【ランニング ×メンタル】走る気を保つドーパミンの扱い方。サブスリー精神科医が助言
Oct 28, 2019 / MOTIVATION
Dec 05, 2019 Updated
スポーツ精神科医と名乗ってメンタルの専門家としてアスリートのメンタルケアに取り組んでいる、精神科医師の岡本浩之です。
学生時代は陸上競技、中でも中長距離に取り組んでいました。当時はメンタルのコントロールがうまく出来ず、結果を残すことはできませんでしたが、精神科医になり自分のメンタル強化に向き合い、コントロールする方法を身につけました。その経験を活かして、ランナーの皆さんがメンタルの不調に悩むことなく走ることを楽しめるようにサポートしたいと考え活動しています。
今でもフルマラソン2時間48分で走る精神科医の私が、『メンタル』について連載でお伝えしていきます。
やる気を行動につなげる方法
秋冬シーズンの到来。ようやく今年も走りやすい季節になり、ランニングシーズン到来を感じますね。
でも、「走りたいけど何かきつそうで踏み出せないな……」とか、「走りたいけど、仕事で疲れてそんな気分になれないな……」とか、「忙しくて時間が少ししかなくて……」とか、せっかくやる気になったのにそのやる気をうまく行動につなげられない方もいらっしゃるかと思います。
私も仕事が忙しすぎて時間がなくて予定していた練習が出来ない、疲れてしまい走る気が起きない、ということが多々あります。
せっかくやる気があるのですから、そのモチベーションを大切にし、走ることまでいってほしいところ。
今回のコラムでは、『せっかく出たやる気を行動につなげる方法』をお話しします。
これから走る習慣をつけたい方、もしくはマラソンシーズンで結果を出したい方、どちらにもお聞きしたいのですが、走った結果としてどのような自分になっていたいと考えますか?
例えば、「走った後にご褒美としておいしくアイスを食べたい」「昨日飲み会で飲みすぎたからそのカロリー分を全部消費したい」「○月○日の大会でこの記録を出したい」とか。走った結果どんな自分になっていたいのかをなるべく具体的にイメージしてみましょう。
走った後においしくアイスを食べたい方でしたら、どのアイスを何時にどのような格好で食べているのか?
○月○日の大会で狙った記録を出したい方でしたら、その記録を出した結果どんな気持ちになって、誰にどのような報告をしているのか?
そこまで細かく、自分の姿をイメージしてみるとなお良いですね。
そのように具体的にイメージすることで、脳内では意欲を高めるドーパミンという物質が多く出ます。
ドーパミンが多く出ることでランニングに対して前向きになり、走ることを邪魔する疲れや誘惑に勝って走り出しやすくなります。一旦走り出したら、ドーパミンの働きもあってランニングを楽しく感じて、そのまま走り続けようという気持ちが持続しやすいのです。
しかし、ドーパミンについて詳しい方は、「ドーパミンが出過ぎると良くないんでしょ? 依存症とか犯罪とかに出過ぎるドーパミンが関係するって聞いたことがある」と思って走るのが怖くなるかもしれません。
そこでもう一つ大事な働きをする脳内ホルモンに、セロトニンというものがあります。セロトニンは気分の安定や睡眠に関係する脳内ホルモンで、ドーパミンの量が多くなり過ぎないよう調整する働きがあります。このセロトニンは、ランニングなどの有酸素運動によって脳でより多く作られることが分かっています。
ですから、ランニングをすることによってセロトニンの働きも良くなり、ドーパミンが出過ぎないように調整することが出来ます。
走るには絶好の季節です。走った後の自分を具体的なイメージして、ドーパミンをしっかり出して走りに行きましょう!