5〜10km向けレーシングシューズ3選!厚底レーシングシューズとの違いは?

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(左から)「ADIZERO TAKUMI SEN 8」、「ズームX ストリークフライ」、「FuelCell Super Comp Pacer」

2021年から2022年にかけて各ブランドから登場した5〜10km向けレーシングシューズ。従来のレーシングフラットを彷彿とさせるソールでありながら、クッション性や反発性を兼ね備えています。

本記事では、このカテゴリーのシューズ3モデルをシューズアドバイザー・藤原岳久さんが比較。藤原さんはブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わって20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出した、走るシューズアドバイザーです。

5〜10km向けレーシングシューズの特徴

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(左から)「ADIZERO TAKUMI SEN 8」、「ズームX ストリークフライ」、「FuelCell Super Comp Pacer」

大森:今回紹介するのは、アディダス『ADIZERO TAKUMI SEN 8』、ナイキ『ズームX ストリークフライ』、ニューバランス『FuelCell Super Comp Pacer』の3モデル。藤原さんにはそれぞれの特徴、違いについて解説していただきます。

藤原:この3足のコンセプトにはとてもワクワクするんです。厚底レーシングシューズが登場したのは、エリウド・キプチョゲ選手がマラソン2時間切りに挑戦した2017年。それ以来、数多くのシューズが出てきて、情報に追いつけない方も多いはずです。

厚底シューズによって変化したのは、これまで10の力で走っていたのが、8の力で走れるようになったこと。市民ランナーも実力を発揮しやすくなりました。一方で、接地感が必要なシーンではレーシングフラット。いわゆる、薄底シューズの方が合っています。接地感が必要な時はどんなシーンでしょうか。

大森:短い距離を走る時ですね。

藤原:そうですね、速いスピードを出す時には接地感が必要です。そうした場面で使用していただきたいのが、この3足。基本的には5〜10kmというシーンが合っています。3足とも厚底シューズの良さを取り入れながら、接地感を出したモデルです。薄底シューズが好きで、厚底シューズに馴染めない方は履いてみるといいでしょう。

大森:レース以外には、どのようなシーンが合いますか。

藤原:少し負荷の高いインターバルが合うのではないでしょうか。ピッチ走法で走るランナーにとっては、回転数を上げられるシューズなので、マラソンでも使える可能性があります。

おすすめレーシングシューズ3選

1. ナイキ|ズームX ストリークフライ

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藤原:まずは、『ズームX ストリークフライ』の特徴について。ストリークフライは『ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 2』と比較して、ミッドソールに厚みがありません。そのため、シューズによる推進力はヴェイパーフライの方が強いですね。

大森:シューズによる助力はヴェイパーフライの方があるということですね。

藤原:はい。ベケレ選手もストリークフライを履いていました。『ヴェイパーフライ』のクッション性を残しつつ、接地感がある不思議なシューズです。

大森:ヴェイパーフライの特徴を受け継ぎながら、短い距離でスピードを出せるのは良いですね。

2. アディダス|ADIZERO TAKUMI SEN 8

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藤原:『TAKUMI SEN 8』はクッション性が際立っています。ミッドソール素材『LIGHTSTRIKE PRO』はこの3足の中で最もクッション性が高いです。このシューズは少し厚底シューズ寄りですね。

大森:たしかに、ミッドソールもこの3足の中では厚いシューズですよね。

藤原:薄底シューズと表現していいか分かりませんが、接地時にパワーを伝えやすい特徴があります。今シーズンはTAKUMI SEN 8と『ADIZERO JAPAN 7』の2足はTAKUMI SEN 8はレース用、JAPAN 7がトレーニング用という組み合わせがおすすめ。そういった形でうまく活用できるといいですね。

3. ニューバランス|FuelCell Super Comp Pacer

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藤原:このシューズは低出力で走れるのが特徴です。カーボンプレートによる反発力がとても高く、厚底レーシングシューズと同じような履き心地です。

大森:『進む』ということでしょうか。それとも『回る』感覚でしょうか。

藤原:どちらかといえば、『進む』です。ストライドが伸びていくんですよね。跳ねるように走れて、厚底シューズと同じ感覚があります。一方で、ソールが薄くミッドソール素材自体のバウンドが弱いので、短い距離でも快適に走れるように作られています。

大森:跳ねるような履き心地でありながら、回転数を上げられるように作られているんですね。

藤原:そうですね。

各ブランドから展開されている5〜10km向けレーシングシューズ。藤原さんのレビューを参考に、これからのレースシーズンに向けて足を通してみてはいかがでしょうか。

詳細情報

ナイキ|ズームX ストリークフライ

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出典: nike.com

価格20,350(税込)

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反発力と接地感を両方持たせたの短い距離に最適のシューズ

アディダス|ADIZERO TAKUMI SEN 8

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出典: adidas.jp

価格20,900(税込)

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足の回転数を高めることでスピードを出せるレーシングシューズ

ニューバランス|FuelCell Super Comp Pacer

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出典: newbalance.jp

価格:¥19,800(税込)

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爆発的な推進力を生むスピード重視のレーシングシューズ
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藤原 岳久さん
F・Shokai 【藤原商会】代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)
藤原商会オフィシャルサイト

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