レース参加時の「嫁ブロック」をどう回避?心理学でクリアする方法も

東京マラソンに大阪マラソン、京都マラソン、福岡マラソンとこの冬を代表するようなレースが次々と開催されます。走り慣れた地元のレースも楽しいものですが、ここはひとつ遠出をして観光も堪能してしまおうと考えるランナーも少なくないのでは。

2019年の東京マラソンの出走者数は35803人。そのうち東京都在住の方は約10,000人と発表されているので、約25,000人もの方々が地域をまたいでやってきたということになります(海外からの参加者約7500人を含む)。

さて、そんな大きなイベントとなる地方でのマラソン。家族やパートナーに参加の許しを得るために苦労することがあります。嫁ブロックは転職時に既婚男性が反対にあう時に使われますが、こと遠征するマラソンにおいては、女性が男性に反対されるケースもあります。同じ趣味で一緒に参加するならまだしも、一人だけで行くとなった時には……。そんな時のために、心に留めておきたい方法があります。

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『ドア・イン・ザ・フェース』という方法をご存知でしょうか。これはビジネスの世界でもよく使われる方法で、どうしても通したい要求がある際に、まずはそれよりも過大な要求を提示。断られたら、その後に最初のそれよりも小さな要求(これが通したい要求)を出すという方法です。

なぜ、これが有効かというと、人間は借りをつくってしまうと居心地がわるくなり、何かを返さなければと思いがち(返報性の心理)で、後者の要求に応えてしまうことが多いのです。これ、人間の心理を利用した交渉テクニックの1つ。例えば、東京マラソンと大阪マラソンのどちらか1つにしか参加しない、東京マラソンを3泊4日で参加するところを1泊2日にするといったようなもの。頼まれた側は実際に借りをつくったわけではないのですが、相手が条件を大きくさげたことで、返報性の心理が働くのです。

書籍『人に頼む技術』でもこのように解説されています。

「私たちは、“誰かに頼み事をされたとき、親切で協力的であるべきだ”という考えを持っています。そのため、二度続けて断ることに耐えがたいほどの抵抗や罪悪感を覚え、その結果として『イエス』と答えやすくなるのです」(書籍『人に頼む技術』)より

また、同書では逆の方法である『フット・イン・ザ・ドア』というテクニックも紹介されています。

これは、まず相手が受け入れやすい要求を提示。相手がイエスと答えたら、今度はもっと過大な要求を行うものです。認知的不調和という用語がありまして、人間は一度承諾した相手からの依頼を断りにくいという心理が働くのです。

『ドア・イン・ザ・フェース』と『フット・イン・ザ・ドア』、どちらを使うかはあなた次第。1年間の勝負レースになると思いますので、ぜひ、その参加を勝ち取りたいところですね。ただし、本来ならば正面からパートナーに交渉して快諾してもらえるくらい、理解されていることの方が大切。皆さんのランニングライフが充実することを願っております。

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