勝負レース前に「エナジージェル活用」を再確認!管理栄養士ランナーがアドバイス

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マラソンで利用するサプリメントの中で、多くのランナーが利用するのがゼリー飲料、いわゆる『エナジージェル』。最近はたくさんの種類が販売されていて、購入する際に「どれにしようかな 」と迷ってしまうこともあるのでは。実は、どれだけ良い製品でも、効果を引き出せるかは“摂り方次第”なのです。

エナジージェルを活用する際、事前に押さえておきたいポイント

最適なジェルとは
オススメの“摂り方” とは

レースで利用するエナジージェルの多くは、エネルギー補給を目的としたもの。上記のポイントを理想の状態に近づけることで、レース後半のエネルギー切れによる、ペースダウンの防止にもつながります。 そんな秘密兵器にもなり得るエナジージェルのオススメの摂り方をご紹介していきます。

最適なジェルとは

なるべく“薄め” のものを

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スポーツショップなどでは多くの種類のエナジージェルがありますが、選ぶときのポイントは濃度が『薄め』のもの。1つで同じカロリーが摂れる場合、基本的には大きいサイズのものほど、濃度が薄くなっています。

胃や腸では、濃度が薄いものほど消化吸収の時間が短くて済みます。濃度が濃いジェルを取ると、胃腸内で消化に時間がかってしまい、“消化渋滞” が起こりやすくなります。これが腹痛を引き起こす原因ともなりえます。それを避けるために、薄めのエナジージェルでスムーズな消化吸収を促すことがオススメです。

オススメの“摂り方” とは

ジェルは水分補給のあとに

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先ほどもお伝えしたように、胃腸内での消化吸収は濃度が低い方がスムーズに進んでくれます。水分よりも濃度の濃いジェルを先に取ってしまうと、胃から小腸へのジェルの移動が先に制限される場合もあります。そこに水が流れ込むと、この場合でも“消化渋滞” が発生することが考えられます。

消化の早い水分補給を先に済ませておくことで“消化渋滞” の予防にもなり、効率のよい水分・エネルギー補給ができるようになります。

目安は『60分』

レースで最も気をつけたいのは、急激な『ペースダウン』。

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その要因としては

・エネルギー(グリコーゲン)量の低下
・ミネラル不足
・筋力(トレーニング)不足
・オーバーペース
・低体温

などが考えられます。エナジージェルはこの中でも、エネルギー量の低下をカバーしてくれます。その効果を実感する目安となるのが、継続して走る時間が『60分以上』、距離だと『ハーフマラソン以上』と言われています。ヒトが炭水化物を吸収できる最大量は1時間当たり50g~90gとされていて、この40gの幅を見てもかなり個人差があることが分かりますが、走ることや緊張による吸収能力の低下など、実際にはさらに低い値を推移することもあります。エナジージェルは1つ当たり200kcal前後(炭水化物量では30g前後)に設計されるものが多いので、1時間~1時間半ごとに1つ取ることでスムーズに消化吸収されます。一方、走る時間が60分以下であれば、身体に蓄積されているエネルギーと給水のスポーツドリンクで十分に補えます。

ちびちびと取る

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また、ジェルの“摂り方” も工夫してみましょう。一度に飲み切るのではなく、“ちびちび” と少しずつ摂るのがオススメです。そうすることで、胃腸内の“消化渋滞” が抑えられます。ちなみに、エナジージェルの飲み口は『切り取りタイプ』ではなく、『キャップタイプ』を選ぶと“ちびちび” と走りながらの補給がしやすいです。

今回はフルマラソンを想定したエナジージェルの摂り方についてお伝えしてきました。

エナジージェルなどのサプリメントの摂り方は、長い距離になるほど重要になってきます。走るスピード・強度、消化吸収の強さ、持ち運びできる量などを考慮して考える必要があります。ぶっつけ本番で慌てないように、ぜひトレーニングで色々なジェルを試してみて、自分に合ったものを見つけましょう。

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