大会中止でもモチベダウンしない方法 サブスリー精神科医が分析【ランニング ×メンタル】

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『スポーツ精神科医』として、メンタルの専門家として、アスリートのメンタルケアに取り組んでいる精神科医師の岡本浩之です。

学生時代は陸上競技、中でも中長距離に取り組んでいました。当時はメンタルのコントロールがうまく出来ず、結果を残せませんでしたが、精神科医になり、自分のメンタル強化に向き合ってコントロールする方法を身につけました。その経験を活かして、ランナーの皆さんがメンタルの不調に悩むことなく、ランニングを楽しめるようにサポートしたいと活動しています。

フルマラソンを2時間48分で走る精神科医が『メンタル』について、連載でお伝えしています。

前回は、『心が疲れたときこそランニングのススメ』をお伝えしました。

ランニングを楽しく継続するコツ

新型コロナウイルス感染による影響が世界中で騒がれていて、参加予定だったマラソン大会がことごとく中止、延期になっている方が非常に多いです。大会に向けて、目標を立てて練習を積んできたのに、急に中止になってしまったときの喪失感は、とても大きいですよね。あまりにも大きな喪失感で、なかなか気持ちが切り替えられず、しばらくは走りたくない……と思う方も多いでしょう。切り替えて次に向けて走ろうと思っても、新型コロナウイルス感染は終息する気配がなく、マラソン大会が次々に中止、延期になっている現状では、次の大会を目標として設定しにくいですよね。「また中止になるのでは?」と不安になって、走る目的を見つけることがとても難しくなります。

さらに、感染拡大防止のために、練習会が中止になったり、ジムなどの施設も閉館になって、ランニングが出来る環境が徐々になくなってきていることも、ランニングへのモチベーション低下につながっています。「今回の騒動でランニングをやめることにしました」という声も実際に聞きます。

何度か書いた通り、ランニングによって、メンタルに悪影響を与えるストレスホルモンは消費され、脳の神経の栄養となる『BDNF』、意欲や気力につながる『ドーパミン』、メンタルの安定につながる『セロトニン』、認知症予防やひらめきにつながる『アセチルコリン』、快感や集中力をもたらす『エンドルフィン』などが作られます。続けるかどうかは私が押しつけることではないのですが、ランニングを続ける工夫について考えてみました。

大会という具体的な目標がないことによってドーパミンの分泌がされにくくなり、ランニングへの意欲は低下してしまいます。そこで、大会ではなくとも、同じくらい気分が盛り上がる目標を作ってみるのはいかがでしょう。

気分の盛り上がる目標を作ってみよう

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普段の練習コースでも良いですし、違うコースでもOK、事前にご自身でコースと走る距離、日時を決めます。例えば、『令和2年5月1日朝10時スタートで周回5kmの皇居を2周<10km>』というように、具体的に考えてみましょう。『いつも走っている公園の周回約1.2~1.3㎞コースを15周』のように、距離が決まっていないコースでも良いです。日頃の練習ではあまりやらないような距離を設定する方が新鮮で良いでしょう。

それを『目標の大会』と位置づけて、それに向けてどのような練習をするか、当日の目標タイムはどれくらいにするかの計画を立ててみましょう。もちろん、『目標の大会』は練習の一環として走るのではなく、きちんと調整をして臨みます。当日のウエアも出来ればレースで使うようなものにしましょう。そして、目標タイムの達成度合いによって、自分へのご褒美も具体的に決めて下さい。

例えば「49分59秒以内で走ったら、前から気になっていたGPSウォッチを買っていい。50分0秒から50分29秒なら気になっていた練習用シューズを1足買っていい。50分30秒超えたらランニングソックスだけ買っていい」といった感じです。自分がやる気になるご褒美を、なるべく細かく、具体的に決めて下さい。

自分が体調を崩したりしない限りは『目標の大会』は無くならないですし、このように目標を明確にすることで、ドーパミンの分泌が活発になり、ランニングも継続しやすくなります。ただし、『大会』当日どれだけタイムが悪かったり走りきれなかったとしても、自分を責めすぎないで下さいね。目標を見失いがちな中で、自分で目標を作り、それに向けて頑張って当日を迎えたことは素晴らしいことですから。

私は1周約1.1kmのアップダウンの激しい公園周回コースを使うことがあります。1km3分を切れるときでも、1周全力走で3分30秒以上かかってしまうようなキツイコースです。10年前にランニングを再開してから、日時を決めて時々『第○回 公園王決定戦』と題して、1周全力走大会を、1人または子どもと一緒に開催してきました。目標タイムを決めて、練習や調整、ウォーミングアップもしっかり行って走ります。目標を達成する時も、目標を大幅に下回る時もありますが、スタート前の緊張感、終わった後の充実感は大会さながらです。子ども達にそろそろ負けそうなので、主催者権限で時差スタートなどハンデを検討中ですが。

   
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