【アディダス】アディゼロシリーズ徹底比較!トレーニングからマラソン本番まで支える5モデルの使い分けを解説
Sep 18, 2023 / SHOES
Sep 19, 2023 Updated
世界のトップランナーの足元を支えるレーシングモデルから、幅広いランナー層におすすめのデイリートレーナーモデルまで、豊富なラインナップを揃えるアディダス『アディゼロ』 シリーズ。それぞれの性能の違いやご自身に合ったシューズを知りたいランナーも多いのではないでしょうか。
こちらの記事では元プロランナーの下門美春さんを迎えて、ラントリップ代表・大森、スポーツMC・岡田拓海さんとともに、アディゼロシリーズの5モデルを徹底解説。各モデルを着用して走り、走行性能について『パワーメーター』で計測。そこから導かれた6角形のレーダーチャートとともに、各モデルの特徴やおすすめシーンを紹介します。
アディゼロシリーズをレーダーチャートで解説!
大森:今回はこのメンバーで『アディゼロ』シリーズの徹底比較をしていきたいと思います!アディゼロシリーズはたくさんのモデルが展開されていて、それぞれ違いはあることは分かっているけど、何がどう違うか、どう履き分けたらいいか気になりますよね。
岡田:「自分にはが何が合ってるんだろう」とモデルごとの違いについて分からない方も多そうです。
大森:今回はアディゼロシリーズ5足を用意しましたので、パワーメーターで計測したデータを基にレーダーチャートにして解説をしていきます。そのデータに加えて、元プロランナーの下門さんが走ってみたフィーリングも伺っていきたいと思います。
下門:よろしくお願いします!
大森:今回レビューしていくモデルは『アディゼロ アディオス プロ 3』、『アディゼロ ボストン 12』、『アディゼロ ジャパン 8』、『アディゼロ タクミ セン 9』、そして『アディゼロ SL』でした。実際に走ってみていかがでしたか。
岡田:それぞれ違いはしっかり感じましたね。
大森:では早速、レーダーチャートを出しながら1足ずつ解説していきましょう。
1.アディゼロ SL
大森:1足目はアディゼロ SLです。レーダーチャートでは安定性とフィット性が非常に高いですね。反発性、軽量性はやや低めですが、ジョグ用のデイリートレーナーですから反発性よりもしっかり安定性が高いことが求められますね。
岡田:まさにそんな感じですね。私はジョグや日々のトレーニングで使いたいシューズだと思いますし、1km6~7分で走るランナーはレースでも使えるシューズだと思います。
下門:非常に足を守ってくれるサポート性の高いシューズですよね。万人受けというか、多くのランナーに使ってもらいたいと思います。
大森:このシューズが合わないランナーはいないんじゃないかな。
岡田:みんなが使いやすいと思いますよ。
大森:あらゆるランニングシーンのベースになる一足ですね!
2.アディゼロ ジャパン 8
大森:アディゼロ ジャパン 8はトレーニングで使うという方が多いと思いますが、チャートではフィット性が高く、トレーニング要素としては反発性が高すぎない。バランスの良いシューズという感じになっています。
下門:私はめちゃくちゃスピードを出すというより、距離走などで足の返しを意識するときに使いたいですね。自分の脚で走っている感覚を意識したいときに合いそう。
岡田:このシューズはなんといっても接地感。トレーニングで自分自身の力と向き合えるシューズだと思います。
大森:このシューズはカーボンやグラスファイバーのプレートも入っていませんし、まさに自分の力を高めていくシューズ。走っているときには反発性も強く感じましたが、パワーメーターのチャートではそこまで高くはなく、自分の足で蹴る動きに反発を感じていたと気づきました。
岡田:さすが元箱根駅伝ランナーの感覚!
