“神”がいない今年の青学大、それでもチームを支える「エース的人材」の存在

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いよいよ目前にせまってきた箱根駅伝。今回の注目はなんといっても青山学院大学。3連覇と大学駅伝3冠の懸かる大一番を迎えます。

今年の青学大は、一色恭志(4年)を中心に圧倒的な選手層をみせつけ、出雲・全日本を制しました。しかし、「今年の青山に“神”はいません」と原監督が断言しており、“山の神”と呼ばれた神野大地(コニカミノルタ)といった“絶対的な存在”が今年の青学大にはいません。

5区走者の候補となる茂木亮太(4年)、貞永隆佑(3年)、梶谷瑠哉(2年)らがどこまで食い込めるかが、この区間のポイントとなるでしょう。

そんな“絶対的な存在”がいない今年の青学大。それでも、出雲・全日本を制することができたのは、原監督ならではの指導が行き届いているから。そんな原監督の考え方や狙いが、書籍『人を育て組織を鍛え成功を呼び込む勝利への哲学』から理解することができます。

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高い能力をもち、とんでもないスピードで走れる選手は、目に見えて実力がわかり頼もしいものですが、それだけでは“原監督の考えるエース”にはなれません。エースとは、「他選手の力を引き出す存在」であることが同書で紹介されています。

つまりは、自分のパフォーマンスも100%発揮しつつ、周囲への影響力をもち、チーム内での自分の役割も全うするという、組織の中で効果的な動きができる存在がエースなのです。

「どれだけタイムが速くても、どれだけ順位を上げようとも、ただ走るのが速いだけの選手は要らない」(同書より)

かつては、「走るのが速い選手」を集めると、チームは強くなると考えられていました。しかし、その選手がケガで不在となってしまっては、一気にチームは崩れてしまいます。それでは強いチームにはなれません。

「1番になれる素質がある選手とは、実力が高いこともさることながら、組織の中で自分の役割を見渡せることにある。そうすれば、周囲の信頼も得られ、組織となじみながら前へ進める人物となる」(同書より)

今年の青学大には確かに“神”はいないかもしれません、しかし、この原監督の求める「エース的人材」になりうる存在は、この分厚い選手層の中に複数いるのではないでしょうか。

駅伝チームでの活躍だけでなく、社会人になっても組織の中でパフォーマンスを発揮できるよう指導する原監督。今年度のチームがどのような集大成をむかえるのか、今から楽しみですね。

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