【アディダス】“50mm超厚底シューズ”ADIZERO PRIME X 2 STRUNGはどんなシーンで使える?規格外シューズの全貌を徹底解説

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多くの厚底シューズの厚みは40mm以内であるなか、足を通すだけで身長がおよそ5cmも高くなるスーパーシューズ『ADIZERO PRIME X 2 STRUNG』。反発性やクッション性も規格外なシューズを、今回もRuntripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんが徹底解説します。

藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わり20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。

制約を取っ払った規格外の超厚底シューズ

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(左から)ラントリップ・大森、シューズアドバイザー・藤原岳久さん

大森:今回ご紹介するのはミッドソール部分の厚さが50mmもあるシューズ『ADIZERO PRIME X 2 STRUNG』です。

藤原:ミッドソール部分に50mmと書かれているとおり、まさしく規格外のシューズです。

大森:どのような点が規格外なのですか?

藤原:世界陸連の公認ロードレースで記録が認められるレーシングシューズは、ミッドソールが40mm以内、シューズに内蔵するカーボンプレート1枚相当までという規定があります。そんな制約を取っ払ってシューズデザイナーの豊かな発想などを活用して生まれたのがこのシューズです。

大森:あえて世界陸連のルールを無視して考えたシューズなのですね。

藤原:反発弾性の高い素材『Lightstrike Pro』を全面に使っている超厚底シューズです。しかもカーボン系のプレートを2枚も搭載しており、プレートの間にあるLightstrike Proの硬度も調整されています。2枚のプレートで弾力のあるLightstrike Proを挟みながら、ポンポンと押せる構造になっています。

足の負担を減らすことのできる一足

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藤原:前作ADIZERO PRIME Xは足の骨状に沿った5本のカーボンバーと1枚のプレートが内蔵された構造だったので、とくにミッドソール部分は大きくアップデートされました。またアッパー部分は『STRUNG(ストラング)アッパー』が採用されています。

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藤原:PRIME Xは登場当時、ADIOS PRO 2と同じ柔らかいアッパーを採用(その後STRUNGアッパーを採用したADIZERO PRIME X STRUNGが登場)しており、アッパーの硬度の影響や50mmという厚さから、個人的には安定感に少し物足りなさを感じていました。そんななか今作には、STRUNGアッパーが採用され、アッパーの剛性が高く作られています。しかも前作より前足部分がかなり広くなっているので、安定感も高められています。

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(左から)PRIME X/ PRIME X STRUNG/ PRIME X 2 STRUNG

大森:前足部だけでなく中側部も広くなっているように感じます。

藤原:300g(メンズ27.0cm片足)という重量がネックではありますが、それを上回るほどのスペックをもっているシューズです。

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藤原:ただ注意してほしいのは、このシューズは万人に合うシューズではないということです。このシューズは「こんなシューズあったらいいな」というデザイナーの思いが込められた、夢のようなシューズです。ドラえもんの4次元ポケットから出てきたかのような……。たとえば足の負担を減らしながら長めの距離走をしたいときにはおすすめだと思います。

大森:他のレース向けシューズと比べ、重量があるシューズだからですね。

藤原:また、ちゃんと踏み込むと思っている以上にスピードが出るため、フルマラソンでサブ4以上の記録を出すためにハーフマラソンで腕試ししようとしている人にもおすすめです。またクッション性や安定性が高いことから、体格の大きな人でも走行時に胴体が安定するでしょう。

大森:Lightstrike Proが50mmも入ってることから、すごい推進力なんだろうと思っていました。しかし私も実際に履いてみて300gという重量も考慮すると5kmのタイムトライアルといった短い距離よりも、ハーフマラソンやフルマラソンといった長い距離を走るときに履く方が向いていると感じました。

藤原:前作PRIME Xはアッパーが他のシューズよりも大きめにつくられていましたが、今作はSTRUNGアッパーが搭載されていることもあり通常通りのサイズ感で大丈夫だと思います。PRIME Xをお持ちの方は、同じサイズで購入する際は気を付けた方がいいかもしれません。

トレーニングにも、レースにもおすすめ

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藤原:今作は反発性もさることながら安定感も高いので、しっかりと前足部で踏み込めば足の返りをサポートしてくれるので楽に走ることができます。

大森:地面を蹴ろうとするというより、シューズの重みなどに合わせていくことを意識すると楽に走れますよね。

藤原:シューズを足と地面で押し込むように走ると大きな反発を生むことができるので、アディダスのエリートランナー向けモデル『ADIZERO ADIOS PRO 3』や他ブランドの厚底レーシングシューズを履くための練習にもおすすめです。

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ADIZERO ADIOS PRO 3
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ADIZERO SL

藤原:また、重心移動の滑らかさなどに優れたデイリートレーナー『ADIZERO SL』シリーズと比べ重量は近しいですが、このシューズはポンポンと進めるシューズです。どちらをレースで使うかではなく、どちらもトレーニングで使うシューズとして考えてみるのも面白いと思います。

大森:ADIZERO ADIOS PROシリーズは速く走るためのシューズ、ADIZERO PRIME X 2 STRUNGは楽に走るためや足の負担を減らすためのシューズとして使えるということですね。

藤原:スピードの緩急をつけて走る『ファルトレク』といったトレーニングにもおすすめです。またフルマラソンを走り終えて疲れているときでも、反発もクッションも申し分ないこのシューズを履くと、足への負担を減らしながらスピードが出ているなと感じることができますね。私はトレーニング以外にも、フルマラソンでも使ってみようかなとも思っています。

トレーニングにもレースにもおすすめなADIZERO PRIME X 2 STRUNG。藤原さんのレビューを参考に購入を検討してみてはいかがでしょうか。

詳細情報

アディダス|ADIZERO PRIME X 2 STRUNG

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出典:shop.adidas.jp

価格:¥39,600(税込)

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超厚底50mmの“規格外”レーシングシューズ

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藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)

FS☆RUNNINGオフィシャルサイト

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