箱根駅伝でV目指す東海大学、レース中の情報戦を制すのはLINEグループ?

情報戦でもある箱根駅伝。各チームはどのようにチームの現状を知り、共有し、戦略をたてているのだろうか。TVの視聴者だと各区間でTOPとの差が映し出されてその差を知ることができる。だが、3位で走っているチームは2位と4位という前後の差は本部が発表しないので、自分たちで知る必要があるのだ。

箱根裏側座談会に参加した元青山学院大のマネジャー渡邊孝乃さんは、「私は沿道で前の走者との差を段ボールに書いて、選手に見せていました。選手は前や後ろとの差が気になるので重要な役割で、2年の時は2区に行きました(出岐選手が区間賞を獲得)」と語るなど、実際に沿道で教えるようなこともあるようだ。

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また、他にも各チームが知恵をしぼっている。その一例を紹介しているのが書籍『箱根0区を駆ける者たち』。東海大が実際に行った2018年度の配置が興味深い。

東海大でも各区間の定点ポイントに人配置させて状況を確認し周知する。しかし、定点ポイント以外にも配置を行うようだ。彼らがみるべきポイントは複数あって忙しい。前後のチームのタイム差のほか、風の強さや方向、また、道の凍結状況などもレースを左右する重要な情報になるため入念な確認が必要となる。そういった情報をLINEにのせて共有するというのだ。同書では東海大においてLINEはなくてはならないツールであると紹介されており、4つのグループで成り立っていることが明かされている。

「ライン1……スタッフ(監督、コーチ、学生スタッフ、〈駅伝主務、学生コーチ、女子マネージャー〉)だけのライン。

ライン2……学生だけのライン。

この2つは、年間を通して使われている。ライン3、4は箱根駅伝用に作られた。

ライン3……全選手、付き添い、計測員、給水員、応援系+ライン1のメンバー。

ライン4……1〜10区区間ライン。付き添い、次区間の付き添い、監督、コーチ、沿道に立つ学生、望星寮の本部3名。これは1〜10区まである。例えば1区間のラインは、1区間を走る選手の付き添い、2区走者の付き添い、監督、コーチ、沿道に立つ学生、望星寮の本部3名という構成だ。スタート前にラインの着信音が鳴ると集中できないため区間走者は入れていない」(同書より)

箱根駅伝では主にライン3が使われるよう。選手のパフォーマンスがレースを左右することは間違いないが、こういった情報戦も欠かせないのが箱根駅伝。多くのスタッフが一丸となって「1分、いや1秒でも早くゴールを!」と取り組む姿に胸が熱くなるのだろう。

沿道に配置されてLINEを送る気持ちになってみた。どのような表現をすれば、グループ内の皆に正確に伝わるのか、きっと何度も頭の中で文字列を並べて反芻したことだろう。送信するその手が震えたとしても仕方がない。箱根駅伝はスタッフ含め全てのメンバーでゴールするもの。今年も多くのチームの襷がつながることを願っている。

   
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