奇をてらわないニューバランス、『FUEL CELL IMPULSE』はスピードランナー用
Nov 09, 2018 / SHOES
Apr 26, 2019 Updated
みなさん、こんにちは。シューズアドバイザー 藤原です。
さて、今回はニューバランスの『FUEL CELL IMPULSE(フューエルセルインパルス )』のご紹介です。
HANZOだ! 三村仁司氏だ! という話題に隠れて、日本市場では全くクローズアップされていませんが、インターナショナル企画のイノベイティブな商品が気になる” 天邪鬼 ”な藤原です。
『FUEL CELL構造』とは、前足部に窒素注入させたTPUフォーム(ポリウレタンの一種)のこと。ニューバランスのラインナップの中で最も反発があるシューズという触書きのソールです。『FUEL CELL』直訳すると(=燃料電池)気になりますね……。
ソール全体は、『REV lite foam』で構成されていて、ミニマムウエイトを実現しています。これはEVAと高発泡(ホットケーキのようにフワッと)させた素材というイメージの方が伝わりやすいですかね。
前作より『FUEL CELL構造』を必要な場所にだけ限定的に使用して、軽量感を保つスタイルに変更されました。はっきり言って、前作は手にとるとズシッと重さがありました……。それが今回アップデートされ、比べ物にならないくらい軽くなりました。
速く足が出る構造上のトリックはもう一つあって、足の跳ね上げ部分(トゥスプリング)がかなりアグレッシブに上がっていることです。足を踏み込むと『カックン』っと落ちるぐらい跳ね上げ角度が付いています。オーソドックスですが、足抜けを良くする工夫としては一番効果的です。
またドロップ(シューズの傾斜)は6mmと、速く走っている状態など、体が自然に重心移動をしている状態を想定した緩やかな傾斜になっていて、全ての構造が相まって、テンポアップ(スピードを出したい)のシーンにハマるレーシングシューズ になっています。
足入れをしてみると、ニットアッパー、ブーツ構造のシューズ業界の潮流をおさえた構造になっていて、足あたりがとても良いです。靴下みたいにストレスがないフィット感は、まさにカスタムフィットという表現がとても近いでしょう。
またシューズのラスト自体が、扇型の“ジャパンラスト”になっていて、足回りが気なる方もこれなら問題なく履けるレーシングですよ(逆に幅が狭めの方にははまらないかも……)。
私も前足部の足幅があるタイプなので、このシューズのメリットを感じますね。
ちなみに、ブーツ構造(シュータンが分かれない履き口が割れない構造)だと足首周りがやや気になる方がいるかもしれません。靴下を履くように足を入れてください(笑)
また少し深めの感じなので、靴下はやや丈の長めの足首を覆うタイプがベストでしょう。
そう、もう一つ。カラーによってサイズ感が若干違うので気をつけてください。特に黒っぽい色には注意が必要です。これはどのブランドでもそうですが、黒は色移りなどを考慮して、大抵別ラインで作るそうです。そのため少しタイトな作りになるケースが多いです。ちゃんと足入れしてから購入を検討してください(私は写真のレッドを履いていますが、例に漏れずブラックとサイズ感が全く違いました)。
インパルスを履いて実走してみると、3’40”ぐらいのマラソンペースでも重さを感じませんね。ニットアッパーにありがちな動く感じもありません。ニューバランスはやはりフィット感がいいですね。
ナイキとは違って、ニューバランスのカンパニーイメージ通り、奇をてらった感じにならない堅実さもニューバランスの愛すべきところなのでしょうね。
初めてのレーシングシューズ(10Kとか駅伝とか)、サブ3や3.5あたりのレースシューズ、スピードトレーニングにフィットします。おまけに足型が広めのランナーなら、とてもいい感じになると思いますよ。
せっかくならニューバランスの他のシューズも足入れしてみたい! そんな方にオススメ。
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NEW BALANCE GINZA:http://store.newbalance.co.jp/official-store/ginza
<商品スペック>
アッパー:ブーティー構造(全体ニットアッパー・踵部シンセティックメッシュアッパー)
ソール:従来素材より30%軽量化された「レブライト」ミッドソール、窒素注入TPUフォーム「フューエルシェル」を前足部に使用
アウトソール:耐摩耗性素材エヌデュランス使用
6 mm drop:23 mm (踵), 17 mm (前足部)