「人を動かすのはテクノロジーでなく、人」 Strava社CEOが日本ユーザーとのミートアップで語る
Jun 18, 2019 / EVENT
Jun 19, 2019 Updated
6月8日、東京・代官山でRuntrip via Daikanyama hosted by STRAVAが開催された。今や日本全国で開催され、各地で盛り上がりをみせるRuntrip via。今回はサンフランシスコから来日したStrava社CEOのジェームズ・クォールズ氏も駆けつけ、日本のランナーとのグループランや交流を楽んだ。
Stravaとは?
Stravaは、2009年にマーク・ゲイニー氏とマイケル・ホーヴァス氏によって創業された“アスリートのためのソーシャルネットワーク”。本社をカリフォルニア州サンフランシスコに置き、テクノロジーを活用したアプリケーションを提供。 “21世紀のスポーツブランドになる” というビジョンを持つ。
Stravaアプリでは、GPSデータを使用してランニングやサイクリングなどの運動記録(日時、場所、距離、時間、ペース等)を保存。また、多くのGPSウオッチのデータログも取り込むことができ、自己のデータ分析だけでなく、それらの記録をStravaのソーシャルネットワーク上で共有することによって、仲間との交流を図ることもできる。
現在、Stravaアプリは世界195カ国、計4100万人が利用。ベーシックな無料機能だけでなく、Strava summitという有料機能(心拍数、ペース分析、トレーニングプラン作成等)も人気で、こちらはよりアスリート向けのコンテンツとなっている。
世界各国では、膨大なデータを重宝するサイクリストやトライアスリートが初めにStravaを利用。やがてその波がランナーに波及するという傾向がみられ、日本もその例外ではない。ランニングにおいては、記録を目指すアスリートから獲得標高や山岳ルート等のデータログを重視するトレイルランまで、その利用シーンは様々である。
Stravaアプリで登録されているルートで走ると、ランキングが表示されるなど、アスリートの競争心に火をつける要素も人気の秘密。また、Runtripアプリのようにマイコースの投稿も可能で、StravaのログデータをRuntripのコース投稿の際に利用することもできる。その方法でRuntripのコース投稿をする人も多い。
Strava社CEOがRuntrip viaに参加
この日は、事前エントリーの参加者によるグループランも開催され、Strava社CEOのクォールズ氏らチームStravaの3人を含む17名が、代官山から池尻大橋にある目黒天空庭園まで、往復ルートのグループランを楽しんだ。
グループランの後は、その他のランナーも続々と会場に集結し、乾杯!
この日は、通常使用されるRuntrip viaアプリでランニングログを取るだけでなく、Stravaアプリでもログをとるという試みが行われ、会場では、クォールズ氏からStravaについての説明があった。元々、Stravaユーザーだった人もいれば、今回初めて使うという人もチラホラ。
「今回、初めてStravaを使いました。Facebookみたいに “共通の知り合いかも?” のところに友達が表示されて、そこにアメリカに住んでいた時の友達が出てきました。当時、その人はあまり運動するイメージがなかったんですが、Stravaをやっているんだ!と、興味を持ちました」(マリさん)
「ラン友にビールが飲めると誘われて、初めてRuntrip viaに参加しましたが、楽しかったです。いつもはマラソンに向けて走っていて、ガーミンやナイキのアプリで記録しています。Stravaは初めて使いました。また次回以降のRuntrip viaにも参加してみたいですね」(ユッキーさん)
現在、Stravaユーザーは、世界において30日で100万人のペースで増加しているが、日本ではアスリート以外の層にはまだ馴染みが薄いかもしれない。しかし、日本はマラソン完走者が多く、2015年以降はアメリカを超えて世界1位のマラソン大国となった。今後Stravaの認知度が上がれば、日本人ランナーの潜在的なニーズを引き出せる可能性がある。
「日本は、大きく影響のあるマーケット。その様子を実際に自分の目で見たかったんです」
そう語るクォールズ氏に、詳しく話を聞いた。
– 朝ランか夜ラン、どっちが多い?
「Stravaデータの統計では朝ランが多いですが、朝6時前と夜20時以降のランニングの比率が多いのが日本です。仕事の前か後に運動している人が多いといえます。他の国ではランチの時、お昼前、夕方など、ワークライフのバランスによって走る時間がバラバラです」
– 従業員と一緒に走っている?
「毎週水曜日のランチの時間に、30人前後で1時間ほど走ります。去年、新社屋に移転して、そこにシャワーを導入しました。私はランニングにしろ、社内で何らかのグループアクティビティをしたほうが良いと考えています。Stravaデータではこの3年間で、2人以上で走るグループランが500%増えました。そのトレンドが日本にもあると思っています」
– お気に入りのランコースは?
「サンフランシスコの港沿いのフラットな走りやすい道です。週末には子供が自転車で先導してくれて、ロングランをしています」
– 世界で今まで走って楽しかった場所は?
「水辺で、リラックスできて、ランドマークがあって、観光ができるところ。以前住んでいたロンドンも好きです。今回の来日でも、水辺のある皇居を走りました」
– 今日走らない理由はいくらでもあるが、ランニングを続ける秘訣は?
「テクノロジーが人を動かすのではなく、 “人を動かすのは、人” ということです。つまり、自分が設定した目標を応援してくれる仲間がいるという要素。誰か1人でもいいから仲間を探すことが大切で、どこに住んでいても誰かと繋がっていて、誰かの頑張りを見てそれが自分への活力となる。 “人が人を動かす” ということをデジタル化したのが、Stravaです」
– アプリのサービスで大切にしている点は?
「2つの柱があります。1つめはトレーニングについて。アスリートが設定した目標達成のためのツールを提供することです。2つめがコミュニティについて。誰と走るか、どこで走るか、どのクラブに入るか、ということを見つけやすくして、モチベーションを維持できるように心がけています」
Strava “The Last Mile”キャンペーン
Stravaでは6月30日までの期間限定で、“The Last Mile”キャンペーンを行なっている。
これは、ハーフマラソンかフルマラソンの距離を走って、かつ最後の1マイルを最速で走ろう! というチャレンジ。日本ではハーフで20~21km、フルマラソンで41~42kmの1kmを最速で走ることを目指し、達成者1人につき1,000円が各国の若いアスリートの支援団体に寄付される、というもの。
クォールズ氏はThe Last Mileについて、こう話す。
「ハーフかフルを走る時にはそれぞれのドラマがあって、それまでのトレーニングの “集大成” として最後の1マイル(1km)に全てを注いで欲しいです。これぞStravaらしいキャンペーンといえますが、毎月ユーザーに様々なチャレンジを与えることが、我々にとっての使命です」
この記事を読んでStravaに興味を持った人は、今がチャンス。この“The Last Mile”キャンペーンに参加すると、Stravaの有料機能を30日間無料で利用できる。The Last Mileにチャレンジすれば、ランニングへの探究心やラン仲間が増え、その楽しさをより感じることができるかもしれない。
Strava / The Last Mile(6月30日までの期間限定)
イベントページ:https://thelastmile.strava.com/ja/