走る時に「つま先が真っ直ぐ」は間違い!? 男性はガニ股、女性は内股で走ると良い理由

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後半型の走りをするためには、体力・精神・技術が必要?

皆さんは、フルマラソンを走る時に、ピークをどこにもっていきますか?

「ピークを設定せずに、平均して同じペースで走りたい」というランナーも少なくありませんが、有森裕子さんや高橋尚子さんを育てた小出義雄さんは、「35km地点で一番速く走るといい」と後半型のレースをアドバイスしています。

「35kmも走ってからピークを設けるなんて、とても無理!」と筆者も驚いていたのですが、アマチュアランナーほど最初から同じペースで走ろうとして、最後に歩いてしまう傾向があるようです。小出さんの教えのとおり、「前半10秒遅く、後半10秒速く」という走り方にシフトすることで、体力的にも精神的にも良い状態で後半を迎えることができるのです。フルマラソン、完走のポイントはレース後半にありそうですね。

体力・精神のために後半型を推奨する小出さんと同様に、後半のペースダウンを克服するために「技術を身につける必要がある」と語っているのは、スポーツトレーナーの鈴木清和さんです。鈴木さんは、自著『痛くならない!速く走れる!ランニング3軸理論』で、様々なアドバイスをおくっているのですが、その中で、気になる走り方を見つけました。

「男性はガニ股、女性は内股で走る」というもの。

これはどういうことでしょう。筆者は常々、つま先を真っ直ぐ前に向けて走っていました。確かに多少窮屈なところはありましたが、鈴木さんによると、「多くの人にとってあまりよいとは言えない走り方」とのこと。

というのも、つま先の向きを決めるポイントは、太ももの裏側にある筋肉・ハムストリングを効果的に使えるかどうかにかかっています。このハムストリングは、男性がガニ股、女性が内股になったときに効果的に使えるのです。

「その理由は、男女の骨盤の形状の違いにあります。ハムストリングの上端は、骨盤の坐骨という部分に付着していて、下端はヒザの裏に付着しています。そして、男性と女性では一般に骨盤の形が違い、女性のほうが幅広なのです。そのため、女性の坐骨は左右に離れています。それに比べ、男性の坐骨は中心に寄っていることが多いのです、そのため、女性のハムストリングは、少し外側にある坐骨からヒザ裏へと、下に行くほど狭まるようにつながっています。反対に男性のハムストリングは、少し内側にある坐骨からヒザ裏へと、下に行くほど広がっているようにつながっています」

なるほど。筋肉は真っ直ぐ引っ張られる方向に機能するので、男女で走り方が異なるんですね。つまり、男性は外側に向けてガニ股のように、女性は内側に向けて内股のように走るのです。

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TVなどでトップランナーの走り方を見ていると、全てのランナーのつま先が真っ直ぐ前を向いているとは限りません。トップランナーなのになぜだろう……と疑問に思ったことがあるのですが、これは筋肉を効果的に使うための方法だったんですね。納得。

では、どのようなタイプのランナーが、つま先を真っ直ぐ前に向けるべきなのでしょう。これについては、「坐骨の幅とヒザ裏の幅が同じで、左右のハムストリングが並行になっている人」と鈴木さんは紹介していますが、実際にこのようなタイプのランナーは少ないのです。

今まで真っ直ぐ前に向けて走っていた皆さん、一度、筋肉が楽になるような走り方を試してみてはいかがでしょうか。

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