、フェイスが2023年に8秒を縮めるまで、実に34年かかりました。今回の挑戦はその“残りの8秒”に挑むというもの。すでに陸上競技のエリート選手という地位を確立している中、フェイスが勇敢さを示すスポーツの進化への大きな取り組みになります」

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これまでも多くのアスリートの挑戦をサポートしてきたナイキ。ナイキ スポーツリサーチラボ(NSRL)VPのエイミー・ジョーンズ氏は、Breaking4を支えるナイキのテクノロジーやサポートについてこう語ります。

「ナイキのミッションはアスリートの限界を打ち破ることで、常に取り組んでいます。私たちは継続的にアスリートの限界を破ろうと、取り組んできましたが、素晴らしいアスリートがいてこそ実現できます。私たちが知っていること、何をどう進めるべきかなど、しっかりとフォーカスを絞ることによって、限界を破る取り組みができます。Breaking4は、限界を破り続け、記録を出し続けているフェイスという素晴らしいアスリートの存在があってこそのプロジェクトです」

「すべての人が関わってこの挑戦に取り組み、酸素状態・無酸素状態でのデータ分析、シューズやアパレルの試作とフィードバックの繰り返しなど、全方位からのサポートが行われます。この挑戦が成功するためには、場所、天候、空力、身体の動き、ウェアやフットウェアの効率、人間の感情や自信までも含めあらゆる要素が重なり合う必要があります」

これまでのBreaking2などで得た知見に、さらに女性アスリートからのフィードバックを加えることで、これまでにないレベルのイノベーションが期待されています。

女性たちに届く“挑戦する自由”のメッセージ

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Breaking4チャレンジを通して、未来の世代にどんなゴールであっても挑戦することから勇気が生まれることを伝えたいと語るキピエゴン選手。

彼女は、エリート アスリートであり母親でもあるという2つの素顔を持ち合わせており、 キピエゴンは次のように話します。「この挑戦を通じて女性たちに『夢を持って、その夢を実現しよう。』と伝えたいです。限界に挑戦し、大きな夢を見る。それが女性のあるべき姿です」

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ナイキ グローバル・ウィメンズ・ランニング VPのシーマ・シモンズ氏も次のように語りました。

「フェイスは、エリートアスリートであるだけでなく、母親でもあり、コミュニティのリーダーとして尊敬されているなど複数の側面を持っており、さまざまな人にインスピレーションを与えています。今回のBreaking4の挑戦は、記録への挑戦という側面だけでなく、次世代に向けた勇気と自由の象徴になります。次世代の女性たちに対しても、挑戦する自由、社会の限界を破る勇気を示したいと思っています」

なぜ、1マイルという距離なのかという問いにも、彼女は明確に答えます。

「フェイスは1500m・1マイルで世界記録を持っていますが、1マイルは特に北米では非常に人気種目です。1マイルでは、男性が70年間にわたって4分切りを果たしてきた一方で、女性はまだ達成していません。フェイスがそれを達成できるということを示そうというのが、この挑戦のきっかけの一つです」

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Breaking4の開催予定は、2025年6月26日。パリのスタッド・シャルレティスタジアムで開催されます。

記録を更新するかどうかだけでなく、スポーツとアスリートの可能性をどう広げるかーー。Breaking4は、ナイキとフェイス・キピエゴン選手による壮大なチャレンジが始動します。

ナイキ公式サイト

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