先行販売で即完売!ホカ オネオネ『カーボンX』の魅力
Jun 10, 2019 / SHOES
May 29, 2020 Updated
みなさん、こんにちは。シューズアドバイザー藤原です。
さて、ナイキが『ズームヴェイパーフライ4%』という、ランニングシューズ史に残る『厚底+カーボンプレートブーム』を作りましたが、それから2年経って、いよいよ“シューズカーボン戦争”の様相を呈しています。今後、カーボンプレート入りレーシングを各社が投入してくるでしょう。今回ご紹介するホカオネオネの『カーボンX』は、その話題のシューズです。
5月4日にカルフォルニア・フォルサムにて行われた『プロジェクトカーボンX』では、世界中のウルトラランナーが集められ、100Kのワールドレコードにチャレンジしました。まさに『breaking2』のウルトラ版です。
プロジェクト名の通り、その全員の足元が『カーボンX』でした。当日は気温が予想以上に上がり、100Kではその目的は達成されませんでしたが、ジム・ウォームズレーが、1984年から破られていない50マイルの世界最高記録を達成し、『カーボンX』を履いて期待に応えました。
このような大掛かりなレース仕立ての商品発表イベントで、シューズを履いた選手が“成果=記録”を求められ、それを達成する。それもマラソンのナイキ、breaking2と差別化し、ウルトラのホカオネオネといった力技でイベントを見事に成功させたわけです。5月15日の日本でのオンライン先行発売では秒殺の完売でしたが、頷けますよね。
諸々の類似性から、多くの方が『ナイキヴェイパーフライ4%』のような機能性を期待するかもしれません。 同じなのは、カーボンプレートという反発・弾性のある素材がミッドソール内にサンドされて使用されているということ。違うところは、ホカオネオネのそれは、『ナイキヴェイパーフライ4%』のスプーン型のカーボンプレートのように反発を高めるのが目的ではなく、その素材の高強度である特徴をいかして、前に揺れるロッキング機能、”メタロッカー”機能を高める目的で使われています。
よりアウトソールに近い場所に配置されたカーボンプレートが、硬く屈曲させない構造を保って、半強制的に前方に揺らし、接地時間を圧倒的に短くする。そんな仕組みになっています。ロングディスタンスのレース、ウルトラやフルマラソンで、推進力を高める結果、タイムを速くさせるものだと言えますね。
しかし、これは突拍子もない新しいものではなく、ホカ オネオネのクリフトンやボンダイのような体を揺らして、エネルギーロスをなくし、効率をあげるシューズと根本は同じです。
ただ、アッパーが、とてもミニマルなエンジニアードメッシュで構成され、ヒールカップがなく、レースシューズそのものがとても軽量化しています。
フィット感にクセがないですが、サイズはやや大きめに感じます。実測を測って、その0.5cm上から試してみることをおすすめします。
通常のホカオネオネのラインナップより、より強力な重心移動を促し、アッパーが軽量化されています。5Kや10Kでの短いレースでは、接地感を高めて、ピッチをあげる構造が必要だと思うので、『カーボンロケット』や『トレーサー』が良いです。『カーボンX』は、まさにかゆいところに手がとどくような、ディスタンスレース用スペシャルシューズです。
実は、『プロジェクトカーボンX』の100Kで、6時間19分台の好記録で優勝したのは日本の山内選手。普段は薄底を履く彼もこのシューズには好感を持ったようです。これを機に、距離に関係なく薄底を好む日本のランナー、ウルトラランナーにも、このようなシューズの認知が広がることを期待したいです。
多くのランナーにとって、マラソンのペースは少し余裕があるはずです。単純に目標達成するには、ピッチをあげるための頑張りをサポートする機能(薄底)よりは、ペースを維持する動作サポート(トレーニングシューズ寄りのもの)機能が重要なわけです。
距離が長く、レースペースの中でも遅めペースであれば、接地感よりロッカー機能をうまく使って、接地時間を短くする省エネ感が必要なはずです。完走が目的の方なら、なおさらです。
ウルトラランナーのレース用、またマラソン勝負レース用に。『ヴェイパーフライ4%』のサイズ感、幅が合わなかったというランナーでも、きっとこちらはいけますよ! わたしはマラソンのペース走で使っています。ミッドフットで着地して、踵が触れるぐらいのイメージで着地しているのですが、動画で確認してみると踵を着いているように見えない、そんなクイックなトランジション(重心移動)が起きていました。
6月1日から発売中。ぜひチェックしてみてください。
ホカ オネオネ カーボンX
・価格: 24,000円(税抜)
・ドロップ: 32mm- 27mm(27.ocm) 5mm
・アッパー: 軽量性と通気性を両立した「シングルレイヤーエンジニアードメッシュアッパー」
・ミッドソール: カーボンファイバープレートとメタロッカー構造のコンビネーションが強力な推進力を作る
(写真 Eliana)