週3回以上70%の強度で30分がメンタルに効く。サブスリー精神科医が助言【ランニング ×メンタル】

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いよいよ、レースシーズンに突入しましたね。ランニングを楽しんでますか?

『スポーツ精神科医』として、メンタルの専門家として、アスリートのメンタルケアに取り組んでいる精神科医師の岡本浩之です。

学生時代は陸上競技、中でも中長距離に取り組んでいました。当時はメンタルのコントロールがうまく出来ず、結果を残すことはできませんでしたが、精神科医になり、自分のメンタル強化に向き合ってコントロールする方法を身につけました。その経験を活かして、ランナーの皆さんがメンタルの不調に悩むことなく走ることを楽しめるようにサポートしたいと考え、活動しています。

フルマラソンを2時間48分で走る精神科医が『メンタル』について、連載でお伝えしていきます。

前回は『やる気を行動につなげる方法』をお伝えしました。

ランニングが『メンタル』にもたらすもの

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ランニングをはじめ、運動が健康に良いというのは、皆さん既にご存知かと思います。ダイエットのために走り出したらよく眠れるようになって、目覚めも良くて、健康診断の結果が良くなって……という変化を実際に体験した方もいるでしょう。また、体の変化だけでなく、モヤモヤしていた頭がすっきりした、沈んでいた気持ちが明るくなった等、心の変化を体験した方もいるでしょうか。

私も普段の治療に運動を取り入れており、精神疾患の患者さん向けに『院内ラン講座』を隔月で開催しています。患者さんと一緒に動きながら、運動の良さを伝えているのです。

ランニングがメンタルにどのように良いかということは、ある程度分かっています。

メンタルは『精神』と表現されるので漠然として分かりにくいですが、実際には脳の神経細胞の働きによって調節されています。ランニングによって脳の神経細胞に栄養が行き渡り、神経細胞の傷を修復したり、新しく神経細胞が作られたりしています。

また、ストレスが多いと、ストレスホルモンが体の中で増えて脳の神経細胞を傷つけますが、ランニングによってストレスホルモンにも対抗できるように脳の神経細胞を強くしたり、ストレスホルモンを消費して減らすことが出来ます。その結果、ランニングによってメンタルが安定したとか、メンタルが回復したと感じられます。

どれくらいの強度のランニングが一番メンタルに良いかという研究もされていて、『70%くらいの強度のランニングを1回30分、週3回以上』あたりが目安になるそうです。

「それなりの強度ってどういうことだろう?」 と疑問に思われるでしょうが、これは心拍数を基準に決められます。心拍数とは1分間に心臓がドクドク動く回数のことです。

70%の強度にするための心拍数(目標心拍数)は、

目標心拍数=(最大心拍数-安静時心拍数)×0.7+安静時心拍数

となります。

そのためには、まず最大心拍数(220-年齢)と安静時心拍数を知る必要があります。安静時心拍数は、心も体も落ち着いた状態で測るようにして下さい。

例えば、40歳で安静時心拍数が60の方の場合、最大心拍数=180です。70%の運動量になる心拍数は、144ですね。

あくまで目安ではありますが、走るペースだけでなく心拍数を目標にランニングの強度を決めることを考えてみると、その時の体調にあった走り方が出来ますね。もちろん、これより強度の低いランニングは意味がないのかというと、そんなことはありません。

ランニング経験が浅く、まだ体力のない方がいきなり70%の強度で……というと、きつすぎてケガをしたり、ランニングが嫌になってしまいそうですよね。軽い運動でも、メンタルにしっかり効果があります。ご自身に合った強度でランニングをしてみてくださいね。

また、もっと強度の高いランニングは、よりメンタルに良いという報告もあります。ランニング経験豊富な方は、さらに強度を上げる日を作っても良いですね。ただし、強度の高い練習をした後は、回復のための休養も大切にして下さい。

ランニングがメンタルに良いこと、どんなランニングがメンタルに良いかのお話でした。

   
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