目の前のランナーを「つい追い越したくなる症候群」の方が学ぶべき考え方

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本当はマイペースで走りたいのに、つい目の前のランナーを追い越したくなる……。追い抜かされたランナーが気になって、ついムキになってしまう……。

マラソンは1kmを○分○秒と、自身のペースを設定し、そのように走ることが大切なのに、他人のペースで走ってしまうことがありますよね。もちろん、目先のライバルを見つけることで、モチベーションの維持や向上となる場合もありますが、大抵はリズムを崩してしまいます。

筆者も他人にペースを乱されがちで、まだまだ自己鍛錬が足りていないと思うことが多々あります。これはもはやランニング時だけでなく、日頃からの性格も影響しているのではと考えてしまいます。もう少し大人な考え方ができれば、焦ることもないのに……。

そんな時に出会ったのが、書籍『スイス人が教えてくれた「がらくた」ではなく「ヴィンテージ」になれる生き方』。こちらは日本人と似た性格を持つスイス人が、日本人よりもずっと豊かな生活をしていることを紹介する一冊。

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スイスには真面目で几帳面、忍耐強いといった人が多く、また、恥ずかしがり屋といった側面もあるようです。確かに日本人と性格が似ています。その一方で、一人あたりの国民総生産は世界2位で、20位の日本よりもお金持ち(2015年)。そして、勤務時間は驚く程短く、夕方5時に切り上げては帰宅し、家族と一緒にゆっくり過ごす方が多いのです。

また、長期休暇は年に5回もあると同書で紹介されています。時間の感覚はかなりゆっくりしており、豊かな暮らしをしていることがうかがえますね。

こういった暮らしのなか、スイス人は他人と自分を比較することなく、「自分らしく生きる」ことに長けているのです。著者の多根幹雄さんは、実際にスイスに住んだことで、この国はゆったりしていることを実感。現地ではマイペースで過ごすことができ、同じ24時間でも、日本の方が短く感じるようです。

確かに我々の日常は、スピードを意識するシーンが多いですよね。出社する時の乗り換えや、会議までの資料作り、会食に間に合うように仕事を終え、終電に乗るために会食を切り上げる。似ているはずのスイス人とはまったく違った生活をおくっていますよね。

「スイスでは『こうしなければいけない』という脅迫観念のようなものがまったくない」

多根さんはスイスと日本の違いを、こう表現しています。

「日本だと成功している人、優れている人と比較して、自分は劣っているから頑張らないといけないと思う、実際にはあまり頑張っていなくても、無意識のうちにプレッシャーになっている」(同書より)

徹底してマイペースで暮らし、他人と比較することのないスイス人は、「他人と違うのが当然」といった考え方があります。誰かと比較し出したら、いちいち優劣にとらわれてしまいます。ある人がいなくなったら、次のある人、また、その次のある人と比較の連鎖が始まってしまうのです。

これはまるでマラソンのレース中のよう。大勢で走るレースで他人にとらわれてしまったら……その結末は想像の通りです。自分のペースでゴールを目指せるランナーも大勢いるかと思いますが、私生活からスイス人のような生き方ができれば、「豊かな毎日」を過ごすことができるでしょう。

大切なのは、「他人と違うのが当然」といった考え方。他人のペースにとらわれてしまっては、レースも日常生活でも良い結果となりません。是非、あなたらしいペースでこのスポーツを楽しんでみませんか。

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