100%の体調はなくて当然?レース前の緊張との向き合い方。サブスリー精神科医が助言【ランニング ×メンタル】

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一段と秋が深まってきましたね。紅葉も満開を迎える季節。ランニングを楽しんでますか?

スポーツ精神科医と名乗ってメンタルの専門家としてアスリートのメンタルケアに取り組んでいる、精神科医師の岡本浩之です。

学生時代は陸上競技、中でも中長距離に取り組んでいました。当時はメンタルのコントロールがうまく出来ず、結果を残すことはできませんでしたが、精神科医になり自分のメンタル強化に向き合い、コントロールする方法を身につけました。その経験を活かして、ランナーの皆さんがメンタルの不調に悩むことなく走ることを楽しめるようにサポートしたいと考え活動しています。

今でもフルマラソン2時間48分で走る精神科医の私が、『メンタル』について連載でお伝えしていきます。

前回は『ランニングがメンタルにもたらすもの』をお伝えしました。

レース前の『緊張』をプラスにする考え方

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レースが近づいてくると緊張してくるランナーは多いと思います。

「思っていた練習が全部できなかったな。スタミナ切れを起こしたらどうしよう」「何となくお腹の調子が悪いな。レースまでに治らなかったらどうしよう」「足が痛いな。レース中に痛くなったらどうしよう」「最近眠りが浅いな。疲れが抜けなくてレース当日は走れないんじゃないか」などなど…

色んな不安がわき起こり、緊張しますよね。私のところにも、「緊張しないようにするにはどうしたら良いですか? 」という質問が多く届きます。

私自身、学生時代には練習で走れてもレース本番では緊張から力を発揮できずかなり困っていました。

中学時代には練習で絶好調を維持し、駅伝で主要区間を任されましたが、肝心の本番では緊張しすぎて腹痛や吐き気が出てタスキを受ける前から戦意を喪失。吐かないようにしなきゃと思うと足がすくみ、練習とは別人の走りをしてチームに迷惑をかけました。

大学時代にも、練習のタイムトライアルでは余力を残しながらも良いタイムを出していたのに、レースでは緊張のためスタートした直後から体が動かず、練習をはるかに下回るタイムを出していました。

緊張しないようにしなきゃ、と思えば思うほど緊張して硬くなっていました。しかし、緊張することはそもそも悪いことなのでしょうか?

100%の準備をして100%の体調でレースに臨めたら何の緊張もないのでしょうが、それは現実的に不可能です。何かしら不安要素があるのが自然なので、その分緊張するのも自然なことです。

元々何事にも緊張せず平常心で臨める方はそのままで良いですが、そうでない方の場合には緊張感がなく緩んでいる状態では、持っている力を発揮できません。緊張してこそ集中することが出来て、良い結果も残せると考えましょう。緊張は必要なものと考え、なくそうとはしないで下さい。

その次に意識して頂きたいことがあります。

レース前の今は、不安要素が次々に頭に浮かんでくる状態だと思います。でもちょっと頑張って考えてみてください。

・レースに向けて、思い通りに出来なかった練習ではなく、思い通りに出来た練習はありませんか?
・お腹の調子が悪いのはつらいですが、では少しでも回復させるために今からでも出来ることはありませんか?
・眠りが浅いのも苦しいですし疲れが抜けにくいのは確かですが、では少しでも疲れを抜くために出来る工夫はありませんか?
・足が痛いのは気になりますが、ではレースまで残り少ない期間で出来るケアはありませんか?

何をやっても100%の状態にはなりませんから緊張はゼロには出来ませんが、100%の状態というのがそもそも一生に1度あるかどうかという確率の低い状態です。

であれば、出来ていること、出来ることに焦点を当てて、それを確実にやっておきましょう。

そして、レース当日、「100%には程遠いかもしれないけど、出来ることを自分で考えて見つけ出して確実に実行したよね。」と思いだして自分に言い聞かせてみましょう。

そうすると緊張はしていても、走りへの悪影響は少なくなりますよ。

   
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