2016年9月6日

「世界中が注目する高地トレーニングのメッカにしたい」岐阜県御嶽が目指す東京オリンピックとは。

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シドニーオリンピック女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんが、アメリカ・コロラド州ボルダーでの高地トレーニングで力を付けて、金メダルを獲得した事は有名な話です。

高橋尚子さんの出身地は岐阜県ですが、その岐阜県の御嶽(おんたけ)にある「飛騨御嶽高原高地トレーニングエリア」が目覚ましい発展を遂げています。
2020年の東京オリンピックを4年後に控え、今、御嶽がアツいのです。

今回は、この「御嶽」の特徴と、東京オリンピックに向けた取り組みについて書いていきます。

高地トレーニングがランナーにとって良い理由

もともと、高地トレーニングと言えば、アメリカ・コロラド州のボルダーやニューメキシコ州のアルバカーキ、アリゾナ州のフラッグスタッフ、中国の昆明、スイスのサンモリッツなど、世界各地で日本のトップ選手達は走り込んできました。

世界記録を度々更新するケニア人選手、エチオピア人選手も高地で生活し、トレーニングに励んでいます。
世界のマラソン界は高地トレーニングを抜きにしては考えられないのです。

そもそも高地トレーニングとは、酸素の薄い高地でトレーニングを行い、赤血球やヘモグロビン、血液量の増加を促し、また、最大酸素摂取量を高める狙いがあります。
酸素が薄い状態で、高地に数週間から数カ月間滞在してトレーニングを積む事によってより良い効果が望めるものです。

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8月の早朝の御嶽・標高1300mのオケジッタ日和田ゾーン

日本の高地トレーニングでは「御嶽」が人気急上昇

日本で高地トレーニングといえばどうでしょうか?
長野県の菅平高原、霧ケ峰高原、山形県の蔵王坊平(ざおうぼうだいら)高原、新潟県の妙高高原などが挙がります。

そんな中で、今のトレンドは間違いなくここ「御嶽」なのです!

御嶽山といえば2014年の噴火により、今でも火口から半径3km以内は立ち入りが制限されています。
しかし、この「飛騨御嶽高原高地トレーニングエリア」は制限の圏外にあり、何の支障もなくトレーニングに打込み、合宿や生活をする事が出来ます。

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標高差を生かしたトレーニングプランを立てられるのが御嶽のメリット

標高1300mほどにある「オケジッタ日和田ゾーン」では、標高1324mに位置し、すぐ隣を流れる幕岩川の天然アイシングも魅力の「日和田ハイランド陸上競技場」や、アップダウンのある約8kmのロードコースの「開拓周回コース」や「池ノ原クロスカントリーコース」が主要コースです。

「チャオ御嶽リゾートゾーン」では「オケジッタ日和田ゾーン」よりも高い標高でのランニングコースが充実しています。

また、高橋尚子さんの名がついた「飛騨御嶽尚子ボルダーロード」や、標高1800mに位置する「ウッドチップコース」など、こちらも非常にバリエーションに恵まれています。
さらに、オケジッタ日和田ゾーンから、チャオ御嶽リゾートゾーンへの「山上り走」は箱根駅伝の5区の山上りを思わせる山上り走の名所でもあります。

このように、御嶽では様々な標高で様々なランニングコースが整備されており、非常に良い環境でトレーニングに臨めます。

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標高1324mに位置する日和田ハイランド陸上競技場

近年、ここ御嶽で集中的に合宿を行い成果を残したチームが数知れません。

・2016年ニューイヤー駅伝を連覇したトヨタ自動車
・2016年箱根駅伝を連覇した青山学院大学
・2011〜15年の全日本大学女子駅伝を5連覇している立命館大学
・2015年全国高校駅伝を男女ともに制した世羅高校
などなど

もちろん、御嶽で合宿をしたチームが短期間で強くなったという事ではありません。
しかし、御嶽での合宿が、各々の意識レベルや競技レベルの向上に寄与していることは事実です。

このように、結果を残しているチームが御嶽で合宿をする理由は明白です。

東京オリンピックに向けた御嶽の取り組みとは?

東京オリンピックに向けて、岐阜県もこの「飛騨御嶽高原高地トレーニングエリア」への海外選手の誘致を積極的に行っています。

日本の高地トレーニング地で、文部科学省指定のナショナルトレーニングセンター拠点施設は「飛騨御嶽高原高地トレーニングエリア」と山形県上山市の「蔵王坊平アスリートヴィレッジ」の2拠点しかありません。
そういった理由からも、御嶽は国内外の選手達の間や各国陸連から良い評価を受けています。

さらに、2020年の東京オリンピックに向けて、アメリカ、イギリス、フランスの3つの陸上競技大国の陸連が、御嶽を合宿地に選びました。
このことは、岐阜県にとっても、スポーツを通じて大きなPRや国際交流の機会であり、また今後この3ヶ国を含めた国内外のトップアスリートが御嶽に集結することが予想されます。

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日和田ハイランド陸上競技場で走るナイキオレゴンプロジェクトの選手達

その布石となったのが、2015年の陸上北京世界選手権の直前合宿で、アメリカのナイキオレゴンプロジェクトが御嶽を合宿地に選んだことです。

・3000mと5000mの日本記録を持ち、北京世界選手権、リオ日本代表の大迫傑選手
・北京世界選手権で5000mと10000mの2冠、ロンドン、リオと2大会連続で5000m、10000mの2冠に輝いた、イギリスのモハメド・ファラー選手
・リオの1500mで優勝し、アメリカ人の選手として108年ぶりに同種目でアメリカに金メダルをもたらしたマシュー・セントロウィッツ選手
・アメリカ選手権では10000mを8連覇し、リオではマラソン銅メダル、10000mで5位入賞したゲーレン・ラップ選手

彼らはまた東京オリンピックに向けて、御嶽で再び合宿を行う事となりそうです。

こういった事から、東京オリンピックに向け、国内外の陸上長距離選手やマラソンランナーにとって、この御嶽が高地トレーニングの“メッカ”となることが期待できます。

飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアの宿泊施設「スポーツインオラ」のゼネラル・マネージャーの柳田(やなだ)さんはこう話します。

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早朝練習に励む柳田さん。仕事前の早朝練が日課

「御嶽を、世界中が注目する高地トレーニングの『メッカ』にしたいです。
現在、多くの実業団が海外で合宿を行いますが、海外に行かずともそれ以上の高地トレーニングがここ御嶽で出来ることを証明できれば、時間・コスト的にも日本でやることに多くのメリットがあります。
その環境は御嶽に揃っていると思いますし、必ず出来ると思っています。
来年には市民ランナー向けのイベントを御嶽で開催します。
世界中がアッと驚くような仕掛けをしていきますので、皆さん楽しみにしていてください!
そして御嶽から、『スポーツインオラ』から東京オリンピック金メダリストを輩出します。」


今まさに、日本が世界に誇る高地トレーニングのメッカとなりつつある、飛騨御嶽高原高地トレーニングエリア。

4年後の東京オリンピックに向けて、今後もここ御嶽から世界に羽ばたくランナーとともに、御嶽エリアの成長から目が離せなくなりそうです。

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