運動生理学でみる「早朝・空腹トレーニング」のメリットとは

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9月に入り、過ごしやすい日が増えてきました。夏の暑さから何も食べられなかったという人も、気温が低くなって、食への関心が高まっているところではないでしょうか。

夏よりも食の選択肢が増える秋。つい食べ過ぎてしまうことも。嬉しい悩みの一方、ランナーの皆さんにとっては、ちょうど冬のレースに向けて、体重コントロールを始める頃でもあると思うので、もどかしいですね。

今回は、ランナーにとっての食について、考えてみたいと思います。ランナーにとって食事は非常に重要なもの。トレーニングの一つとして高いモチベーションを持って挑みたいもの。

まず、食前と食後では、どのタイミングでトレーニングをすると良いのでしょう。子供の頃から、運動は食べ終えてから2時間後にすべきと教わった方も多いと思います。

確かにこれは正しいようで、書籍『ランニングする前に読む本』の著者・田中宏暁さんは、同書の中で、「食後は、消化吸収のために内臓に多くの血液を分配しなければなりません。最大酸素摂取量の40%程度の軽運動までは内臓血流量は保たれていますが、その強度を超すと、内臓への血流量が減少していきます。したがって、強い運動は厳禁です」と説明しています。

会社のお昼やすみに、食事をしてから走っている皆さんは、注意が必要のようですね。また、夜、家に帰って食事を済ませてから走るという夜型のランナーにとっても、これは気にしておきたいところ。夜にトレーニングをするならば、食後に十分な時間をとってから出かける方が良さそうです。そういう意味では食後よりも、食前の方がランニングに向いていると言えるでしょう。ランニング後はたんぱく質・炭水化物・ビタミン等を摂取しましょう。

さて、走るのに適した時間として、田中さんは「早朝・空腹」のタイミングをおすすめしています。朝、いつもの時間よりも早くに起きて、かつ、空腹のまま走るというのは、なかなかハードルが高そうですが、一流ランナーにとっては、このトレーニング方法はそう変わったものではありません。

早朝・空腹でのトレーニングには、運動生理学の視点で大きなメリットがあると田中さんはアドバイスしてくれます。

「まず、血糖値が高くなるとインスリンが分泌され、糖の利用が促進されますが、このインスリンには脂肪の分解を抑制する作用があります。早朝空腹時はインスリンが低濃度であり、脂肪の分解が促進されている状態です。さらに空腹時の運動は、脂肪分解を促進するアドレナリンの分泌量が増すことが知られています。つまり、早朝の空腹時にランニングをすれば、より選択的に脂肪をエネルギー源として利用でき、脂肪の燃焼能力の向上効果が期待できます」(同書より)

早朝・空腹でのランニングは、運動生理学的に良さそうですね。もちろん、この状態で走るためには前日からの準備が必要。美味しいものをアテにして深酒なんてしていては、早朝・空腹で走ることができません。こういった中長期的な計画で継続的にトレーニングを行うことで、身体の調子が上がっていくのでしょう。

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ついつい美味しいものになびいてしまいがちな季節ではありますが、それは、マラソンのゴール後の乾杯を想像して、どちらが幸せなのか天秤にかけてみてください。一度、あのゴール後の幸福を知っている方なら、答えは自ずと出てくるものかと思います。

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