ランナーでもある茂木健一郎氏・堀江貴文氏がアドバイザーに!! 日本陸連【JAAF RunLink】の狙い
Nov 21, 2018 / COLUMN
Nov 21, 2018 Updated
実は、茂木氏も堀江氏もランナーだ。会見当日も10km走ってきたという茂木氏は、来年の東京マラソンにもエントリー済み。堀江氏も東京マラソン経験者で、トライアスロンや、アドベンチャーレースなどにも挑戦している。各方面で活躍している両氏の、市民ランナー目線のコメントは、とても興味深かった。
脳科学者として、脳とランニングの関係に言及していたのが茂木氏。「走ることは認知症の予防になる。定期的に運動している人は、認知症の確率も下がるエビデンスがある」と言う。また「走っている間にストレスが解消され、閃きや発想が生まれる。忙しいビジネスパーソンにこそ、ランニングはお勧め」とも。
一方、「これから80年、100年人生になる中、足腰を鍛えるランニングは、寝たきりにならないための重要な予防方法」と、茂木氏に近い意見の堀江氏は「ランニングは敷居が高いと思われている。まず、そのイメージを変えないと」と言葉に力を込める。
「個人的には嫌なのが、フェイスブックに、初めてマラソンに参戦しました。残念ながら、サブ4達成できませんでした、とあげている人が多いこと。そういう、運動神経いい系のランナーが、ランナーなら、サブ4を達成しなければならない、と思わせる風潮を作っている」
確かに…ランナーに取材すると、まず自己ベストを聞いてしまう筆者も、その風潮に肩入れしている一人かもしれない。サブ3やサブ4のランナーは、リスペクトすべき存在ではあるが、市民ランナーにとって、タイムは全てではない。本来、走る目的は、みんな違ってそれでいいのだ。
堀江氏は「僕がトライアスロンをやっているのは、練習後に仲間と食事をするのが楽しみなのと、仕事以外のつながりができるから。会社や家庭以外の場所に、居場所や生きがいがあるのはとてもいいことで、その1つの手段としてランがあってもいいのでは。ランの形は(ただタイムを追い求めるのではなく)もっといろんな形があっていいし、今までになかった形があってもいい」と話す。
早野チーフオフィサーからは、両アドバイザーに、ランニング人口を増やすためには?という質問も。両氏はアドバイザーとして「会社や職場などの場で、隙間時間を使って、定期的にランをできるようなイベントや、シチュエーションを例示してはどうか」(堀江氏)、「ネット情報よりも、実は身近な人からのお誘いが決め手になる」(茂木氏)と、答えていた。
「エリート競技者の育成機関で、これまでは我々のような市民ランナーを相手にしてくれなかった日本陸連が、「JAAF RunLink」を作ったのは大きい。裾野が広くなければ、頂きも上にはいかない。エリートから草の根まで、つながっていくことが大事では。一方で、プロの指導も大切で、陸連出身のエリートたちが、我々のような市民ランナーを教える仕組みを作ってもらえば」と茂木氏。
具体的なアクションはこれからのようだが、私たち市民ランナーに目を向けた『JAAF RunLink』の今後に注目したい。