世界的に子供たちが運動不足!ランニングが脳に与える好影響を考える

世界保健機関(WHO)の発表によると、世界の青少年の運動習慣が不足していることが判明しました。

今回、初めての調査を行なったところ、WHO推奨の「1日1時間以上の運動」を行なっていない対象者は81%に。特に女子の運動不足が顕著でした。推奨の運動時間を満たしていた割合を男女別で比較すると、男子が22%で女子が15%。アフガニスタン、サモア、トンガ、ザンビア以外の国は、すべて男子よりも女子の運動時間が下回りました(2001年〜16年、146か国11~17歳の青少年約160万人を対象。散歩や遊び、自転車、団体スポーツといった活動を運動の定義に含める)。

スマホ、パソコン、ゲームが身近になる生活様式が変わったことも影響したのか、世界的に青少年の運動習慣が低下しているという結果となりました。ランニングを愛する皆さんにとっては、信じられない結果かもしれませんが、世界的に見ると治安の問題もあり、そう自由に運動ということも難しい側面もあるのかもしれません。

しかし、一方でアメリカのとある学区では、運動に関する画期的な取り組みを行なっています。

「世界的に子供たちが運動不足!ランニングが脳に与える好影響を考える」の画像

アメリカのとある州で導入された0時間体育

アメリカ・イリノイ州のとある学区で導入されたのが0時間体育。これは1時間目の授業の前に体育をするという取り組みです。この0時間体育、運動不足の解消だけでなく、ある効果を発揮したことで話題となりました。

例えば、このような感じ。

ネーパーヴィル・セントラル高校では、朝7時に生徒・先生がグラウンドに集合。この日の0時間体育はランニング。私たちが思い出すランニングだと800m走や1500m走でしょうか。ここではタイムを競うような走り方はしません。

各々自分のペースで走り出します。早い人もいれば遅い人もいる。この時、どの生徒も皆、心拍計を装着しており、心拍数を確認しながら走り続けます。意識すべきは、平均心拍数を185以上にあげることだけ。

「近年の研究によって、運動が生物学的変化を引き起こし、脳のニューロンを結びつけることがわかったからだ。脳が学習するには、そうした結びつきが作られなければならない。逆に言えば、脳はそのように新しい結びつきを作れるからこそ、変化に対応できるのだ。神経科学者がこのプロセスについて探究するうちに、運動がなによりの刺激となって、脳は学習の準備をし、意欲をもち、その能力を高めることがわかってきた。とくに有酸素運動は『適応』に劇的な効果を及ぼす」(書籍『脳を鍛えるには運動しかない』より)

同校が運動を取り入れる理由に、脳への影響があるのです。この0時間体育を受講した生徒とそうでない生徒では、リテラシー力(読み書き)と理解力のテストにおいて、普通の体育のみの参加だと成績が10.7%向上し、0時間体育を取り入れた生徒は17%も向上したのです。また、世界約23万人が参加するTIMSS(国際数学・理科教育動向調査)で同校の生徒が、数学で世界6位、理科では世界1位という成績をおさめました。

「脳は学習の準備をし、意欲をもち、その能力を高めることがわかってきた」と同書にあるように、運動が脳に与える好影響も。

だからこそ、お子さんはじめ、多くの子供たちに運動を行なってもらいたいものですね。寒くなる季節はランナーにとってシーズンインですが、一般的な子供たちにとってはよりインドアになりやすい季節。運動の楽しみを感じて、元気よく外に飛び出していってほしいものですね。

   
上沼祐樹が書いた新着記事
RUNTRIP STORE MORE
RANKING
「COLUMN」の新着記事

CATEGORY