【10月27日放送】日本で最も過酷な山岳レース「トランスジャパン アルプスレース」

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日本で最も過酷とも言われる山岳レース「トランスジャパン アルプスレース」

日本で最も過酷な山岳レースとも言われる「トランスジャパン アルプスレース(TJAR)」。2012年にNHKスペシャルで放送され、広く知られることとなりました。

標高0mの富山湾をスタートして、そのまま北、中央、南アルプスを縦走し、駿河湾へゴールする同レース。道中には、北アルプス(剱岳-薬師岳-槍ヶ岳山荘-上高地)や中央アルプス (木曽駒ケ岳-空木岳)、そして、南アルプス(仙丈ヶ岳-塩見岳-赤石岳-聖岳)と日本を代表する山々があり、それらを越えて、静岡県静岡市・大浜海岸を目指すのです。距離約415km。山道を終えても、まだフルマラソン2回分の距離が待ち構える。

累積標高差は約27,000m。これは富士山登山の7回分に相当します。参加者はこのコースを192時間(8日間)で走りきる必要があるのです。

持ち物は地図やコンパス、雨具、ツェルト(簡易テント)。そして、道中に補給する食料と水を自身で持たなければなりません。レース中に差し入れを受けることはできず、選手らは、山小屋で出る食事と街に降りてから購入する食べ物のみ。

幻聴幻覚の中、ゴールを目指す選手は少なくありません。2002年に開催された第1回大会は5名の猛者が参加したものの、ゴールできたのは1名のみ。その後、2年に1回のペースでレースが開催されています。

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「トランスジャパン アルプスレース」に愛された男・望月将悟さん

そんな過酷レースで4連覇を達成したのが、望月将悟さん。2010年に初めて同レースに参加すると、5日と5時間22分という信じられないスピードで優勝。大会の新しいスターとして注目されました。4連覇を狙った2016年大会には4日23時間52分と、ついに5日切りを達成。

どんな山男かと思いきや、とても表情は柔らかく、気さくでいて謙虚な人。そんなギャップがまた、ファンの心をつかみ、応援したくなるのです。普段は消防局勤務で消防士と山岳救助隊員を兼務しています。

書籍『山岳王望月将悟』では、そんな山男の強い部分と優しい部分のエピソードが多く紹介された1冊。妻・千登勢さんのコメントは、さらに望月さんの奥行きを感じさせるものです。

「TJARは、本人は出るたびに『今回が最後』と言っています。1回目に出たあとすぐは、『もう出ない』と言いながら、次の大会にも出ていました。毎回、終わってすぐは『次は出ない』と言うけど、大会が近づいてくると『どうしようかな……』と絶対に言い出すんです(笑)。3回目は『また出るの!?』と。だんだん、こちらも学習してきましたね」(同書より)

そんな望月さんは、5度目となった今回のレースで、大きな勝負に出ます。

ゴールまでに必要な食料全てをザックに担ぎ、途中の山小屋やコンビニでエネルギーを補給しないことを決めたのです。距離約415km、累積標高差約27,000m分の食料……。きっかけとなったのは、ある登山家の一声。アルパインクライミングをする人たちは全ての食料を自分で背負う。つまり、自己完結させているのです。当然、背負うザックの重さは増え、望月さんの体に与える影響は大きくなる。

そして、迎えた今年のTJAR。

望月さんは「160時間07分」もの間、自己完結の時間を過ごしました。結果は第7位。そして、引退宣言……。そこには「やり尽くした」という1人の男の姿がありました。

「トランスジャパン アルプスレース」がBSプレミアムで放送

2018年の「トランスジャパン アルプスレース」は、10月27日(土)午後7時 〜BSプレミアムでの放送が決まっています。

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