高校陸上部じゃないのに1500m走で3分台!! 30歳・フットサル日本代表選手のランニングの捉え方

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日本フットサルリーグ(Fリーグ)「バルドラール浦安」に所属する星翔太選手。高校までサッカーに明け暮れた彼は、大学でフットサルに出会い、日本代表のキャプテンを務めるまでになりました。

今年で32歳。一般的には体力的な衰えを感じる年齢ですが、30歳を超えてなお、活躍できる秘訣とは……。サッカー部時代のトレーニングや、「走る」ことの意味についてお話しいただきました。

走りまくったサッカー部時代。1500mは3分台で走破

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日本フットサルリーグ(以下Fリーグ)はプロリーグではないため(※プロ化しているチーム、プロ選手もいる)、選手は各々の活動で収入を得る必要があります。今回取材に応じてくれた星翔太選手(バルドラール浦安)もそう。平日は株式会社エードットにインターンとして週2回勤務し、それ以外はトレーニングや21時からのチーム練習(週4回)に時間を充てているそうです。

「現在は週に2回会社に来て、残りはトレーニング、チームの練習、個別に受ける取材などの対応に充てています。チーム練習は浦安市のホームグラウンドで行われるので、東京から移動して、夜遅くまで練習した後に帰宅です。大変に思われるかもしれないですが、僕はもう慣れてしまいましたね(笑)」

日本代表歴8年というフットサル界を代表する星選手ですが、元々は中学時代に全国優勝も経験したことのある生粋のサッカー少年。日本を代表するフットサル選手はなぜ〝フットボール〟に目覚めたのか。きっかけは開幕したばかりのJリーグでした。

「Jリーグができた時にテレビで観てたりして、『日本代表かっこいいな』と思ったのが最初のきっかけだったと思います。幼稚園の年長くらいから地元のクラブで始めて、高校までずっとサッカーをやってきました」

そして東京・暁星中では全国優勝も経験。部員数50人を超える強豪校の中ではレギュラーをつかめませんでしたが、どこのポジションもこなせる〝器用貧乏〟として「準レギュラー」で活躍。そして暁星高校に進学すると、持ち前の〝走力〟に磨きがかかります。同校はラントレーニングを重視し、陸上部もびっくりするほどの練習を行っていたそうです。

「高校でもセンターバック、ボランチ、サイドバックと、人がいなく困ったポジションをやっていました。身長が伸びて、身体も強くなって、めちゃくちゃ走れるようになったんです。トレーニングで400mダッシュをやるんですけど、暁星のグラウンドは狭いので、1周133mのトラックを3周。これを1分で回ってこないといけないんです。それを練習前に5本やって、練習後にも3~5本やる。だんだん慣れてくると、最初から10本やるようになっていきました。それだけ走ると試合では全く疲れなくなりましたし、1500mでいうとギリギリ3分台では走っていましたね」

スペインで得たプロ意識「結果を出さなければプロじゃない」

「高校陸上部じゃないのに1500m走で3分台!! 30歳・フットサル日本代表選手のランニングの捉え方」の画像現在も「バルドラール浦安」でプレーする星選手。その前にはスペインやカタールなど海外プレー経験もある【写真提供=ご本人】

高校卒業後は早稲田大学に進学した星選手。入学後は様々な競技を経験しながら、最終的には先輩に誘われたフットサルを選びました。

「高校の監督が早稲田出身というのもあり、周りからは「サッカー部に入るだろう」と言われたのですが、いまいち自分の中でフィットしなかったんです。他人に敷かれたレールを歩いているみたいで、『自分の道は自分で決めたいんだ!』と思ったんですよね。でもこれといってやりたいことがあったわけではない。サークルをいろいろ探していく中で格闘技とかテニスとかに触れたんですけど、しっくりこなかったんです。そんな時に高校の先輩がフットサルをやっていて、誘われて行ってみたらこれが楽しくて(笑)。そこからどんどんハマっていきましたね」

その後は持ち前のセンスを発揮し、弱冠20歳で代表合宿に選出。2009年から2016年まで日本代表に選出され続けました(※今年8月、代表候補合宿に再招集)。2010年からは結婚したばかりの奥さんを日本に残し、単身でスペインの「UDグアダラハラFS (UD Guadalajara FS)」「FSマルフィル・サンタ・コロマ (FS Marfil Santa Coloma)」で2シーズンプレー。そこで「結果がすべて」のプロ意識を学んだそうです。

「本当は妻も一緒に行く予定だったんですけど、おなかに子どもがいたので……。スペインでは基本的に助っ人外国人という扱いで、わかりやすく言うと日本にいるブラジル人選手などと一緒です。彼らは〝助っ人〟なので、高いお金をもらって結果を出す。出せなければ次の年に切られる。そういうのと同じ感覚ですね。

最初は『経験を積みに行く』くらいの気持ちしかなかったんですけど、それは甘かったなというのを帰国した時に思いましたね。というのも、向こうにいる間は必死にやっていたし、こいつらよりもできているという自信もあったんです。でもそれは僕の中での勝手な評価であって、周りは僕に対して何を求めているかを気付けてなかったんです。チームやお客さんは僕に“ゴール”を求めているし、僕に勝負を担当するところを求めている。それがいつの間にか、チームの中で〝うまくやること〟が目的になっていたんです。『スペイン人よりできて当たり前』『スペイン人より結果を残すことが君の仕事だよ』と。それに気づかせてくれたのは、大きな経験となりました」

その後はカタールのクラブ(アル・ラーヤンSC)へ移籍し、そして古巣のバルドラール浦安へ戻ってきた星選手。貴重な海外クラブでのプレーを経て、チーム、そして日本代表に欠かせない絶対的な存在へと昇り詰めました。

ランニング=「自分を整える」

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「30歳」という年齢はアスリートが肉体的な衰えを感じる頃です。おそらく多くの市民ランナーの方にも当てはまることでしょう。星選手は30歳を超えてなお、いまだトップ選手として活躍していますが、その秘訣に迫りました。

「僕の場合は昨年に大きなケガをしてしまったので、周りが自分に『100』を期待したとしても、そこはあえて目指さないようにしています。というのも、

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松永貴允が執筆した記事

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