大森:小回りが利くというか、操縦感がある点はトレーニングにいいと思います。
3.アディゼロ ボストン 12
大森:続いては、アディゼロ ボストン 12です。
岡田:レーダーチャートの面積が大きいですね。
大森:圧倒的に安定性の高さが売りですが、クッション性も非常に高くて推進性もある。安定感を持って走らせてくれるシューズという感じですよね。
下門:この後出てきますが、アディオス プロ 3に慣れるためにおすすめのシューズです。
大森:答えが出ちゃいましたね(笑)それはボストン 12を履くことで慣れるのは、ランニングフォームですか。
下門:自力で走る感覚のジャパン 8は走らせてくれる助力の部分が少し劣りますけれど、ボストン 12はフォームや腰高の位置を保てるので、そのままアディオス プロ 3にシフトしやすくなります。
岡田:レーシングシューズを本番で使う前に、このシューズでフォーム作りをするという感じでしょうか。
大森:このシューズは助力もありますから、それを乗りこなせすのも大事ですよね。助力感をコントロールするためのトレーニングとして良さそうです。
岡田:個人的にこのシューズは“全部乗せ”と感じています。レーシングシューズで使えるくらいパフォーマンスを発揮できるシューズだと。「ボストン 12ってこんな機能性高いんだ」と改めて思いましたね。
大森:チャートでいうと確かに軽量性がやや欠ける部分ですけど、その分機能が詰まっていることを表しています。
岡田:履いてみると、実際はそこまで重さを感じませんよね。
大森:人によっては、これがレースシューズになるというランナーも多そうですね。
4.アディゼロ タクミ セン 9
大森:4つ目はアディゼロ タクミ セン 9です。こちらは圧倒的に軽くて、足が回る感じがします。あとはフィット性も高いですね。
岡田:レーシングな仕様のフィット感ですけど、ピタッとくる感じがあって私は好みです。
下門:元々頻繁に履いていたんですけど、カーボンシューズは接地に対してレスポンスが遅いと感じることが時々あったんです。それがこのシューズは自分が持って行きたいところに足が戻ってくる感覚があって、レースでも使えて、練習で足の感覚を養う上でも良いシューズだと思います。
岡田:ジャパン 8と同じような軽さや薄さを持ちながら、反発感をしっかりと得られるのがこのシューズの魅力ですよね。
大森:軽くて反発があるので、とても速く走れている感じありますよね。
岡田:短い距離でスピード感を出すときに使いたいですね。
5.アディゼロ アディオス プロ 3
大森:最後はアディゼロ アディオス プロ 3です。これもレーダーチャートの面積が広くなっています。
岡田:まあ、そうなりますよね(笑)
大森:軽さ、クッション性、反発、推進力、どれも高いですね。本来、クッション性と反発性は相反すると思うんですけど、それを両立できている、まさにスーパーシューズです。
岡田:履いた瞬間から、「これはスピードが出るぞ」と確信しますよね。
大森:もしかしたら自分の感覚で走っているタクミ セン 9のほうが好きというランナーもいるかもしれません。短い距離ではタクミ セン 9の方が最大出力が大きくなると思う一方、アディオス プロ 3は進んでいく感覚があり「走らせていただきます!」とシューズに挨拶したくなるほど恩恵を受けられます。
岡田:下門さんだったら、このレーシングシューズ2足をどう使い分けますか。
下門:回転数だったり、自分で走っている感覚だったりの観点からすると、5000mからハーフマラソンまではタクミ セン 9でガツガツ攻めてくイメージ。フルマラソンでは30kmまで脚を残しつつ、ラスト12kmで勝負という状態に持って行ってくれるのはアディオス プロ 3だと感じます。
岡田:そこがこのクッション性の違いかもしれませんね。
大森:脚を回していくならタクミ セン 9、終盤まで残していくならアディオス プロ 3といったところでしょうか。
5モデルの履き分け例を紹介!
大森:5つのモデルを見てきましたが、これを踏まえた上でどう選んでらいいかをおさらいしていきましょう。まずはアディゼロ SLを軸に、マラソンや長い距離を視野に入れるのであればアディオス プロ 3をレースで使うというラインが1つ。
もう1つはアディゼロ SLを軸にしながら、ジャパン 8とタクミ セン 9で足の回転を高めて自力で走っていくパターン。こちらは短い距離をメインで走りたいランナーにおすすめですね。
岡田:もちろんランナーによってはSLとボストン 12だけでも十分な気がします。フルマラソンで3時間までなら、このペアでいけますよね。
大森:これらのシューズの使い分けについては、アディダスからも見やすいチャート表が公開されています。それぞれのシューズの機能や、レベルに応じたおすすめが分かりやすくなっているのでぜひチェックしてみてください。
数値化されたデータと、経験豊富な3人による解説は参考になった方もきっと多いはず。これからの迎えるマラソンシーズン本番に向けて、自分に合ったアディゼロシリーズを見つけてみてはいかがでしょうか。
詳細情報
1.アディゼロ SL
・価格|¥14,300(税込)
メンズ商品ページ
ウィメンズ商品ページ
2.アディゼロ ジャパン 8
・価格|¥16,500(税込)
メンズ商品ページ
ウィメンズ商品ページ
3.アディゼロ ボストン 12
・価格|¥18,700(税込)
メンズ商品ページ
ウィメンズ商品ページ
4.アディゼロ タクミ セン 9
・価格|¥22,000(税込)
商品ページ※ユニセックス
5.アディゼロ アディオス プロ 3
・価格|¥26,400(税込)
商品ページ※ユニセックス
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下門美春さん
元プロランナー。フルマラソン2時間27分54秒。愛媛・函館マラソン大会記録保持者。現在はランニング指導やゲストランナーを中心に活動。