“雲の上の走り”を実現した『On』 急成長の背景とビジョンをCOOマーク氏が語る

「日本の消費者はイノベーションやテクノロジーに関心が高い人が多い印象です。だからこそ2017年の東京マラソンのエキスポでは、「クラウドフラッシュ」を世界に先立って発売しました。Onは2010年創業で、その時はほとんど相手にされていなかったのですが、今や世界各地でOnのシューズが履かれているのを目にします。現在、スイスではプレミアムマーケットで1位ですし、日本でも1位になれると思います。(横を見ながら…)“1位を狙う!”ってヒロキには胸を張って言って欲しいですね!」

「(駒田博紀氏、写真右)うん、1位狙うよ!…でも、2015年にOnジャパンを作った時、周囲は懐疑的でしたね。”大して売上もないのに会社を作るのか?”と。でも、自分は成功できると思っていました。なぜなら、まだ数は少なくても、Onを履いて喜んでいるファンの顔が見えていましたから」

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マウラー氏は日本のOnチームとも良好な関係を築けているという

多くの企業が、その成長の過程で困難に直面するが、マウラー氏は困難な局面を“チャレンジング”と表現する。

「Onをここまで大きく成長させる過程でチャレンジングだったことは、“どうやって良いチームを作るか、良い人を見つけるか”でした。そして、もう1つはリソースの活用方法です。創業時はリソースの使い方をスマートに考える必要がありました」

日本においてのOnの展開も同じように、限られたリソースでやっていくしか術がなかったという。しかし、駒田氏率いるOnジャパンの地道な活動の末、”#OnFriends”と呼ばれるOnユーザー同士の密接なコミュニティの形成に成功し、今や50カ国以上でOnのコミュニティは広がりをみせている。Onが得意とするデザインとテクノロジーの活用についても伺うと、このような答えが返ってきた。

「Onはデザインとテクノロジーとコミュニティの“3つのコンビネーション”を持っています。まずはデザインで興味を持ってもらい、テクノロジーでその良さを感じてもらいます。そして、Onの製品を身につけてくれた人々がOnの目指すものを一緒に感じ取ってくれた結果、良いコミュニティがそこに生まれていると思います」

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今後のOnの目標について伺うと、マウラー氏は笑顔でこのように話した。

「より多くの人に、ランニングを楽しんでもらいたいですね。これからも、楽しく走りたいと思っている全てのランナーに、Onを届けるということが目標になります。より多くの人にOnの楽しさを伝えるために、良い製品を作るのはもちろんですが、これからはトレイルランニングや、アクティブライフ(旅やウォーキングなど)を取り入れたい人たちにアプローチしていきたいですね」

OnはRuntripとともに8月11日に横浜でRuntrip via YOKOHAMA!supported by Onも開催。Onの活動領域は新たなステージに入りつつある。Onのデザイン、テクノロジー、そしてコミュニティ。今後もOnの世界観に共感するファンが世界中で増えていくだろう。

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マーク・マウラー
Onの最高執行責任者(COO)であり、フルマラソンをサブスリーで走るテストランナーでもある。Onグローバルのサプライチェーンやカスタマーサービスなどを担当。トップアスリートの視点を持ち、トレイルランをこよなく愛するアイアンマン。

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