ランナーでもある茂木健一郎氏・堀江貴文氏がアドバイザーに!! 日本陸連【JAAF RunLink】の狙い

早野チーフオフィサーによると、「JAAF RunLink」の活動は大きく2つある。1つは市民マラソン大会の統括、支援。現在、全国に2000以上あると言われている市民マラソン大会のうち、JAAFの公認はわずかその1割程度。今後は加盟を募り、統一の運営基準で、安心・安全な大会作りを進めていく。例えば、大会ごとに結んでいた保険を「JAAF RunLink」が統括することで、安心安全、社会性を提供し、大規模な大会と同じ水準の補償内容を確保できるという。

市民ランナーに話を聞くと、やはり「陸連公認」の大会はテンションが上がるそうだ。「陸連公認」の大会が増えれば、ランナーのモチベーションも高まり、大会そのものの価値も上がるだろう。「JAAF RunLink」では、安心安全に加え、出場者がまた参加したくなるような、より大会を楽しめるプランも模索していくという。

もう1つは、市民ランナーのデータを一元化した「JAAF RunLinkプラットフォーム」の構築・活用だ。これによってランニングのマーケットを活性化していく。

2040年までに、ランニングの競技人口を2000万人に増やすことを目標に掲げる早野チーフオフィサーは、「そのためにはビジネスとの関わりが不可欠」とも。ランニングの楽しみ方は、ビール、音楽、ファッションなど、人それぞれだが、その先には、ビジネスが存在する。多種多様な市民ランナーのニーズをキャッチしながら、ランニングと連動するマーケットを掘り下げていくつもりだ。このあたりは、ビジネスマンのランナーなら、合点がいくのではないだろうか。『JAAF RunLink』は、スポーツ庁と経済産業省が後援し、経団連が協力している。

来賓挨拶ではスポーツ庁の鈴木大地長官が登壇した。鈴木長官は「まさに我々の向かっていく方向と同じ。スポーツ庁では、生活の中にスポーツを取り込む『Sport in Life』を提唱している。今回のプロジェクトは画期的な取り組みで、スポーツの原点。楽しみながら走る人を、日本中に溢れるぐらい、取り組みを広げてほしい」と激励の言葉を送ると、「陸上競技連盟ではなく、陸上連盟という名称でもいいのでは。競技をする人もいれば、楽しむ人もいてもいいので。水泳連盟も昔は、日本水上競技連盟だった」と続けた。鈴木長官は、映画を見る、本を読む、そういう流れの中でスポーツができれば…と考えている。

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来賓として挨拶したスポーツ庁の鈴木大地長官官

市民ランナー目線から意見を述べた茂木氏と堀江氏の両アドバイザー

新プロジェクトのアドバイザーに就任したのが、脳科学者の茂木健一郎氏と実業家の堀江貴文氏。両氏は、この日行われた、早野チーフオフィサーとのトークセッションに参加し、それぞれの視点からランニングについて語った。

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