「35km地点で一番速く走るといい」、小出監督がオススメする“後半型”の走り

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先日、とあるマラソン大会に参加しました。筆者はサブ4を目指して挑んだものの1km5分40秒をキープできずに、今回もまた失敗という結果になりました。ただ、当日は雨のち晴れと、厳しい天候だけでなく、気持ちの良い日差しも感じることができ、満足度の高いレースとなったことを覚えています。

筆者は30kmで失速。強い雨と風に遭遇し、体力が削られ、足への負担も大きくなり、思うようなレース展開ができませんでした。なかなか1km5分40秒をキープするのは大変です。

皆さんはレースに挑む時、どのようなレース展開を考えていますか?

有森裕子さんや高橋尚子さんら五輪メダリストを育てた名監督・小出義雄さんが、このレース展開について、自著『小出義雄のマラソンの教科書』の中で語っています。小出さんの考えはこう。

「スタートして前半はゆっくり走り、だんだんスピードを上げて、後半で速く走る。僕は35km地点で一番速く走るといい」

え……。35km地点で一番早く走るなんて無理じゃないですか。

体力は尽き果て、ひざの痛みもごまかしきれず、精神的に最もきついのが35km地点ではないでしょうか。筆者の過去の記憶だと、思い出したくもないくらいきつかったです。

って、多くのランナーが同じ感想を持つと思うのですが、そこに勘違いがあると小出さんは指摘します。

「むしろ、スタートから飛ばしてそのまま自己記録でゴールするほうがよほど大変です。実はアマチュアランナーの多くは、この大変な走りをしようとします。あるいはずっと同じペースで走ろうとします。そして、35kmで歩いてしまうのです」 (同書より)

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ええと、大事なことなので、もう一度、言います。

「ずっと同じペースで走ろうとします。そして、35kmで歩いてしまうのです」

とても心当たりがあります。

小出監督が推奨する走り方は後半型。ポイントは「前半10秒遅く、後半10秒速く」。

もう少し詳しく見てみましょう。サブ4を狙う場合、平均ペース型の場合は1kmを5分40秒で走る必要。しかし、小出監督の後半型では、最初の15kmまでは10秒分足した5分50秒で走るのです。途中15~30kmの間は、当初の予定通り1kmを5分40秒で走り、残りの15kmを5分30秒で走るのです。

このペースで走るといったい何分でゴールするのでしょう。1kmを5分40秒で走ると3時間59分06秒でゴールすることができますが、この後半型で走っても、なんと3時間59分35秒でサブ4達成が可能なのです。これは驚き。前半、ゆっくりペースで走って体力を温存。集中しだしてきた頃にいつもペースで走り、最後はサブ4が達成できるかもという期待でスピードアップするのです。

これがサブ3.5だとどうでしょう。1kmあたり4分55秒で走ると3時間27分28秒で目標達成が可能。しかし、後半型で走って「+10秒-10秒」を採用しても、3時間27秒55で見事サブ3.5なのです。

いかがでしたでしょうか。あの名監督が勧める走り方。ぜひ、あなたも後半型を取り入れてみませんか?

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