波乱万丈のランナー、青学大主将の安藤悠哉選手が担う箱根3連覇のための役割とは?

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いよいよ目前にせまった第93回箱根駅伝。29日には出場21チームの区間エントリー選手が発表されました。注目は3連覇を目指す青山学院大学。エースの一色は予定通り2区を担当。これで3年連続で「花の2区」を走ることに。そして、山登りの5区には貞永を起用。また、東京マラソンで日本人2位に入った下田はレース当日に変更可能な補欠でエントリーされています。

同じ補欠のエントリーにいるのが、安藤悠哉。昨年「3代目・山の神」の神野大地から継承した今年度のキャプテンです。このキャプテンのキャリアは、なかなか山あり谷あり。2015年の優勝時は、アンカーとしてゴールテープを切ったものの、16年は登録メンバーから落選することに。

そんな安藤は、昨年末に開催された学内記録会1万メートルで29分7秒の好タイムを出し、再度、存在感を出すことに成功。チームメートの推薦と原監督の承認を経てキャプテンをつとめていました。今年は、補欠メンバーとして箱根を迎えます。

ここで、昨年は絶対エースであった神野がキャプテンだったこともあり、今年のキャプテンは一色ではないのか……という疑問が浮かんできます。

そのこたえが、原監督と博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平さん対談型書籍『力を引き出す』で確認することができます。

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同書から原監督がキャプテンに何を求めているのかを見ていきましょう。

「キャプテンとエースというのはもともと適性が違うもの」というのが原監督の考え方。神野のように「キャプテン=エース」で一致する場合もありますが、今年の一色は違います。

「自分自身がチームをまとめるという存在ではなくて、自己の記録を向上させることでチームをサポートしていきたいということを自ら伝えてキャプテンにはならなかった」と、一色の場合は自身の強い考えがあり、キャプテンにはなりませんでした。

そこで安藤です。今年の出雲駅伝で5区を走った安藤は、首位を奪回する力走を見せ、6区アンカーの一色に襷を繫いで優勝を呼び込んだ実力者。現在の発表では補欠扱いですが、当日のメンバー入れ替えもあるため、箱根で有終の美をかざる可能性もあります。

原監督は青学大の雰囲気は、キャプテンを中心とした4年生が作り出すものと考えています。そもそも、青学大には統一したチームカラーがあるのですが、その年その年で、微妙にカラーが違います。「今年は安藤がキャプテンだった代の成績と言われる年」、だから、頑張れと安藤に発破をかけるそうです。

「一番たいへんな時に、チームの空気を変えられるかどうかが、キャプテンの役割であり、彼をサポートする4年生の役割です」(同書より)

順風満帆に見える今年の青学大ですが、これまで幾度も難しいシーンがあったことでしょう。また、何よりも箱根3連覇で史上4校目の「大学駅伝3冠」を狙うということは、どのキャプテンも感じたことがないプレッシャーがあります。そんな中で安藤はどのような姿勢で箱根駅伝に挑むのでしょうか。

エース・一色らに注目がいきがちななか、この安藤という選手の活躍にも期待をしたいところです。

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